リバイバルカラー 京王6000系
最近、各社で往年の塗装にリバイバルを行うことが流行りのようですが、今度は京王電鉄で京王線系統で活躍してきた6000系に1編成、登場時のアイボリーに臙脂のラインという外装が再現された編成が登場したとのことで、本日撮影してきました。
登場時の外装が再現された京王6000系 6416F 2009年11月2日 調布で筆者撮影
京王6000系は、1972年に登場した京王では初の20m4ドア車であり、1991年まで304両が製造され京王線系統の特急から各停、都営新宿線直通列車にまで活躍した1970年代から80年代の京王線の代表車両として活躍してきましたが、最近では9000系の増備が進み、すでに都営新宿線直通運用からは撤退し、残りは基本の8両編成が2本、増結用の2両編成が8本、支線系統用の4両編成が1本というところまで数を減らしてきました。もう京王線系統でも見ることはかなり困難な状況になってきています。また外装は2003年頃から現在の京王のコーポレートカラーといえるアイボリーにワインレッドとブルーの2本のラインが入ったものになりました。今回は、昨日若葉台車両基地で事前申し込み制の一般公開が開催されたそうで、その目玉として6000系にかつてのアイボリーに臙脂のラインという外装が再現されました。
そこで、この姿を早速撮影しようと思い、事前に入るであろうと予測した運用に合わせて笹塚で待ってみることにしました。すでに先客もいた状況でしたが、やがてかつての外装が再現された6000系がやってきました。
9000系を従えて準特急でやってきたリバイバルカラーの6000系 2009年11月2日 笹塚で筆者撮影
かつての外装が再現された6000系は増結用の2両編成6416Fになります。この編成は増結用のほか、平日の競馬場線ワンマン対応編成でもあります。9000系8両編成9008Fと併結してやってきました。
さて、かつての塗装が再現された6000系ですが、この外装は1972年に登場した当時の姿が再現されました。すなわち、前面の帯の処理が5000系のように斜めにカットされていることと、行き先表示の部分がアイボリーのラインで区分けされています。この姿は1972年に登場した6001F~6006Fに施され、約1年間ほどしか見ることができなかったというスタイルになります。ということで、1984年に入線した6416Fはこの姿の時代はなかったことになります。また一方で6000系登場時ではスカートは装着されていないばかりか、前面貫通路のホロ枠もなく、車号表記のフォントも異なるなど、その当時とは異なっている部分もあります。また「準特急」という列車でやってきたところに、いかにもという感じがします。
笹塚で通過を見送ったあとは、折り返してきたこの編成に乗車しました。各停京王八王子行きとしてやってきた6416F、車内は特に変化は見受けられませんでしたが、車外側面にはこのようなものが再現されました。
再現された「K.T.R」プレート
現在では戸袋窓上にあるKEIOロゴのある位置には、当時このようなプレートがついていました。イニシャル表記のプレートで、これで京王の車両を表していました。「K.T.R」とは「KEIO TEITO RAILWAY」の略で、この車両が登場した当時の社名は京王帝都電鉄と称していたことからこのような表記になっていました。
この編成は桜上水まで乗車してここで先発となった通勤快速に乗車、千歳烏山で後からやってきたこの編成を撮影しました。
2009年11月2日 千歳烏山で筆者撮影
千歳烏山からは後続の急行橋本行きに乗車してつつじヶ丘でこの編成を追い越して調布まで先行して、ここで到着した6416Fを撮影後先発となった準特急で、高幡不動まで先行してこの編成を待ちました。そして、再びやってきた6416Fは高幡不動で切り離しとなりました。
切り離された6416F 京王八王子方先頭は前パンタの6866 2009年11月2日 高幡不動で筆者撮影
入庫のため入換中の6416F 2009年11月2日 高幡不動で筆者撮影
切り離され入庫した6416F、ここにも多くの人が集まりました。その後この編成は上り5番線を通過して京王八王子方の留置線に入りました。
京王八王子方の留置線に留置となった6416F 2009年11月2日 高幡不動で筆者撮影
