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2009.11.29

ひたちなか海浜鉄道「湊線ふれあいファン感謝記念祭」に行ってきました

今日は、常磐線の勝田から阿字ヶ浦に向かうひたちなか海浜鉄道で「湊線ふれあいファン感謝記念祭」が開催されました。上野から特急「スーパーひたち」に乗車して、このイベントに参加してきました。

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本日開催された「湊線ふれあいファン感謝記念祭」で展示された車両 2009年11月29日 那珂湊イベント会場で筆者撮影

今回訪れたひたちなか海浜鉄道は、昨年4月に茨城交通の湊鉄道線を引き継いで開業した路線になります。利用客減少などで存亡の危機が訪れていたのですが、地元地域の存続に向けた運動が行われた結果、ひたちなか市と茨城交通が出資した新会社として設立され運営を行っています。以前茨城交通の時代は何度か訪れたことはありましたが、ひたちなか海浜鉄道になってからは初めて訪れることになりました。

本日のイベント会場は那珂湊駅構内になります。そこで、勝田で1日フリー切符を購入して到着した阿字ヶ浦行き列車に乗車しました。

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キハ37100-3を先頭にした列車 2009年11月29日 勝田で筆者撮影

茨城交通時代に導入された新型車でまずは那珂湊に行ってみました。ここではホームなどの構内で物品などの販売が行われていました。この駅構内には車両基地があります。ここに停車していた車両を撮影してみました。

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ホームに停車してきたケキ102

茨城交通時代は貨物列車の牽引に使用されたディーゼル機関車ですが、見た限り動いた形跡はありません。今日は運転台を公開していました。

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車両基地に停まっていた車両

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キハ3710-2

この手前には、ここでは初めてみる車両も留置していました。

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兵庫県にあった三木鉄道からやってきたミキ300-103

この車両は、昨年3月末日の運行をもって廃線となった、兵庫県にあった三木鉄道からの譲渡車両になります。ひたちなか海浜鉄道ではまだまだ古い車両も多く、製造されてまだ10年ほどのこの車両を譲りうけることになりました。外観や車号は三木鉄道時代のままで運転されています。

そして、後続の列車に乗車して終点の阿字ヶ浦に向かいます。

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到着したキハ222

湊線では、以前から旧型車に旧国鉄の気動車の塗装を再現して人気を集めています。今日は午前中は旧塗装の車両を3両連結して運転され、沿線では多くの人がこの列車を撮影していました。

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キハ2004 2009年11月29日 阿字ヶ浦で筆者撮影

3両編成で運転された旧型気動車、勝田方から準急色のキハ2004・一般色のキハ205・旧一般色のキハ222という編成で運転されました。阿字ヶ浦からは再びこの列車に乗車して、今度は沿線の名所といえる中根駅で下車、この付近で勝田から戻ってきたこの列車を撮影してみました。

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2009年11月29日 金上~中根で筆者撮影

田園風景が広がるロケーションとして知られる中根駅付近を走行している旧型気動車3両編成、このように撮影できました。このあとは後続の列車に乗車して、イベント会場の那珂湊に再び向かいます。

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2009年11月29日 中根で筆者撮影

到着した那珂湊では、先の旧型車からキハ2004が切り離されていました。

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このあと、午後から車両基地で撮影会が開催されました。

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撮影会開催、ヘッドマークが付けられた

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クリスマスのヘッドマークが付けられたミキ300-103

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庫の中で並ぶキハ2004とキハ3710-2

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昨年のひたちなか海浜鉄道開業のヘッドマークを付けたキハ2004

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「サンライズあじがうら」のヘッドマークを付けたキハ3710-2

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ミキ300-103のヘッドマークは変えられた「ハート&スマイル ひたちなか」

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反対側にも「なかみなと」のヘッドマーク

このあとは構内を奥に進んでみました。まずはこんな車両が停まっていました。

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今年7月の運行を最後に引退したキハ223

ミキ300-103の導入により運用を離脱し今年7月にさよなら運転を行ったキハ223が展示されました。この車両は北海道にあった羽幌炭礦鉄道からやってきた車両になります。羽幌炭礦鉄道時代の塗装になって展示されましたが、この車両は引退後さいたま市の某医院の方が購入されたそうで、その方のご厚意でこのように展示されまました。このあとはさいたま市内で保存されるとのことです。

