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2009.11.22

潮騒めぐる銚子電鉄 2009

3連休の中日となった今日は、あいにくの天気で寒い1日でした。そんな中、久々にここを訪れてみました。千葉県のローカル私鉄、銚子電鉄です。

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銚子駅に停車中の銚子電鉄の車両 今回はデハ1001「桃太郎電鉄号」が停車中 2009年11月22日 筆者撮影

前回訪れたのが昨年の正月明けになる銚子電鉄、その後どうなったのか訪れました。特急「しおさい1号」で銚子に到着し、停車していたデハ1001「桃太郎電鉄号」に乗車して、まずは終点の外川に向かいました。その途中の笠上黒生で、列車の行き違いがありました。

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行き違った列車はデハ1002「鉄子の旅号」 2009年11月22日 笠上黒生で筆者撮影

本日運用に就いていたのは、営団地下鉄銀座線及び丸ノ内線方南町支線で活躍していた2000形の譲受車であるデハ1000形で運転されていました。デハ1001はゲームソフト「桃太郎電鉄」で、デハ1002は漫画「鉄子の旅」の原作者がデザインした外装の車両で運転されました。こうして、終点の外川に着きました。

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2009年11月22日 外川で筆者撮影

外川到着後は、すぐには折り返さないで1本送ります。この駅の側線に留置中の車両を撮影してみました。

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留置中のデハ702 2009年11月22日 外川で筆者撮影

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その後ろにはオープンデッキのユ101「澪つくし号」 2009年11月22日 外川で筆者撮影

ここには、非ワンマン車で旧塗装になっているデハ702と、夏時期に運転されていたオープンデッキの「澪つくし号」ユ101が連結され留置していました。デハ702はもう団体専用の増結車として使用されていたようで、またユ101についてもここ数年連結がなされていないようですので、これら車両が今後どうなるか気になります。
外川からは到着したデハ1002「鉄子の旅号」に乗車します。

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2009年11月22日 外川で筆者撮影

今度は車庫のある仲ノ町で下車、ここで入場券を購入して車庫内を見学してみました。(銚子電鉄仲ノ町車庫は、仲ノ町駅で入場券を購入し駅員さんにその旨を申し出ると、車庫内での撮影ができます。)

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2枚とも2009年11月22日 仲ノ町で許可を得て筆者撮影

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銚子電鉄名物 我が国で最も小型の電気機関車といわれる デキ3 最近塗装が変更された 2009年11月22日 仲ノ町で許可を得て筆者撮影

今回も、仲ノ町車庫において、銚子電鉄の名物になっている我が国最小といわれる電気機関車デキ3が撮影できましが、この機関車はつい最近化粧直しが行われたようで、一時期の銚子電鉄の塗装が再現されました。

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近江鉄道からやってきたデハ701 2009年11月22日 仲ノ町で許可を得て筆者撮影

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運行中のデハ1001 2009年11月22日 仲ノ町で許可を得て筆者撮影

反対側からも撮影してみました。

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留置中のデハ701とデハ801 2009年11月22日 仲ノ町で筆者撮影

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伊予鉄道からやってきたデハ801 2009年11月22日 仲ノ町で筆者撮影

2本ともデハ1000形で運転されていましたので、吊りかけ車であるデハ701とデハ801は車庫に留置となっています。せっかくの車両ですので乗車してみたかったのですが、この両車両はすでに監督官庁から改善勧告が出されておりそうやすやすと動かすことはできない状況になっているようです。

仲ノ町で撮影していましたが、以前ですとこの構内で留置していたデハ301の姿がありません。もう解体されてしまったようです。またデハ701・702・デハ801についても老朽化が進んできており、監督官庁からも改善勧告出されている状況であることからこれら吊りかけ車は置き換えの対象となっているようで、すでにその車両が銚子電鉄に入線しています。仲ノ町車庫において改造工事が始められており、その姿も撮影することができました。

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改造中の元伊予鉄道800系 旧822 2009年11月22日 仲ノ町で許可を得て筆者撮影

今回銚子電鉄に導入されることになった車両は、再度伊予鉄道からの譲渡となります。伊予鉄道で800系と呼ばれていた車両が2両編成2本導入されました。この車両、遡りますと元京王帝都電鉄の2010系で、すでに製造から45年以上が経過した車両になります。伊予鉄道では3000系の導入により置き換えられた800系、銚子電鉄の600Vに対応し、冷房装置が搭載されていたということで、第3の活躍の場が与えられました。まずは822-852の編成が改造中で、営業運転開始は今年度中を予定しているとのことです。

仲ノ町で撮影しまして次の場所へ向かう前に、この駅近傍にヤマサの工場に行ってみました。銚子といえば醤油の街、ここにあるヤマサの工場内は見学ができます。ちょうど工場内見学受け付け時刻までは時間があったのですが、この地このような車両が保存・展示されている車両については見学できました。

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ヤマサ工場内で保存されている入換用ディーゼル機関車 2009年11月22日 筆者撮影

