世間では、平成18年度の上期締めの日になりました。私も多忙で今日9月30日も土曜日ですが、仕事のためこの日開催の各種イベントには残念ながら出向くことはできません。
さて、今日9月30日の運行をもって廃線となる路線があります。その路線は愛知県小牧市に路線を持つ桃花台新交通「ピーチライナー」です。
「ピーチライナー」は、1991年に開業した名鉄小牧線の小牧から開発された桃花台ニュータウンを結ぶ、新交通システムの路線です。開業からわずか15年ほどで廃線ということになってしまい、新交通システムとしても初の廃止路線ということになってしまいました。
自分は2003年3月に「ピーチライナー」に乗車しています。この当時、名鉄小牧線が開通した地下鉄上飯田線に直通し、名城線の平安通に繋がったことから、小牧駅前では大々的なイベントが実施されていました。その時にこの路線に乗車しまして、終点の桃花台東まで行ってみました。その時の画像です。
桃花台新交通「ピーチライナー」の特徴は、正規の運転台が片側にしかなく、終端駅ではこのようなループ線で折り返していた。 2枚とも2003年3月29日 桃花台東で筆者撮影
桃花台東に停車中の「ピーチライナー」 2003年3月29日 筆者撮影
「ピーチライナー」は、終端駅で折り返す時はループ線で折り返す仕組みになっていました。このため、正規の運転台は片方にしかなく(反対側は切妻の簡易運転台)、扉も片側にしかないという独特な構造でした。
「ピーチライナー」は桃花台ニュータウンの足として大いに期待された開業したはずでしたが、ニュータウンからは中央線の春日井や高蔵寺ではなく名鉄小牧線の小牧向かって開業しました。この時代の名鉄小牧線の名古屋市内の始発駅は上飯田で、地下鉄の平安通まで約1キロを徒歩で連絡していたという不便さであったことから思うように利用は延びず、その後2003年に上飯田から平安通まで乗り入れが開始され運賃値下げまで実施し需要喚起を行いましたが利用は延びず、また名古屋市内までは今でも2回の乗換えが強いられることや、市内まで直通の高速バスが運転されこちらの方が速いという点、さらにマイカー利用の多い土地柄もあって低迷したままついに命運が尽きてしまいました。
「ピーチライナー」の廃止は確かに残念ではありますが、開業時の経緯や路線選択、さらには桃花台ニュータウンの入居が思うように進まなかったなど、街づくりという観点で果たして問題がなかったのか、「ピーチライナー」の廃線が問いかけているように思います。
わずか15年でその運行に幕を下ろす桃花台新交通「ピーチライナー」、今後線路跡などの撤去といった問題があるようですが、いろいろな観点から「ピーチライナー」が運行していたことを語り継いでいこうではないかと思います。