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2009.09.16

営業運転を開始した伊予鉄道3000系

今回の四国旅行において松山を訪れましたが、ここで向かった先は至近にある伊予鉄道の郊外電車である高浜線の大手町駅になります。
さて伊予鉄道の郊外電車においては、先月より新型車両となる3000系が導入され営業運転を開始しました。この車両に会いに行ってきました。

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営業運転を開始した伊予鉄道3000系 3501 2009年9月11日 古町~大手町で筆者撮影

伊予鉄道で営業運転を開始した新型車両3000系は、京王電鉄井の頭線で活躍していた3000系の譲受車になります。京王時代の編成で1983年以降に導入された3020F以降の編成が譲渡対象となっており、その第一陣として3両編成で2編成が導入されました。
井の頭線では前面がレインボーカラーとして7色の異なった色になっていましたが、伊予鉄道ではアイボリーとなり「IYOTETSU」というロゴマークが付けられ、側面には伊予鉄道のコーポレートカラーといえるオレンジの濃淡2色の帯が入りました。なお前面スタイルは、伊予鉄道に譲渡された車両はすべて京王時代の1996年ごろにリニューアルが施された車両になりますので、前面窓が左右方向に広がったパノラミックウィンド仕様になります。

今回導入された3000系は当面、高浜・横河原線運用とのことでしたのでしたので今回、ますは大手町に向かいまして3000系が来るのを待ってみることにしたところ、まず高浜行きとして1編成がやってきましたので、この戻りの列車に乗車するため後続の列車で一つ目の古町に向かいました。ここには車庫があるのですが、この日は第2編成が留置中でした。

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この日は車庫に留置中だった3502 2009年9月11日 古町で筆者撮影

そして横河原行きとして到着した第1編成を撮影後乗車しました。

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2009年9月11日 古町で筆者撮影

車内は、京王時代のリニューアルされた内装のままでしたが、一部の扉上にはLEDによる案内装置が設置され、また各車端部は「思いやりゾーン」として京王で導入されているものを参考とした優先席となっています。また、横河原方先頭車は弱冷房車となり、車いすスペースも設置されました。

とりあえず車内は京王時代とほとんど変わらないようでしたが、伊予鉄道譲渡にあたり大きく手が加えられたのが電装品になります。京王時代は界磁チョッパ制御でしたが、伊予鉄道譲渡改造により中間車のモハ3100はVVVFインバータ制御になりました。このため走行音は明らかに異なります。VVVF制御となったことにより、伊予鉄道の3000系は3両編成で中間車がM車で先頭車はTcとなる1M2Tという編成になります。

VVVFになった3000系で横河原に向かいます。松山市を過ぎると単線になり、郊外の住宅地からやがて田畑が広がる風景の中を進んでいきます。こうしてほぼ30分で終点の横河原に到着しました。

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2枚とも2009年9月11日 横河原で筆者撮影

営業運転を開始してまだ数週間、前面には運行開始記念のヘッドマークも付いている状態の3000系を堪能しました。
横河原からは後続の列車で大手町に戻りました。そして、高浜から戻ってきた3000系を撮影しました。

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700系(右)と並ぶ3000系 2009年9月11日 大手町で筆者撮影

昼間の高浜・横河原線は15分間隔で運転されており、複線区間である大手町で上下列車が離合するダイヤになっています。ここで従来から活躍してきた700系と離合したわけですが、伊予鉄道では以前から京王から譲り受け改造を行った車両が活躍しており、上記画像右の車両である700系はかつて京王線系統で活躍していた名車5000系の譲受車になります。今回井の頭線からやってきた3000系とこのように並んだのですが、京王線と井の頭線の乗り換え駅である明大前駅は立体交差で直交していただけでしたので、これは京王時代ではありえなかった並びとなります。京王線系統で一時代を築いた名車5000系と井の頭線で確固たるイメージを築いた3000系が並ぶという、これら車両の京王時代の活躍をよく知る者としましては、感慨深い光景が繰り広げられることになります。

9月11日は道後温泉に宿泊しまして、翌日も午前中に大手町を訪れました。そして、この日も3000系がやってきました。

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この日は運用に就いた3502 2009年9月12日 古町~大手町で筆者撮影

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3000系同士が離合する 2009年9月12日 大手町で筆者撮影

翌日は2編成とも運用に就いて、このように3000系同士の離合も見ることができました。やがて伊予鉄道のごく日常的な光景となることでしょう。

こうして、営業運転を開始した京王井の頭線3000系の譲受車である伊予鉄道3000系を見ることができました。3000系は最終的には3両編成10編成が導入されることになっており、これにより郊外電車で活躍していた800系(元京王2010系)全編成と700系(元京王5000系)の一部編成を置き換えることになります。すでに地方私鉄数社に譲渡された京王3000系の新たな活躍の場となりました。これから松山の地での活躍が期待できそうです。

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