神の国にやってきた「ズームカー」 一畑電車3000系
一畑電車ではこの車両も活躍しています。3000系となった車両です。
電鉄出雲市に停車中の一畑電車3000系 この編成は「しんじ湖ラムサール号」 2009年3月28日 筆者撮影
一畑電車3000系は2100系に続いて1997年に2両編成4本が導入された車両で、元は南海電鉄の21000系の譲受車になります。南海21000系は当時流行し一時期の南海電車のスタイルであった湘南顔の17m車体で高野線で使用され、難波から高野山・極楽橋までの主に急行列車に使用されていた車両になります。難波から河内長野までの平坦区間では高速運転を、そして河内長野以降は紀見峠越えそして高野山に向かう急勾配に対応する性能を持ち、その守備範囲の広さからカメラの遠近両方に対応するズームレンズに見たてて、「ズームカー」という愛称で親しまれた車両になります。
弘法大師が開いた山から神の国にやってきた南海ズームカー、一畑電車3000系も撮影してみました。
3008-3018 この編成は「しんじ湖ラムサール号」 2009年3月28日 大寺~美談で筆者撮影
同編成の反対側側面 2009年3月28日 川跡で筆者撮影
まず、北松江線で運行されていた3008-3018編成を撮影してみました。この編成は、宍道湖の生き物がデザインされたラッピング電車「しんじ湖ラムサール号」という編成で、沿線の宍道湖が特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約であるラムサール条約に登録されていることから、宍道湖に生息している生き物がラッピングされているという外観になります。
このほかにも撮影してみました。
東西名優の競演!大社線の折り返し運用にも就く3000系(左) 2009年3月28日 川跡で筆者撮影
大社線運用の3000系 2009年3月29日 浜山公園北口~出雲大社前で筆者撮影
川跡から出雲大社前の大社線、この区間は基本的には1編成の列車が折り返し運転を行っており、今回訪れた両日とも3000系で運転されていました。車内はどこかくたびれている感じはありましたが、座り心地は上々でさすがは関西の私鉄車両、南海時代には乗ったことはありませんが、その質は間違いないようです。
神の国にやってきた南海ズームカーの譲受車である一畑電車3000系、こちらも外すことはできない車両であるかと思います。
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コメント
昨年、出雲大社に行ったときに
この車両に乗りました。
南海で颯爽と急行運用で活躍していた時よりも
走行スピードが遅くて、ちょっぴり不満でしたが
懐かしい内装は当時、そのままで嬉しかったですね。
投稿: がいや | 2009.04.01 16:02
がいやさん、コメントありがとうございます。
関東で生まれ育った私にとっては、あまりなじみのない車両になってしまいますが、関西で育った方にとってはおなじみであった南海ズームカー、その譲受車である一畑電車3000系も、このように撮影できました。元京王5000系である2100系は車内までリフレッシュされているのに対して、3000系は外装を変更したぐらいで車内は最小限の改造のみで、ほとんどオリジナルのままのように思え、色褪せた木目調の内装板やくたびれた座席がなおさらそう感じさせました。しかし、その分オリジナルのままであったということで、間接照明により特に窓上にも設けられた照明や、くたびれていても座りごこちの良い座席は、私鉄王国と言われた関西にあった車両であることを十分に感じることができました。
一畑電車の運用を考えますと、もう南海時代の高速運転は望めないのかと思いますが、今も活躍しているその姿は一見の価値はあるかと思います。
投稿: Kaz-T | 2009.04.01 23:52