伊那松島運輸区 「モハ1」見学ツアーに参加しました
さて、すでにリバイバルカラー119系の記事でお気づきになられたかと思いますが、今日はこの編成で運転された団体専用列車に乗車していました。この列車は豊橋→伊那松島で運転され、中部天竜で停車して佐久間レールパークを見学後、飯田線内の秘境駅とされる小和田・田本駅に停車、他にも列車行き違いなどで新城・平岡・天竜峡でも下車できました。そして目的地となる伊那松島まで運転され、そのままこの駅にある伊那松島運輸区に入線しました。
この団体専用列車は、JR東海ツアーズが企画した「さよなら佐久間レールパークと『モハ1』見学ツアー」という日帰りツアーになります。道中では飯田線の歴史講座や飯田線クイズ、そして鉄道部品のオークションも開催され、途中駅の駒ケ根や伊那市からは地元の観光協会の方も乗車して観光PRも行っておりました。そして到着した伊那松島運輸区では、ここで保存されている「モハ1」の撮影・見学会が開催されました。
伊那松島運輸区で開催された「モハ1」見学会 2009年9月20日 筆者撮影
今回のツアーにおける見学会はまず乗車された号車ごとに撮影会を行った後、自由に見学・撮影を行う形式で開催されました。
まずは、今回のツアーで公開された保存車両を撮影しました。
伊那松島運輸区で保存されている車両
まずは、今回のツアーにおける展示車両であるモハ1です。
「モハ1形」 モハ1035
モハ1形は大正11年(1922年)に製造された木造車体の車両で電車の始祖といえる車両です。ここで展示されているモハ1035は登場時はデハ33509と名乗り東京圏の路線で活躍していましたが、昭和3年(1928年)に「形式1(通称モハ1)」と改称され番号もモハ1035となりました。その後昭和13年(1938年)に飯田線のうち三河川合~天竜峡の区間を開業させた三信鉄道に譲渡されデ307になりました。三信鉄道は豊川鉄道・鳳来寺鉄道・伊那電気鉄道と合わせて1943年に国有化されこの車両も再び国鉄車両になりましたが、昭和28年(1953年)に大井川鉄道に譲渡されモハ301となって昭和45年(1970年まで使用されたあと同社千頭駅で保管されていたものを平成9年(1997年)にJR東海が購入して復元した車両になります。現在では産業考古学会から「産業遺産」に認定されています。
その隣にはこんな車両も展示されました。
クモハ12041
この車両はクモハ12041という車両で、その経歴は1926年に製造されたデハ73380として製造され、その後モハ30131となり1950年代に中間電動車になり合わせて改番されモハ10016となった車両を、1964年に牽引車として両側に運転台を付けてクモヤ22112となっていた車両でした。JR発足後イベント用に旅客車に復することになりクモハ12041となりました。このためクモハ12といいましても前面は牽引車として改造された前面になっています。なお、この車両も2000年を最後に運転はされておらず、伊那松島運輸区で保管されていました。
その後フリーの撮影時間となったため、これら保存車両の後ろ側を撮影してみました。
保存車両の後ろ側
ここで保管されているモハ1とクモハ12041についても、2011年春にオープンするJR東海博物館に収蔵・展示されることになっています。
今回の見学会では同時に、ここまで団体列車として運転されてきたリバイバル塗装の119系が、定期で入庫中の標準色の119系と並んで展示されました。
展示された119系
リバイバルカラーが再現された119系E4編成
入庫中の119系
今回の見学会では、リバイバルカラーの119系は行き先表示が変えられて展示されました。撮影できましたものから主だったものをノーキャプションで掲載します。
119系に入っている方向幕が各種表示されました。119系を使用する快速も数本あるようで、このように各種表示があるほか、途中駅止まりの列車もあることから意外とコマが多く用意されているようです。
この見学会は約1時間で終了となりました。終了後は用意された貸切バスで中央線の木曽福島に向かいました。バスの車内では2011年にオープンするJR東海博物館の招待券の目録がいただけました。木曽福島から特急「しなの」と新幹線「ひかり」を名古屋で乗り継いで東京に戻りました。
ということで旅行会社が企画した「鉄道ファン」向けのツアーに参加したことになった今回の飯田線遠征、佐久間レールパークの見学時間が短かったように感じましたが、伊那松島運輸区での見学会は普段お目にかかれないモハ1やクモハ12041を見学できたということで、十分に満足いく内容でした。2011年のJR東海博物館の展示物の充実さを予感させる素晴らしいツアーであったと思っております。
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コメント
こんにちは。
20日は119系リバイバルカラーを北殿・田畑間で撮影後、伊那松島へ向かいましたが丁度119系が停車していたので踏切から1コマ撮影することができました。敷地外から団体ツアーの様子を拝見させていただきましたが凄かったですね。
投稿: nagasou | 2009.09.22 17:13
nagasouさん、コメントをありがとうございます。
nagasouさんが撮影されたリバイバルカラー119系の団体列車に、私は乗車していました。伊那松島運輸区ではこの地で保存されていたモハ1とクモハ12041の展示がメインでしたが、リバイバルカラーの119系もこのように展示され、行き先を各種表示しました。
鉄道ファン向けのツアーに初めて参加しましたが、なかなか盛りだくさんの内容でした。こういうツアーに、今後も機会があれば参加してみたいと思っております。
投稿: Kaz-T | 2009.09.22 23:13