置き換えが始まった伊予鉄道800系
新型車両3000系が営業運転を開始した伊予鉄道では、この車両の導入によって800系がまず置き換えの対象になっています。今回も出会うことができました。
姿を消すことになった伊予鉄道800系 825 2009年9月11日 古町~大手町で筆者撮影
去就が注目される伊予鉄道800系は、京王2010系の譲受車で伊予鉄道には1984年にやってきました。
京王2010系は1959年から京王線系統に導入された高性能車で、この当時流行っていた湘南顔の前面をしています。外装は一時期5000系と同じアイボリーに臙脂のラインという時代がありましたが、ほとんど緑色の外装をしており末期には「グリーン車」と呼ばれていた車両になります。伊予鉄道譲渡時に冷房化がされ3両編成で6本入線しました。その後輸送需要の調整により昼間は2両編成で運転することになったことから、中間車は先頭車化改造がなされました。
さて、3000系が導入されたことにより800系からは一部運用離脱が出ているようで、高浜・横河原線では滞在した2日とも前掲出の825の編成2両編成しか見ることができませんでした。そこで、2日目は大手町から松山市へ移動してここから郡中線に乗車してみることにしました。その結果ここで2両編成で800系が運用に就いていました。
郡中線の運用に就いていた800系 824 2009年9月12日 松山市で筆者撮影
800系で2両編成の場合の高浜・郡中港方先頭は中間車から改造の車両 854 2009年9月12日 余戸で筆者撮影
2両編成の場合、高浜・郡中港方先頭の車両は中間車を先頭車化改造した車両になりますので、一見すると700系のようなスタイルをしています。
この一族で地方私鉄譲渡となったのは、伊予鉄道800系が唯一の事例となる元京王2010系についてもこのように会ってきました。
3000系の導入によりいよいよ800系は姿を消していくことになるのですが、この形式については4両が伊予鉄道から今度は千葉県の銚子電鉄に譲渡されることになりました。伊予鉄道から銚子電鉄への譲渡はかつて100形の1両が譲渡されており(銚子電鉄ではモハ801)、これに続くことになります。銚子電鉄ではこの車両の譲受にあたり現在、車両支援オーナーの募集と車両愛称命名権の売却を行いその費用を募っています。現在どの程度集まったのかは不明ですが、また新たな活躍の場を得ることになる車両も出現する伊予鉄道800系、元京王2010系の松山での活躍も残り僅かとなったようです。
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