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2009.10.18

上毛電鉄 感謝フェアイベント2009に行ってきました

好天に恵まれた今日は、群馬県の前橋まで行ってきました。前橋市内の中央前橋から西桐生を結ぶ上毛電鉄において「感謝フェアイベント」が開催されました。

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「鉄道の日」ヘッドマークを付けた725「ジュエルピンク」 2009年10月18日 中央前橋で筆者撮影

ここ数年、この時期にイベントを開催している上毛電鉄、今回もこのイベントに参加することにしまして、中央前橋駅で鉄道の日記念の「ワンデーフリーパス」を購入して、停車していた700形に乗車して、会場となった車両基地のある大胡に向かいました。

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「動く絵画展」のヘッドマークを付けた711「フィヨルドグリーン」 2009年10月18日 大胡で筆者撮影

大胡に到着してからは、今回もイベント会場になった車両基地に向かいました。登録有形文化財に選定された電車庫の前に車両が並べられ、多くの人が集まり撮影していました。

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「団体専用」というヘッドマークが付けられて展示された723「フェニックスレッド」

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展示された保存車両デハ104

姿を消してしまったかと思われていたデハ104、電車庫内で保管されていたようで、今回このような姿で展示されました。

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電車庫の前に勢ぞろいした展示車両

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「クリスマストレイン」のヘッドマークを付けた先の723の西桐生方になる713「フェニックスレッド」

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デハ104 西桐生方は非貫通

そして、これら車両に挟まれる形で今回のイベントにおける目玉といえる車両が展示されました。

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展示されたデキ3021

すでに開通から80年以上の歴史を持つ上毛電鉄、過去には貨物営業も行っており電車が数両の貨車を牽引していたという時代がありましたが、80年にも及ぶ歴史の中で初めて電気機関車を保有することになりました。デキ3021になります。この機関車は現在の東急東横線を開業させた東京横浜電鉄が1929年に導入した機関車で当初はデキ1と呼ばれていましたが、1942年に近隣の私鉄各社を合併して東京急行電鉄が成立した際にデキ3021に改番されました。戦後も残り田園調布~菊名で運転されていたという貨物列車の牽引や工事列車として活躍していましたが、貨物廃止・工事列車も工事用車両の充実により廃止になり、車両工場の入換用として残存することになりました。晩年は1980年に除籍されたものの長津田工場の入換機として機械扱いで今日まで残されましたが、長津田工場でも入換用機械導入により引退し、上毛電鉄にやってきました。

先に記述しましたように、現在では上毛電鉄では貨物営業は行っておらず、過去の歴史の中でも保有したことがなかった電気機関車が導入されました。何の目的で80年以上が経過したデキ3021を導入することになったのか?今後砕石散布列車の先頭に立って本線を運行するということがあるのか、大変気になります。

さて、これら車両の向かいには洗車体験と休憩所として車両が停車していました。

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この時点では休憩所になっていた「ハロウィン電車」のヘッドマークを付けた728「ゴールデンオレンジ」

その後、713についてはヘッドマークが変わりました。

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2003年の開通75周年ヘッドマークを付けた713「フェニックスレッド」

会場内から撮影もしてみました。

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大胡を出発した「走る水族館」724「サンライトイエロー」

このあと会場内で展示されていたものを撮影してみました。

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かつて下野電鉄(現在の東武鬼怒川線)の車両で使用されていた板台枠式台車

現在の東武鬼怒川線を開業させた下野電鉄の電車に使用されていた台車だそうで、昇圧などにより使用されなくなったところ銚子電鉄のデハ101の台車として使用されてきたとのことです。銚子電鉄のデハ101は廃車になってからしばらく笠上黒生駅構内に放置され朽ち果ててしまっていたのですが、先日解体されてしまったようで、この台車については保存されることになったとのことです。その隣にはこんな台車も展示されました。

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東武鉄道のかつての特急車5700形に使用されていた台車

今年、リニューアルオープンした東武博物館で新たに展示された特急型車5700系、その一族で使用された台車が展示されました。この台車、元は我が国初のカルダン駆動を装荷したものだそうで、その後は付随台車として使用されていたとのことです。
この台車付近にはこんな展示もありました。

