だんだん 一畑電車デハニ50形
一畑電車では、2100系導入以前は旧型車が闊歩する路線でした。その後2100系・3000系といった車両に置き換えられていきましたが、その中でもデハニ50形については52・53と2両が残され、近年では貸切列車として運転されていましたが、この車両も経年により引退を迎えることになり、その特別運行が行われました。今回一畑電車を訪れた最大の目的になります。その列車を撮影してきました。
一畑電車で長きにわたり活躍したデハニ50形 2009年3月28日 出雲大社前で筆者撮影
一畑電車で長きにわたり活躍してきたデハニ50形、今から80年前に製造され、宍道湖のほとり、神話に彩られた出雲地方で走ってきました。新型車導入により淘汰される運命にあった旧型車、しかしこの2両だけは逆にレトロ感から一畑電車の名物として残され走ってきました。私も今から10年以上前に一畑を訪れその時に運用についていたデハニ53に乗車して、そのレトロ感と今でも残る手動扉に感動した思い出があります。今回引退を迎えるにあたり、電鉄出雲市→松江しんじ湖温泉の1便と松江しんじ湖温泉→出雲大社前の2便で運航された特別運転、まずは訪れた土曜日に出雲市近くで撮影してみました。
2枚とも2009年3月28日 出雲科学館パークタウン前~大津町で筆者撮影
このあと2便目も撮影できました。
2枚とも2009年3月28日 大寺~美談で筆者撮影
2便目は田園風景の中やってくるデハニ50形を撮影できました。このあと出雲大社前に行ってみますと、デハニ50形が停車中でした。
停車中のデハニ50形 2009年3月28日 出雲大社前で筆者撮影
入換中のデハニ50形 2009年3月28日 出雲大社前で筆者撮影
デハニ50形引退を記念して付けられたヘッドマーク
出雲大社前には多くの人が集まりました。
そして翌日の29日日曜日、この日はデハニ50形の最終運行の日となりました。今回の特別運行は往復はがきで事前に申し込み定員以上になった場合は抽選となるのですが、今回無事に29日の1便電鉄出雲市→松江しんじ湖温泉で乗車することができました。
デハニ50形引退記念特別運行乗車記念グッズ各種 筆者所蔵
電鉄出雲市駅で乗車前に受付を行い乗車することになるのですが、その際に木製の特別乗車券と乗車証明書、そしてピンズがいただけました。そして改札が始まり乗車前に撮影してみました。
2枚とも2009年3月29日 電鉄出雲市で筆者撮影
撮影後、デハニ53に乗車してみました。車内は貸切列車として運転されることから、お座敷に改造されていました。そして電鉄出雲市を出発しました。畳敷きの車内で床下から響く吊り掛けのサウンド、車窓には走りなれた田園風景そして宍道湖の湖畔を進みます。沿線では多くの人が訪れ、特に有名なところではさらに多くの人が訪れてました。そして、途中駅で交換待ちのため停車時間があった駅があり、ここで記念撮影もできるということで撮影してみました。
2枚とも2009年3月29日 松江イングリッシュガーデン前で筆者撮影
そして、電鉄出雲市を出発して約1時間、デハニ50形は終点の松江しんじ湖温泉に到着しました。
松江しんじ湖温泉に到着したデハニ50形 デハニ53 2009年3月29日 筆者撮影
こちらはデハニ52 2009年3月29日 松江しんじ湖温泉で筆者撮影
2100系と並んだデハニ53 2009年3月29日 松江しんじ湖温泉で筆者撮影
デハニ50形最後の走りを十分に堪能してきました。このあとこれで最終運行となる2便を撮るため、先に出雲大社前に向かいました。到着までの間で出雲大社をお参りしたあと、この駅手前の鉄橋で到着を待ちました。
まもなく終着! 2009年3月29日 浜山公園北口~出雲大社前で筆者撮影
この画像はもう終着駅に到着するというデハニ50形になります。こうして最終運行も見届けてきました。
今から80年前に製造された一畑デハニ50形、そのレトロ感から人気を集めてきましたが、これで運行終了となりました。神話に彩られた出雲の地で走り続けてきたこの車両、幾多の困難をくぐり抜けてその行路を終えたところではないかと思います。今では雲州平田駅の車庫でその車体を休めているといいます。長い間この地で活躍してきたデハニ50形、多くの人々を魅了したこの車両をぜひ記憶にとどめておこうではないかと思います。
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コメント
僕の“故郷”、出雲へようこそ!。
超ニアミスでしたね(笑)。Kaz-Tさんが、出雲科学館パークタウン前〜大津町で撮影された列車(3/28の1便)に乗っていました。
岡山から出雲市へは「やくも1号」でしたか?
ならば、松江から僕も自由席に乗っています。「サンライズ出雲」を松江で降り、余分な荷物をロッカーに入れてから、「やくも1号」で出雲市へ向かいました。
デハニ50は、今後、映画「BATADEN」の撮影に使われます。
僕も、その映画には1枚噛んでおりますので、公開(来年かな?)の折りには、ぜひご覧になってください。自分のブログでうるさいぐらい、告知するでしょうから(笑)
投稿: twins | 2009.03.31 12:01
偶然にもNHKの朝ドラが出雲から川越が舞台のつばさになりました。
一畑最古参の電車が引退したのは、NHKの全国ニュースでも流れていました。
80年間も頑張ってくれて…だんだん。
投稿: 準急豊島園 | 2009.03.31 23:22
コメントいただきまして、ありがとうございます。
twinsさん>
3月28日はまさに岡山から「やくも」1号の指定席で出雲市に向かい、この付近で撮影しようと思い一畑電車1駅以上歩いたJR山陰本線と並走している区間で松江しんじ湖温泉行きの1便を撮影しました。この列車に乗車されていたとは、驚きました。私も事前に往復はがきで申し込んで29日の1便に当選しましたので、この翌日乗車することになりました。車内は畳敷きになっていたとはいえ、この車両のレトロ感は十分に感じることができました。
映画「BATADEN」については、一畑電車各駅にポスターが貼られていました。この車両が撮影に使用されるのならば公開が楽しみであるとともに、twinsさんも関わっているということでしたら、なおさら楽しみな映画になるかと思います。
準急豊島園さん>
NHK朝の連続テレビ小説、昨年秋から放送されていた「だんだん」は、まさにこの沿線が舞台の1つでした。一畑電車各駅にも「だんだん」のポスターが貼られていましたが、このドラマ最終回に合わせて引退となったデハニ50形、多くの人を魅了したかと思います。まさに「だんだん」といったところではないかと思います。
投稿: Kaz-T | 2009.04.01 01:00