この車両の去就に注目 北総9000形
今年のゴールデンウィーク最後の日となった今日は、北総鉄道に行ってみました。待ってみますと、今となってはこの鉄道で最古参(除くリース車)となった9000形がやってきました。
北総線で活躍している9000形 2010年5月5日 新鎌ヶ谷で筆者撮影
北総9000形は1984年に小室~千葉ニュータウン中央まで開通した時に導入されました。この当時現在の北総線のうち小室から先は住宅・都市整備公団によって建設・開業したことから、この車両も住宅・都市整備公団保有2000形として6両編成で2編成導入され、路線の運営とともに当時の北総開発鉄道に委ねられました。1993年に北総2期線(京成高砂~新鎌ヶ谷)が開通する直前に8連化され、開業後は京成押上線・都営浅草線を経由して京急線までの直通運転に使用されるようになりましたが、乗り入れ先の京急に2000番代の車両があったことや都営浅草線を介する各社間で締結されている協定に基づき、1994年に9000形に改称されています。1999年には組織改組により都市基盤整備公団(UDC)保有となり、2004年には行政改革の施行による業務の見直しなどもありUDCから京成電鉄が100%出資した千葉ニュータウン鉄道に移管となりました。現在では千葉ニュータウン鉄道の保有とはなっていますが、この鉄道は社名を変更した北総鉄道によって運営されていることから、車両には「北総鉄道」と表記があり、実質上は北総の車両として差し支えはないかと思います。
行政機関の見直しなどによる歴史により所有者が変わった経歴を持つ北総9000形、本日も運用に就いていました。新鎌ヶ谷で撮影してみました。
2枚とも2010年5月5日 新鎌ヶ谷で筆者撮影
北総開業当初から活躍してきた7000形引退後も活躍している、9000形に出会うことができました。
今年3月の「北総春まつり」記念列車として京成上野からの直通特急にも充当された北総9000形、現在もその記念乗車券が北総線主要駅で発売しています。この車両も登場から26年が経過しました。
北総線は今年7月から、上野から成田空港を結ぶ京成成田空港線「成田スカイアクセス」として、最高時速160kmで走行するという新型スカイライナーが運転されます。このため、北総9000形はその足かせとなってしまい、運用を離脱するのではという観測があります。現時点で北総からの公式発表はなく、それこそ成田スカイアクセス開業後も生き残るかもしれませんが、その去就は注目しておく必要があるのではないでしょうか?
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コメント
公団線時代が懐かしいですね。ちなみに、北総開発鉄道と公団線が一緒になり、北総鉄道となったらしいですよ。
北総開発・公団線といっても、事実上、京成の新線みたいなものだと思います。
ちなみに、UDでなく、URですよ。
UDは確か、日産ディーゼルの略だったような。
投稿: TAMA-MUSASHINO | 2010.05.06 03:19
TAMA-MUSASHINOさん、コメントをありがとうございます。
北総鉄道で今も活躍している9000形、行政改革などの時代の流れの中で所有者の変更が何度かあり、また形式も変更されるなどこれまでの経歴は波乱万丈な感もいたします。
本記事の説明は、9000形の保有者についての変遷をまとめましたので、北総線の経歴とは異なった表現があります。おっしゃるとおりで現在の北総線は、公団線であった区間が京成電鉄が受け皿会社として設立した千葉ニュータウン鉄道に売却され、この会社が資産を保有し運営を北総開発鉄道から社名を変更した北総鉄道が、北総線として運営を行っているのは周知のとおりです。また都市基盤整備公団の略号は「UDC」が正解のようで、記事を訂正しております。現在のURは都市再生機構となってからの略号になりますので、この車両の経歴上での使用は適切ではないと思われます。
投稿: Kaz-T | 2010.05.07 00:38