その隣を各停新宿行きとして8000系が通過する 2009年11月2日 高幡不動で筆者撮影
こうして、登場時の外装が再現された京王6000系を撮影することができました。
今年度いっぱいで姿を消すとさえいわれている京王6000系、その当時のアイボリーと臙脂のラインがこのように再現されました。この編成は2両編成であり、また競馬場線のワンマン対応編成でもありますので、今後は平日朝の増結や、同じく平日ダイヤの競馬場線の折り返しで2両編成で運転されるという運用になります。いずれも平日ダイヤがメインで、土・休日ダイヤで運用に入る確率は低いと思われますが、かつての姿が再現されたこの編成、探してみてはいかがかと思います。
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
やってくるんじゃないかと思っていましたが
やはりリバイバル編成を作ってきましたか。
塗り分け線は1Fだけが(2Fも)この形だったような
気がします。4Fはかつてのようなテーパーのなかった
ような記憶があります。
6000系、新車と呼んで騒いだ小学生時代から
その終焉まで全部立ち会えることができました。
京王では誕生から昇天まで全部見ることができる
唯一の形式だと思います(7000はあと20年は
使うから最後まで見届けられるか・・)
私の中ではまだ「新車」なんですよ。6000=新車
そんな京王を長く愛する人には衝撃的でなおかつ
平凡な形式の6000系、いよいよ消えるときが来ま
したね。
6000系、そんなに印象がないのですが思った以上に
画像に納めていました。心残りはないです。
投稿: SATO | 2009.11.03 10:54
こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。
kaz-tさんの話題の豊富さと行動力には敬服する限りです。
京王線といえば、6000系が中心のような気がしていたのですが、早いもので全車引退も視野に入ってきました。
これからも楽しい記事の配信を楽しみにしております。
投稿: 佐野 次郎 | 2009.11.03 14:24
こんばんは。
京王6000系もリバイバルカラーを始めましたか?撮影に行きたいのですが平日の競馬場線運用がメインであるなら仕業ウヤして行くしかなさそうですね。
投稿: nagasou | 2009.11.03 19:43
コメントをいただきまして、ありがとうございます。
SATOさん>
京王6000系でも実施されたリバイバルカラー、この仕様は登場時の姿になりますが、実際にこの仕様で登場したのはわずか2編成ほどでそれもわずかな期間であったのですか。それだけ、珍しい姿が再現されたのではないかと思います。
私もこの形式が全盛の時代に少年から青春期を過ごしたもので、もう消えるのかとも思うのですが、それだけ姿を消してきた中で登場したこの外装、いよいよ最期の日が近づいているのではないかと思います。
佐野 次郎さん>
いつも、弊ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。京王6000系は1970年代から80年代の京王線系統における主力車両で、それだけ多く導入されました。しかし、9000系の増備であっという間に姿を消してしまいまして、今では見ることが困難なばかりか、もう今年度内で全車引退とまで言われており、そんな中で出現したリバイバルカラーになるかと思います。
nagasouさん>
京王6000系でも、このようにリバイバルカラーが登場しました。この外装になった6416Fは競馬場線のワンマン対応車になりますので、平日ダイヤの競馬場線折り返しかあるいは平日朝の増結用という状況で、土休日に運用に入ることはよほど運用変更でもない限りないことになります。撮影は困難が生じますが、ぜひご覧になられてみてはと思います。
投稿: Kaz-T | 2009.11.04 01:48
先ずは「願いが叶った!」という気持ちでした。
6000系は私より1年先輩で、私もこれまでの人生全てを京王沿線で過ごしてきていますので、自分にとってはいつも身近にいた車両、ということになります。
この旧塗装を見た時、物心ついた頃から見ていた6000系~現在の6000系まで、様々な思い出が蘇りました。そして、ついに世代交代の時が近づきつつあることを改めて実感しました。
