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2008.12.27

東武博物館に行ってきました

今年もあと数日となりました。今日は午後から東武伊勢崎線東向島駅高架下にある「東武博物館」に行ってきました。

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東武博物館入口 2008年12月27日 筆者撮影

東武博物館は、東武鉄道が創立90周年の記念事業として1989年に現在地に開館したのが始まりです。東武鉄道の歴史や文化・役割などの展示を行っている施設になります。

さて、入口から入ってまず目に付くのが蒸気機関車です。

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東武鉄道開業時に導入された5号蒸気機関車

東武鉄道は1899年に北千住~久喜を蒸気機関車で旅客・貨物の営業を開始しました。その当時、イギリスから輸入されてきた蒸気機関車の1両です。この機関車は1960年代まで東武線での貨物輸送に活躍してきました。また、この機関車は時間によって汽笛を鳴らして車輪を回転させる「SLショー」も行われます。

その隣にはこんな車両が展示されています。

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東武初の電車 デハ5

蒸気機関車で運行されていた東武鉄道は、1924年に浅草~西新井が電化されました。その当時導入された車両の1両、デハ5がこのように展示されています。晩年はかつて西新井にあったという工場で入換車になっていたとのことでしたが、このように当時の姿に復元されています。

この向かいには「東武のあゆみ」として各種展示がありました。

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「東武のあゆみ」車両の移り変わりの展示コーナー

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車両の移り変わり展示にあった「スペーシア」などの模型

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かつての特急車1700系の模型

ここを出て進みますと、こんな展示物がありました。

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かつての特急車5700系の前頭部

1951年に登場して、日光・鬼怒川への特急として運転され、晩年には臨時の快速として長きにわたり運転されてきた5700系が展示されていました。残念ながらここでは前頭部しかありませんが、その当時の姿を伝えています。

この先には電車が走るしくみや、安全に走れるシステムなどの展示があり、また電車の運転シミュレーターがあり、実際には体験こそはしませんでしたが、その映像は伊勢崎線系統のものは結構以前に撮影されたもののようで、すれ違う列車や止まっている列車に1800系の「りょうもう」や、今はなきセイジクリームの地下鉄乗り入れ車だった2000系、さらには営団日比谷線の3000系も映っているなど、今となっては貴重な映像でした。

運転シミュレーターの向いには、また展示されている車両がありました。

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貨物輸送に活躍した電気機関車 ED5015

蒸気機関車による貨物列車はその後電気機関車にとって代わられました。東武鉄道はかつては貨物輸送のウェイトが高く、近年まで貨物列車の運転を行っていました。そして、こんな展示物もありました。

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かつてのバス輸送を支えた「キャブオーバーバス」と、日光の明智平にあったロープウェーのゴンドラ

さらに進みますと、駅のしごとがわかる展示や、東武鉄道の歴史にかかわる展示、さらには東武博物館がある向島地域の歴史や文化の紹介など、この博物館が「交通と文化」と銘打っているだけに、地域の中の博物館という役目も持っているようです。

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東武博物館にもある模型パノラマ

東武博物館にも模型鉄道パノラマがあり、関東平野をイメージした大型レイアウトを東武の模型車両が走行するというコーナーになります。

さて、博物館内部の展示は以上ですが、外で展示されている車両があります。こちらも見てきました。

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往年の名特急車 1720系「デラックスロマンスカー(DCR)」

100系「スペーシア」が登場するまで、東武鉄道の看板列車として浅草から東武日光・鬼怒川を結んでいた特急車、1720系「デラックスロマンスカー(DCR)」です。博物館内部から入場する形で車内も見ることができます。残念ならら展示スペースの関係で1/3ほどにカットされていますが、名車の姿をこのように伝えています。

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日光軌道線で活躍した連節車203

かつて、日光駅から馬返を結んだ日光軌道線で活躍していた連節車203です。日光軌道線は1968年に廃線となってしまいました。
さらに、進んで水戸街道を渡った所に、もう1両の蒸気機関車が展示されていました。

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やはり開業当初から活躍した6号機関車

こうして、東武博物館を一通りみてきました。

さて東武博物館ですが、明日の営業を最後に来年6月まで休館することになりました。これは、開館して20年にあることからリニューアルが行われるようで、来年7月に装いも新たに再オープンすることになっています。開業から110年以上の歴史を誇る東武鉄道、その歴史が良くわかる博物館です。スペース的なものはあるかと思いますが、来年実施されるリニューアルによりこの博物館の展示内容が充実することに期待してみたいと思います。


画像はすべて2008年12月27日 東武博物館で筆者撮影

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コメント

おはようございます。
東武博物館にはこれまでに5、6回足を運んだことがあります。3直(東急~メトロ~東武)が始まってから5年目の今年は3つの博物館を回るスタンプラリーが開催されました。過去の鉄道ファンで「電車とバスの博物館」(東急)が紹介された際に、今後は3社の博物館でイベントを開催したい、というようなことが記載されていました。それが去年実現したわけでありますが、今後もそのようなイベントに期待したいと思います。

博物館は来年で開館20年を迎えます。この20年で車両・路線面は変わりました。特に97年の開業100年から07年までの開業110年までの0年間には営団地下鉄(現東京メトロ)半蔵門線、東急田園都市線との直通開始、JR新宿から東武日光・鬼怒川温泉までのスペーシア号の直通開始、また今年は東京メトロ副都心線との直通開始など、都心と郊外のアクセスが便利になりました。車両面では吊りかけ編成が完全に引退したことが挙げられると思います。

展示内容でも6号機関車があることは知っていますが、まだ一度も自分の目で確認していません(笑)ジオラマはお気に入りですね。現時点ではありませんがリニューアルの暁には半蔵門線、田園都市線、副都心線車両が関東平野を走るということが叶うでしょうか?JRが運営している鉄道博物館のジオラマは定期的に新しい車両を入れたりしていますからね。リニューアル後の博物館も今から楽しみにしたいと思います。

投稿: A80&481 | 2008.12.28 07:24

A80&481さん、コメントありがとうございます。

東武博物館も来年で開館20周年なのですね。そういう意味においては、内容の見直しと充実化でリニューアルというのは納得できます。東武鉄道もこの20年間で大きく変わり、複々線は北越谷まで延び、地下鉄半蔵門線が直通するようになって、種別体系も大きく変わりました。また車両も50000系列が今後も増備されていくことでしょう。

東向島の高架下にある東武博物館、今日で一旦休館となりましたが、来年7月のリニューアルオープンが楽しみであります。

投稿: Kaz-T | 2008.12.28 23:26

こんにちは。いつも拝見しています。
この記事を読んで、28日に東武博物館を訪ねてみました。とってもよい感じでした。昭和の最後頃で時間が止まってしまったような感じもありますが、リニューアルされてもいいところは残してほしいですね。
私も記事を書いたのでトラックバックさせていただきます。

投稿: 鉄と馬 | 2008.12.31 21:14

鉄と馬さん、コメントとトラックバックをありがとうございます。また新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

弊ブログの当記事から東武博物館にお出かけになったとのことで、いつもご覧いただいていることに感謝いたします。東武博物館の開館はちょうど昭和が終わり平成になってからになりますので、内容は昭和の終わりを感じさせることは展示物を見ても、また運転シミュレーターの画像を見ましても十分に感じたところです。

今年の7月にリニューアルオープンが予定されている東武博物館、どんな感じになるのか、今から楽しみではないかと思います。

投稿: Kaz-T | 2009.01.01 22:13

この記事へのコメントは終了しました。

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