祝 阪神なんば線開業
3連休の真っ最中ですが、この連休の初日である3月20日に関西で待望の新路線が開業しました。阪神電鉄のなんば線で、西九条から大阪難波まで延伸し、ここで近鉄難波・奈良線と接続して近鉄奈良から大阪難波経由で神戸・三宮までの直通運転も開始されました。開業当日は都合があったもので本日、大阪に出向き乗車してきました。

ついに開業した阪神なんば線 この路線用の新型車1000系が奈良に向かう 2009年3月21日 大阪難波で筆者撮影
ついに開業した阪神なんば線、約半世紀前から構想があり1970年代に開業を目指して建設が始まったものの沿線地域からの反対運動などで頓挫し、その後長い年月を経て再び建設が始まり開業を迎えることになりました。西九条からは安治川を越すアーチ橋とセミシェルターで囲まれた高架線を進むとほどなく地下にもぐり、九条・ドーム前・桜川と停車して、大阪ミナミの繁華街、難波に到着します。難波駅は近鉄の難波駅に乗り入れることになり駅名もこの開業に合わせて近鉄難波から大阪難波に変更されました。まずは、大阪難波で到着した阪神車を撮影してみました。

ヘッドマークをつけた1000系 近鉄線内の折り返し列車の運用 2009年3月21日 大阪難波で筆者撮影
阪神なんば線の主力車両は、この路線延伸に対応するため登場した1000系になります。ステンレス車体が特徴のこの車両は、6両編成と増結用の2両編成があり、これらを組み合わせて近鉄奈良~尼崎は最大10両編成にもなります。基本的には直通列車の運用に付きますが、撮影した時間帯の関係で近鉄線内で折り返す列車に就いていました。
さて阪神なんば線開通により、この車両も1000系とともに近鉄乗り入れ対応車になりました。

近鉄乗り入れ対応車になった9000系 2009年3月21日 大阪難波で筆者撮影
1996年にデビューしたステンレス車、9000系も乗り入れ対応車となり、外観が1000系に合わせたオレンジの帯になり前面も1000系のイメージに近いものになりました。9000系は1995年に発生した阪神・淡路大震災で多くの車両が被災し修復不能になってしまった車両の代替として、阪神電鉄と沿線地域の復興の立役者として登場した車両になります。震災復興という希望から阪神電鉄の長年の夢であったミナミへ乗り入れる車両として、活躍することになりました。

近鉄の特急車22000系「ACE」と並ぶ阪神9000系 2009年3月21日 大阪難波で筆者撮影
このあとは、阪神線に向かい途中で1000系を撮影してみました。

ヘッドマークをつけた1000系 この列車は梅田~姫路を結ぶ直通特急 2009年3月21日 今津で筆者撮影

ヘッドマークをつけた1000系 快速急行奈良行き 2009年3月21日 今津で筆者撮影
高架駅の今津で撮影後は神戸三宮に向かい、ここから奈良まで乗り通してみることにしました。

2009年3月21日 三宮で筆者撮影
阪神なんば線を経由して近鉄奈良~三宮を結ぶ列車の種別は快速急行となります。三宮で「奈良」の表示で停車中のこの列車に乗車してみます。
三宮を出ると特急停車駅である御影は通過して、六甲ライナーの乗り換え駅魚崎に停車、以降芦屋、西宮、今津、甲子園、武庫川、尼崎と停車してここから阪神なんば線に入ります。西大阪線時代の途中駅は通過して、淀川河口の長い鉄橋を渡り西九条に到着、ここから新線区間となります。長らく西九条で途絶えていた線路、もう延伸は諦めたとも思われていたこの路線、西九条の先にはセミシェルターで覆われた真新しい高架線が出現しました。この高架線を走り、安治川に架かるアーチ橋を渡ると再びセミシェルターで囲まれた高架線から地下にもぐり九条、大阪ドーム最寄駅のドーム前、桜川と停車してミナミの繁華街である大阪難波に到着、ここから近鉄線に入ります。日本橋、そしてやはり駅名を変更した大阪上本町と停車して、地上に出るとコリアタウンが広がる大阪環状線との乗り換え駅鶴橋に到着、ここからしばらくは複々線の高架を進みます。近鉄が誇る特急列車が多く行き交う複々線を阪神1000系が奈良へ進んでいきます。通過する布施で近鉄大阪線とは別れ奈良線に入り、東大阪市内の高架線から地上へ、東にまっすぐ進んでいきますが、その前方には奈良への道を阻むかのようにそびえたつ生駒山地が迫ってきます。やがてラグビーを愛する人々の聖地と言われる東花園を通過すると、ここから上り勾配が始まり、次の瓢箪山を通過すると進路を北に変えて坂を登り始めます。ぐんぐん上りやがて遠く大阪市街を望む河内平野を眼下に進み、石切を通過すると再び東に進路を変えて生駒トンネルに入ります。このトンネルを抜け生駒に停車、ここを出るとアップダウンを繰り返しながらも大和盆地に向けて進んでいきます。学園前に停車して、やがて奈良線と京都線・橿原線のジャンクションである大和西大寺に停車、ここから奈良に向けて出発すると今から1300年の昔、都だった平城京の広大な跡地を抜け、新大宮に停車してまた地下にもぐると、この列車の終点となる近鉄奈良に到着、約80分の行程になります。