その先にはこんな車両が停まっていました。

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旧国鉄首都圏色が再現されたキハ203

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その隣にはキハ204

那珂湊の車庫の奥にはキハ20形がほぼ放置された状態で長きに渡り留置していましたが、そのうちの1両にかつての国鉄カラーである首都圏色通称「タラコ」色が再現されました。しかし、これらキハ20はライトが腰部に角型のものが2組という妙な形態をしていますが、これらキハ20は国鉄で廃車となったあと、1985年に開業した鹿島臨海鉄道大洗鹿島線に譲渡されて活躍していたところ、この鉄道において自社発注の車両が増備されたことから、湊線にやってきたという経歴があります。大洗鹿島線に譲渡されたときに角型ライトになったようです。

この車両の隣には、こんな車体がありました。

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湊線で活躍したステンレス車体の気動車 ケハ601の車体

その昔、湊線で使用されていたケハ601の車体です。我が国初のステンレス車体を持つ気動車でありました。廃車となった後車体だけが倉庫として残されていたようなのですが、現在では整備され車内はギャラリーになっています。ケハ601は毎週日曜日に公開されているようです。

このあと、再び撮影会会場である庫の前に戻りました。

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その後はヘッドマークが外された

この場所で、営業運転中の車両も撮影できました。

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到着したキハ3710-1

現在の主力車両であるキハ3710形ですが、このうちキハ3710-1とキハ3710-2は間もなく外装が変更されるとのことです。

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ミキ300-103と並ぶキハ222

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到着したキハ205

これらを撮影しているうちにイベント終了時刻になりました。帰りは阿字ヶ浦から戻ってきたキハ205に乗車しました。

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キハ205 2009年11月29日 勝田で筆者撮影

こうして、昨年新会社として発足したひたちなか海浜鉄道で開催された「湊線ふれあいファン感謝記念祭」に参加してきました。一時は存亡の危機にあった湊線は、ひたちなか海浜鉄道として残ることができました。ファン感謝イベントとして開催された今回のイベントでしたが、沿線はローカルな風景が広がり、新会社になってもそのムードはそのままでした。
人気を集める旧国鉄色の旧型車、この路線の主力であるキハ3710、そして湊線に新たな活躍の場を移したミキ300-103、見どころも多い路線です。存続することができた湊線、ぜひこの路線を訪れて、旧国鉄カラーの気動車とローカルムードにあふれたロケーションを体験しに、乗車されてみてはいかがかと思います。


画像は特記以外2009年11月29日 那珂湊イベント会場で筆者撮影


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コメント

 ありがとうございます。
 がんばってますので、これからもよろしくお願いします。
 ムードは大切にしないといけませんね。
(吉田)

投稿: ひたちなか海浜鉄道 | 2009.12.01 12:06

ご乗車いただければ。
ありがとうございます。
(吉田)

投稿: ひたちなか海浜鉄道 | 2009.12.01 13:04

ひたちなか海浜鉄道株式会社社長吉田様、先日は貴社湊線のイベントに参加しまして、その後弊ブログにおきましてこのように記事としました。充実した内容のイベント開催と、弊ブログにお越しくださいまして、ありがとうございます。

湊線も廃線か、という報が流れた時はどうなってしまうのかと思ったのですが、このように吉田様をはじめとしまして貴社の皆様方や沿線地域において支援されている皆様の活躍で、以前と変わらぬ湊線を堪能できました。

また訪れたいと思いますので、これからもぜひ、貴社湊線が多くの人々を魅了する路線となることを祈念いたします。

投稿: Kaz-T | 2009.12.01 23:06

 こんばんは。先日は失礼いたしました。

 私の方は午前中、中根で撮影した後、那珂湊のイベント会場へと移動しました。イベント会場では新旧さまざまなディーゼルカーが展示されていましたが、特に注目していたのが三木鉄道からやってきたレールバスですかね。古巣は廃止されてしまいましたが、こうして新天地へ赴くことができたのは幸せな車両と言えそうですね。残念ながら今回は乗車することは出来ませんでしたが、ここで乗ってみたいところです。

投稿: mattoh | 2009.12.11 23:10

mattohさん、コメントとトラックバックをいただきまして、ありがとうございます。またこの日はご一緒させてくださいまして、ありがとうございました。

ひたちなか海浜鉄道になった湊線、やはり注目は旧型気動車の3両連結というのが今回のイベントでは話題になったかと思いますし、今もなお素晴らしいロケーションが残る中根駅周辺に多くの人が訪れたのは納得できます。
また、三木鉄道からやってきたミキ300-103も注目を集めていました。路線が廃止となって第2の活躍の場を求めて湊線にやってきました。残念ながら三木鉄道には乗車することができずに廃線となってしまいましたが、こうしてまた活躍の場を得ることができたのは、喜ばしいことかと思います。

投稿: Kaz-T | 2009.12.12 01:56

この記事へのコメントは終了しました。

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