この機関車はドイツ製で、大正末期に輸入された我が国で現存する最古のディーゼル機関車とされています。石炭を燃料として走行したこの機関車は発案者の名前から「オットー」と呼ばれ、ヤマサ工場内の専用線で貨車の入換に1964年まで従事していたとのことです。もしかすると銚子電鉄のデキ3と共演していたのかもしれません。

ヤマサ工場内の「オットー」を見学後は再び電車に乗り、今度は笠上黒生に行ってみました。

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列車の行き違いがある笠上黒生 2009年11月22日 筆者撮影

ここでも、以前もう朽ち果てかけていたデハ101の廃車体は無くなってしまいました。一方でやはり伊予鉄道からやってきた車両が改造待ちで留置していました。

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改造待ちのため留置中の旧伊予鉄道800系 823-853 2枚とも2009年11月22日 笠上黒生で筆者撮影

ここではもう1編成旧823-853の編成が改造待ちで留置していました。伊予鉄道からやってきた800系は、銚子電鉄で外川方は貫通型の前面、銚子方が湘南型の前面になります。

このあとは、後続の列車で犬吠に向かい、ここで「ぬれ煎餅」を買ってから銚子に戻ることにしました。

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2009年11月22日 犬吠で筆者撮影

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銚子に戻るとEasti-Eが停車中 2009年11月22日 筆者撮影

銚子に着くとJRの総合検測車であるEasti-Eが停車中でした。珍しいシーンに出会うことができました。

こうして、昨年の正月時期以来久々に銚子電鉄を訪れました。いよいよこの路線でも伊予鉄道からやってきた冷房付きの車両が導入されることになり、吊りかけの旧型車は置き換えられてしまうことになるかと思います。
一時期の困窮からは脱したかに見えますが、それでもまだまだ決して楽観はできない状況であることは変わりはないと思います。それでも多くの人の声援を受けて今日も走っていました。
この記事をご覧になられました皆様、ぜひ銚子電鉄を訪れて、その魅力に一人でも多くの人に触れてほしいと感じています。銚子半島の潮騒を感じながらのんびりと走る銚子電鉄、再び伊予鉄道から導入された車両の運転開始とそれまでの旧型車が運用に入ることを期待するとともに、これからもこの鉄道が末永く走り続けることを切に願うところです。

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コメント

当初は京王3000系を導入する計画だったそうですが、改造コストがかかりすぎることから同じく京王3000系によって置き換えられる伊予鉄道800系に白羽の矢が当たった格好となりました。

伊予鉄道800系は京王時代のグリーンカラーに塗り替えられて、車いすスペースと転落防止ほろを設置して「現代の車両」と同様の姿で営業に入るとのことです。

歴史的な車両が無くなるのが寂しいですが、最近は老朽化→即廃車という傾向が多く見られているだけに、手直しされてまだまだ新型車両に負けない活躍を見せてくれるのは本当にうれしくなります。伊予鉄道からやってきた800系が銚子電鉄に新しい光を運ぶ車両になってほしいものです。

投稿: astroboy-nj | 2009.11.23 23:28

astroboy-njさん、コメントをありがとうございます。

久々に訪れた銚子電鉄、伊予鉄道からやってきた800系が入線しており、改造が始まっていました。
当初はそれこそ井の頭線の3000系の譲渡とも言われていましたが、電圧などの仕様から今回も伊予鉄道からの譲渡になりました。京王時代のグリーンということが一部で報道されているようですが、外川方のスタイルでグリーンというのは、そこか違和感を感じさせるものになってしまいそうな気がします。
しかしこの車両もすでに45年以上が経過した車両になりますので、また新たな活躍の場を得たという点でよかったとともに、これから銚子での活躍に期待したいところです。この車両の営業運転開始の時期に、また訪れてみたいと思っています。

投稿: Kaz-T | 2009.11.24 00:48

京王線沿線で育ち、小さいときによく乗ったグリーン車が関東に戻ってくることはうれしいですが、車齢45年の車両だからまた近い将来、車両の老朽化という問題が出てくることは間違いありません。資金難の銚子電鉄がその時にどのように対処するのか、今から考えてしまいますね。車両の老朽化→廃止という最悪の流れだけは避けたいですね。

投稿: Tasuku | 2009.11.25 17:02

Tasukuさん、コメントをありがとうございます。

伊予鉄道から銚子電鉄にやってきた伊予鉄800系、元は京王2010系になります。すでに45年以上過ぎた車両ですが、第3の活躍の場となります。
それだけ使ってきた車両なだけに、今後すぐに車両の老朽化という問題は出てくると思います。確かに今回は伊予鉄道800系という出物がありましたが、次の段階では果たしてという気もします。
いずれにしましても、私もかつて京王線で緑色の車体で走っていた姿を覚えている世代だけに、銚子でのデビューの日が待ち遠しく感じます。

投稿: Kaz-T | 2009.11.27 00:42

この記事へのコメントは終了しました。

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