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2009.01.18

ラストラン!「さよならEF55横川」号

今日も寒い1日となりましたが、この機関車がラストランとなりました。高崎車両センターに所属していた戦前の花形電気機関車EF55です。信越線高崎→横川を「さよならEF55横川」号として運転されました。

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ラストランを迎えたEF55 1 2009年1月18日 横川で筆者撮影

本日でラストランとなったEF55 1は1936年に製造された電気機関車で、その当時世界的に流行していた流線形のスタイルをした機関車になります。登場時は東海道線の特急「富士」号などの先頭に立った花形機関車でした。1952年に高崎に転属となり、1964年には一旦は廃車となり高崎の地で保存されていましたが、JR発足直前に走行可能な状態に修繕が行われ、その後は高崎エリアの臨時列車のとして各種登場していました。しかしすでに73年も経過したこの機関車を保守することは困難になってきたことから、引退することになりました。

引退を記念して先月から水上や横川へ各種臨時列車が運転され多くの人が集まりましたが、本日の「さよならEF55横川」号で運転を終了することになりました。
さて、この列車は全席指定の快速として運転されましたが、早くも満席になりにどうやって乗車しようか、はたまた乗車は無理でもどうやって撮影しようかと思案していたのですが、前日になりましていつもお世話になっている方よりお誘いを受けまして、最後のEF55牽引の列車に乗車することができました。ここで、お誘いくださいました方に感謝を申し上げます。

そこで、乗車することができるようになった「さよならEF55横川」号、出発駅の高崎に向かいました。ここでは出発に際して蒸気機関車C58 363と並べて汽笛を鳴らすといったセレモニーが行われましたが、入線前から高崎駅ホームには多くの人が詰めかけ、とても撮影できる状態ではなかったことから、すぐに乗車してEF55牽引最後の列車に揺られました。沿線でも各所でEF55最後の雄姿を撮影しようと多くの人が訪れていました。車内では記念の乗車証明書とEF55 1の説明を記したパンフレットがいただけました。乗車した人にしかもらえないアイテム、貴重なものになりました。
こうして、高崎から約45分の所要時間でEF55牽引最後の列車は終着駅横川に到着しました。到着した横川で撮影しました。

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横川に到着したEF55 1 2009年1月18日 筆者撮影

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2008年1月18日 横川で筆者撮影

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客車側から 2009年1月18日 横川で筆者撮影

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EF55 1に掲げられたヘッドマーク

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充当された12系客車に掲出されたサボ

横川でも多くの人が訪れ、EF55最後の雄姿を撮影していました。
この列車の折り返しは回送となります。横川には転車台はおろか機回線もありませんので、高崎出発時点で後尾にはディーゼル機関車が連結されていました。

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後尾に連結されていたDD51 842 2009年1月18日 横川で筆者撮影

横川に到着したこの列車は、折り返しは高崎所属のお召列車の牽引機になっているDD51 842を先頭にして高崎まで回送されました。残念ながら私は本日このあと都合はあったもので、この回送の前に出発する普通列車で横川を後にしたのですが、その途中でも戻ってくるEF55を撮影しようと多くの人が集まり陣取っておりました。


1936年に製造されたEF55 1、この機関車の73年にも及ぶ活躍はこうして幕を下ろしました。登場時は花形機関車として特急列車の先頭に立った機関車、太平洋戦争末期の1945年8月には沼津機関区で機銃掃射を受け車体が破損し、その弾痕は今も車内に残されているといいます。そして戦後高崎に転用され活躍し、一時は廃車となり保存され、1986年に復活するといった生涯でした。そして、この機関車は鉄道博物館で保存が決定したようです。

独特なスタイルで一世を風靡し引退後復活したEF55 1、その経歴は波乱万丈であったのかもしれません。しかし多くの人々に親しまれたEF55 1、今度はさいたま大宮の地で、再びその姿に出会うことができる日を心待ちにしつつ、これまでの活躍を大いに称えようではないかと思います。


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