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かつて東武鉄道から乗り入れていた急行列車に掲げられていたヘッドマーク

かつて上毛電鉄には、東武鉄道からの直通列車が運転されていて、中には浅草から赤城経由で中央前橋まで急行が乗り入れたことがあったとのことです。その当時の急行は座席指定に有料で、5700形が使用されていたとのことです。愛称は「りょうもう」に「じょうもう」と名付けられ1日1往復、その他快速列車の1往復乗り入れたようです。まさにこの台車も上毛電鉄を走行したことがあったのかもしれません。

これら撮影後は一旦会場を出て駅に戻ります。今回のイベント開催にあたり、この車両が臨時運行を行っていました。

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臨時運行が行われたデハ101 2枚とも2009年10月18日 大胡で筆者撮影

上毛電鉄開通時から走り続けたデハ101が、今回も臨時運行を行っていました。今では上毛電鉄に欠かせない車両となったデハ101、大変多くの方が乗車していました。ここで出発を見送ってから、後続の列車で戻ってくるデハ101を撮影することにしまして、それまでの間で大胡駅で撮影してみました。

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休憩所車両になっていた西桐生方の718「ゴールデンオレンジ」 2009年10月18日 大胡で筆者撮影

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留置中の712「ロイヤルブルー」 2009年10月18日 大胡で筆者撮影

そして到着した中央前橋行きの列車に乗車して上泉で下車、ここで大胡行きとして戻ってきたデハ101を撮影しました。

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2枚とも2009年10月18日 上泉で筆者撮影

上泉からデハ101に乗車してみました。車内は相変わらずの混雑でしたが、今となっては貴重になった吊りかけの音、80年以上前に作られたデハ101を堪能しました。そして大胡に到着しました。

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2009年10月18日 大胡で筆者撮影

大胡に到着するとイベント会場で、デキ3021がよい状態で撮影できる状況であったことから急いで会場に向かいました。

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デキ3021

上毛にやってきたデキ3021、車体は整備され上毛の社紋も付けられました。そうこうしているうちにデハ101が入庫してきました。

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デキ3021と並ぶデハ101

そして再び撮影開始です。

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電車庫の前に並んだ古豪たち

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「貨物」サボで展示されたデハ101

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デハ101反対側中央前橋方の貫通型先頭

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別の角度からデハ104

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再びデキ3021

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電車庫の中に入った「風鈴電車」のヘッドマークを付けた713「フェニックスレッド」

これらを撮影後は、午後になり再び臨時運転が行われたデハ101の走行している姿を撮影するために、会場を後にしました。

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出発を待つデハ101 2009年10月18日 大胡で筆者撮影

この列車には乗車せず、後続の列車で西桐生から中央前橋行きとして戻ってくるデハ101を撮影することにしまして、今度は粕川で下車、ここから中央前橋方にある先日登録有形文化財に登録された粕川橋梁で撮影してみました。

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726-716「パステルブルー」 2009年10月18日 新屋~粕川(粕川橋梁)で筆者撮影

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727-717「ミントグリーン」 2009年10月18日 新屋~粕川(粕川橋梁)で筆者撮影

そしてデハ101がやってきました。

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走行しているデハ101 2009年10月18日 新屋~粕川(粕川橋梁)で筆者撮影

こうして、デハ101も撮影できたことから、上毛電鉄を後にしました。

例外なくクルマ社会になった上毛電鉄沿線、この地域で鉄道に親しんでもらおうという趣旨で今回イベントが開催されたのかと思うのですが、デハ101の臨時運行が人気を集め、さらに東急からデキ3021を導入して展示したという点が話題になり多くの人が訪れたのではないかと思います。また主力として活躍している700形も、編成ごとに前面色が異なったカラフルな姿で運転されています。

今回も盛大に開催された上毛電鉄のイベント、今後もこのようなイベントの開催に期待したいところです。


画像は特記以外2009年10月18日 大胡車両基地 上毛電鉄感謝フェアイベント会場で筆者撮影

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