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2009.10.10

鉄道総研「平兵衛まつり2009」に行ってきました

10月の3連休になり、また「鉄道の日」も近づきました。今日は日比谷公園で毎年恒例の「鉄道フェスティバル」の開催があり、また各地でもイベントが開催され、多くの人が訪れたと思われます。そんな中ですが、今日は東京都国分寺市にある財団法人「鉄道総合技術研究所」(鉄道総研)において、毎年開催されている「平兵衛まつり」が開催され参加してきました。

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本館前に展示されたリニアモーターカー 2009年10月10日 鉄道総研「平兵衛まつり 2009」会場で筆者撮影

鉄道総研は、JR発足と同時に発足した法人で、鉄道技術に関する研究・開発を行っている組織になります。その内容はリニアモーターカーなどに代表される先端技術から、既存の設備・システムをよりよいものとするための改良を行うなど、車両・線路・その他施設等多岐にわたる研究・開発を行っています。普段ですとまず入ることができないところになりますが、年に1回地域との交流という意味合いもあって公開されています。

さて、会場に入り目の前の本館前に鉄道総研で開発した2両のリニアモーターカーが展示されていました。

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リニアモーターカーの展示モデルML100

1972年に開発が始まったリニアモーターカーの最初の車両で、この車両は展示用の車両であったようで、この鉄道総研構内に作られた実験線を走行したそうです。

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山梨実験線で走行したMLX01-3

現在も山梨県内の実験線で走行試験が行われているリニアモーターカー、この車両は1997年に製造され山梨実験線で走行試験が行われていましたが、編成から外されこの地で保管されています。また車内も公開されていました。

このあと本館内を進み、各実験棟の内部公開がなされていました。これらは地道な研究ではあるのかと思いますが、いずれも鉄道の発展のため日夜取り組まれている内容になります。

さて、鉄道総研はこのように各種実験などを行う場所になりますので、この敷地内には試験用車両が存在しています。普段お目にかかることはなく、それこそ外界からは隔離された場所といえる鉄道総研の実験線、このイベントにおける隠れた注目点になります。まずは駅構内の流動実験を行うための設備からこんな車両が見えました。

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新エネルギー方式試験車 R291形

JR西日本の223系のような車体を持つこの車両はR291形と呼ばれ、燃料電池や蓄電池などの新エネルギー方式を取り入れた試験を行う車両になります。かつては鉄道総研内の線路はJR中央線の国立駅で繋がっていた時代があったそうですが今は完全に隔離され、この車両は実験用車両になりますでの敷地外の線路を走行することはありません。

また別の場所に進みますとこんな車両が存在していました。

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見ることができた試験車両

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幅広車体の試験車両?

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E231系タイプの車両

このような車両が停まっていました。快適な車両に関する試験車両なのか、それとも何の目的で作られたものなのか、このような車両が存在しているのが鉄道総研という敷地になります。これら車両が停まっていた付近ではこんな車両が走行を行っておりました。

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架線ハイブリッド試験車LH02形「ハイ!トラム」

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走行中のLH02

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パンタグラフ上昇中

この車両はLH02形という試験車両で「ハイ!トラム」という愛称があります。屋根上に蓄電池を搭載し、架線から集電して走行するだけでなく搭載した蓄電池に充電して、その電源で走行できるという車両になります。路面電車を想定した車体で、敷地内の実験線を蓄電池で走行していました。この走行時には乗車することもでるとのことでしたので整理券をもらって乗車してみました。
車内は近年の低床型路面電車の形をしていますが、乗車してみますと意外と加速が鋭く、それこそクルマと遜色がない出足になるかと思います。この車両は鉄道総研での実験の後、札幌市電において実際に走行試験を行ったとのことで、路面電車が見直されている機運がある中、注目される技術ではないかと思います。

このイベントは、地域との交流を図ることが目的にあるようですので、会場ではあちらこちらで家族向けのイベントが開催されていました。こうして会場を後にしましたが、出たところの向かいにこんな車両が展示されていました。

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鉄道総研前の「ひかりプラザ」で展示されている新幹線951形試験車

鉄道総研前にある国分寺市の施設として「ひかりプラザ」があり、ここに新幹線の高速試験車だった951形が展示されています。現在「ひかりプラザ」は外壁の改修工事中ということでこのような状態で近づくことはできませんでしたが、この地で保存されています。鉄道総研のある場所は国分寺市光町と呼ばれ、鉄道総研で開発された新幹線「ひかり」号に因みます。この地名になるまでは、この地を開墾した人の名前にちなんで平兵衛新田と呼ばれていました。鉄道総研のイベントの名称になっている「平兵衛まつり」はこの地の古い地名が由来となっており、地域の中の鉄道総研をアピールしているように思います。

こうして、毎年開催されている鉄道総研のイベント「平兵衛まつり」に初めて参加しました。日夜鉄道の発展のために研究開発が行われている施設であることから興味深いものも多く、またその場所の特性から普段まずお目にかかれない試験車両にも出会うことができました。

次回はまた来年ということになるかと思いますが、これからも継続した開催を希望したいところです。


画像はいずれも2009年10月10日 鉄道総研「平兵衛まつり」会場で筆者撮影


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地味鉄庵さん

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コメント

この路面電車風に体験乗車できたのですか!?貴重ですね。
(ここは、仕事では何回か行ったことがあり(笑)、これらの車両は見たことはありますが、走っているのを見たことはありません・・・)

投稿: アッパークラス | 2009.10.11 20:21

 こんばんは。今年は先約が入っていたため行くことができませんでしたが、去年初めて訪ねることができました。普段見ることができない試験用車両が見れるのは面白いですが、一つ心残りなのがハイトラムの試乗ができなかったことですね。こちらは来年以降の宿題としたいと思います。

投稿: mattoh | 2009.10.11 22:37

コメントをいただきまして、ありがとうございます。

アッパークラスさん>
鉄道総研で毎年開催されているこのイベントに、今回初めて参加しました。コメントされております路面電車風の車両は「ハイ!トラム」と呼ばれる試験車両で、このように会場内のループ線と呼ばれる線路を実際に乗客を乗せて距離にしてわずかな距離ですが試乗体験が行われ、私も乗車してきました。
なかなか見ることができない車両だけに、貴重な体験になったと思っております。

mattohさん>
私は今回初めて、鉄道総研の一般公開イベントに参加してきました。普段まずお目にかかることができない試験車両を見ることができるのもこのイベントの隠れた呼び物のようで、今回は「ハイ!トラム」の試乗体験にも参加してきました。ゆくゆくはこのような電車が走ることに期待したいと思う試験車両であったと感じております。

投稿: Kaz-T | 2009.10.12 23:09

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