引退を迎える会津鉄道「AIZUマウントエクスプレス」キハ8500形

今日は、新宿から特急「日光」号に乗車し下今市・鬼怒川温泉で乗り換え、野岩・会津鉄道経由で会津へ行ってきました。

鬼怒川温泉から乗車した列車は、会津鉄道が保有するキハ8500形気動車による快速「AIZUマウントエクスプレス」になります。

「AIZUマウントエクスプレス」に使用される会津鉄道キハ8500形　2010年4月11日　東武鬼怒川線　鬼怒川温泉で筆者撮影

会津鉄道の快速列車として運転されている「AIZUマウントエクスプレス」、この列車に使用されているキハ8500形は、名古屋鉄道から譲受した車両になります。名鉄時代は、新名古屋（現：名鉄名古屋）から犬山・鵜沼経由でJR高山線の高山を結んだ特急「北アルプス」として、1991年に登場しました。美濃太田～高山ではJR東海のキハ85系「ひだ」との併結運転も行われていましたが、「北アルプス」は2001年で廃止となりその後会津鉄道にやってきました。
会津鉄道では2002年3月から快速「AIZUマウントエクスプレス」として、会津高原（現：会津高原尾瀬口）・会津田島～会津若松で外装は名鉄時代と同じ姿でデビューしました。運転開始後2003年10月には主に土休日に会津若松からJR磐越西線の喜多方まで乗り入れが開始され、2005年3月には会津高原から野岩鉄道を経由して東武鬼怒川線の鬼怒川温泉まで直通運転を開始（当時のリリースに基づいて作成した記事はこちら）、鬼怒川温泉では東武鉄道の特急スペーシア「きぬ」と接続して、首都圏から会津地方を結ぶ列車として活躍してきました。しかし、この車両も寄る年波や、近年の情勢などの事情により今月をもって営業運転を終了することになりました。

そこで、今回は会津鉄道キハ8500形気動車のお名残り乗車ということで、鬼怒川温泉から「AIZUマウントエクスプレス」に乗車してみました。

東武6050系と並ぶ会津鉄道キハ8500形　2010年4月11日　東武鬼怒川線　鬼怒川温泉で筆者撮影

2枚とも2010年4月11日　東武鬼怒川線　鬼怒川温泉で筆者撮影

この列車は、浅草からの特急「スペーシア」の到着を待ってから出発しました。2両編成の車内は座席に十分な余裕がある乗車率で、この車両の特徴である大きな窓から、鬼怒川から会津地方へ移り変わる車窓を堪能しました。東武から野岩・会津、そして西会津～会津若松はJR東日本と4社にまたがって運転される「AIZUマウントエクスプレス」、鬼怒川温泉から会津鉄道の乗務員で運転されました。鬼怒川温泉から約2時間で、会津若松に到着しました。

JR東日本の新型気動車　キハE120形と並ぶ　会津鉄道キハ8500形　2010年4月11日　JR東日本　会津若松で筆者撮影

今日の「AIZUマウントエクスプレス」は、会津若松から喜多方へ延長運転が行われました。会津若松での停車時間でJR東日本の乗務員に交代となり、そのまま磐越西線に入ります。そして終点の喜多方に到着しました。

2枚とも2010年4月11日　JR東日本・磐越西線　喜多方で筆者撮影

喜多方に到着してからは、すぐに折り返して鬼怒川温泉に向けて出発していきました。

こうして早くも引退を迎えることになった会津鉄道キハ8500形、鬼怒川温泉から喜多方まで乗車してきました。名鉄の特急「北アルプス」として10年、会津鉄道の快速「AIZUマウントエクスプレス」として8年間、この車両は活躍してきましたが、まもなく引退を迎えます。あわよくばこの車両で浅草から会津方面直通の特急をといった夢を与えてくれたキハ8500形、それは叶わぬ夢となってしまいますが、首都圏から会津地方を結んだ列車として活躍しました。

会津鉄道ではキハ8500形に代わる「AIZUマウントエクスプレス」用車両がすでに導入されており、間もなくデビューするかと思います。名古屋と飛騨高山を結んだ特急から鬼怒川温泉と会津を結んだ快速として活躍したキハ8500形、これだけの車両ですので第3の活躍の場があればと思うのですが、それが叶うのはかなり低い確率であると言えるでしょう。

数奇な生涯を送ったともいえるキハ8500形、その活躍をたたえようと思います。