残念ながら6000系は、事業用車を除き第二の人生も望めないと言われていますが、長い間本当によく頑張ってきた車両だと思っています。それだけに最後は温かく、そして感謝の気持ちでお見送りできればと思っています。
投稿: 通勤急行 | 2009.11.09 01:30
通勤急行さん、コメントをありがとうございます。
私もこの外装、よくぞやってくれたと思っております。また、写真でしか見たことがない登場時の姿を再現したという点で、それまでなじんでいたスタイルとは違う点も注目であり、一方でこのスタイルでナンバープレートのフォントがそのままであったりなど、それはそれで面白いスタイルになったと感じます。
京王6000系も今残っている車両の余命は、いくばもありません。この車両の登場した当時は相模原線が多摩センターまで延びて都営新宿線との直通運転も始まったという、急激に利用客が増えた時代に登場しました。多摩の丘から都心を結んだ車両として、大変大きな活躍をしてきたと感じます。おっしゃる通りで、最後の日まで走り続けてくれることを切に願うのは、私も同じです。
投稿: Kaz-T | 2009.11.09 23:11
初めてこちらに書き込ませて頂きます。
私はいわゆる「ゆとり世代」でして、生まれた時には既に6000系は第一線から
退いていましたが、それでも幼い頃から6000系によく乗っていた私にとって
電車の姿といえば、このアイボリーに赤帯の塗装を思い浮かべますし、
電車の音といえば、この界磁チョッパの独特の唸りを連想します。
私にとっても身近な車両です。
リバイバル塗装の噂は聞いていましたが、もう運用についていたのですね。
早々と優等列車に充当されていたとは驚きです。
ところで今日、6416Fが高幡不動にて留置されていたのを見かけたのですが
その2つ隣の留線にDAXを連結したデハ601が並んでいました。
そして何とその間に6410Fが進入。見事に事業用車+新塗装車+旧塗装車が並ぶという
ちょっと異様な光景が展開されていました。
わざわざ先頭位置が綺麗に揃う様に合わせたりと、
まるで撮影会か何かの準備でも行っているかの様でした。
入換作業に当たっていた保線作業員さんも、時折この変わった並びを眺めては
どこかしらある種の感慨に浸っている様にも見えました。
全廃も近い6000系、3000系と共に見守っていきたいところです。
長文失礼致しました。
投稿: 莱綺 未人(あかざきみきと) | 2009.11.12 21:56
莱綺 未人さん、弊ブログにようこそお越しくださいました。コメントをいただきまして、ありがとうございます。
臙脂のラインが再現された京王6000系、私が少年から青春時代は、前面こそは異なっていますがこの外装の6000系全盛の時代で、今はもうなくなってしまった前パンタのデハ6450を先頭にした特急というのが、私にとっての京王線の原風景であります。
それだけ身近な車両でもあった京王6000系も残すところ数本だけになり、お目にかかる機会も減少しています。そんな中復活したこの外装になります。この日はこの運用に入るであろうと予測して出向いた次第です。
京王では6000系ととともに井の頭線の3000系ももう残り僅かになりました。時代が変わろうとしている京王の今の様子と、6000系・3000系の最後の活躍を見守っていきたいのは、私も同じです。
投稿: Kaz-T | 2009.11.12 23:46
こんばんは。
本日、代休を取得して雨の中撮影に行ってきました。さすがに天候も悪かったせいか撮影に来ている人は見かけませんでした。土休日ダイヤには走らないリバイバルカラー、ちょっと寂しいですね。次回はいつ行けるかわかりませんが今度は晴天の日に行きたいですね。
投稿: nagasou | 2009.11.17 22:19
nagasouさん、コメントとトラックバックをいただきまして、ありがとうございます。またこの雨の中、撮影お疲れさまでした。
今日の6416Fは競馬場線でしたか。この編成の運用はほぼ平日のみになりますので、競馬場線の折り返しであれば確実に出会うことはできますが、あとは朝ラッシュの増結運用になりますので、本線で見かけるのは難しく、運用変更で土休日の運用に入ることに期待するしかないと思います。
投稿: Kaz-T | 2009.11.18 00:06