近鉄奈良に到着した阪神1000系 折り返しは普通大和西大寺行き 2009年3月21日 筆者撮影
奈良に到着後は戻って今度は近鉄線内で阪神車を撮影してみました。

区間準急で到着した9000系 2009年3月21日 近鉄奈良線 大和西大寺で筆者撮影

近鉄の通勤車と並ぶ1000系 2009年3月21日 近鉄奈良線 大和西大寺で筆者撮影
この後は、走行しているシーンも撮影するため、場所を変えて撮影してみました。

1000系 快速急行三宮行き 背後のトンネルは「生駒トンネル」 2009年3月21日 近鉄奈良線 石切で筆者撮影

9000系 区間準急尼崎行き 2009年3月21日 近鉄奈良線 石切で筆者撮影
大阪・神戸方面行きで生駒トンネルを抜けたところにある石切で撮影しました。この場所は生駒トンネルを抜けてくる列車が撮影できる場所で、多くの人が訪れていました。
このあと再び阪神線方面に向かったのですが、尼崎でもこのような撮影ができました。

快速急行の増結車となる1000系 2009年3月21日 尼崎で筆者撮影
阪神線と近鉄奈良線では輸送力が異なることから、快速急行は時間帯により近鉄線内は8両あるいは10両編成で運転されます。この場合は尼崎で増結・切り離しが行われることになっており、ここでは連結待ちの車両が撮影できました。
こうして、開業を迎えた阪神なんば線に乗車してきました。
早い時期に構想はあったものの、沿線地域での反対などもあり頓挫した阪神の難波延伸、一時は忘れかけられていたこの路線はこうして実現しました。阪神電鉄の長年の夢であった難波延伸が叶い、そして近鉄奈良線との直通運転も開始されました。
奈良から大阪難波を経由して神戸三宮を結ぶ新しいネットワークの完成となった阪神なんば線、この路線が今後大きく発展していくことにぜひ期待したいところではないかと思います。
| 固定リンク
「祝開業」カテゴリの記事
- 祝 羽田空港国際線ビル駅開業! 東京モノレールで運転「フラワートレイン」(2010.10.21)
- 祝 京成「成田スカイアクセス」開業 新型「スカイライナー」AE形デビュー(2010.07.17)
- 祝 京成「成田スカイアクセス」開業 運転を開始した「アクセス特急」(2010.07.17)
- 溝の口延伸 東急大井町線(2009.07.12)
- 神戸に乗り入れを開始した近鉄電車(2009.03.21)
「カテゴリー阪神」カテゴリの記事
- さあ!神戸へ 阪神9000系のラッピング車両(2010.08.12)
- 武庫川のほとりを行く 阪神武庫川線(2009.03.29)
- 阪神8000系トップナンバー車に出会う(2009.03.27)
- まだまだ健在 阪神スタイル車(2009.03.26)
- 選抜高校野球開催中 阪神電鉄ヘッドマーク付き列車(2009.03.25)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント
JRの東西線に続く、長年待ちわびた…関西でのプロジェクト!
近鉄と阪神が相互乗り入れとは…。
東京在住の私には阪神電車のジェットカーの加速と、西武101系6両編成や開通当初5両編成の営団7000系、加速の鋭さを比較しました。
投稿: 準急豊島園 | 2009.03.22 20:31
準急豊島園さん、コメントありがとうございます。
阪神なんば線が開業して、早速乗車してきました。関西において早い時期から構想され、その実現が待たれていた阪神の難波延伸、近鉄との相互直通運転も開始され、これほどまで多方面に影響を与える新路線開業というのもそうはないのではないかと思います。阪神電鉄の長年の夢がかなったことかと思います。
投稿: Kaz-T | 2009.03.23 23:20