箱根登山鉄道創業120周年記念塗装のモハ2形108号を撮る
10月の3連休最後の日となった今日は、新宿から小田急ロマンスカーに乗って箱根に行ってきました。目的は、箱根登山鉄道創業120周年を記念して、現存する旧型車の1両であるモハ2形108号が、昭和30年代のリバイバル塗装になったとのことで、この車両を見に行ってきました。
3連休の最後の日とあって、箱根湯本駅は強羅行きの登山電車に乗り換える人で大変混雑していました。まずはここから乗車して1つめの駅、塔ノ沢で下車しまして、ここで108号を待ちます。数本待って、箱根湯本行きで108号が到着しました。
昭和30年代の塗装が再現されたモハ2形108号 2008年10月13日 塔ノ沢で筆者撮影
モハ2形108号に再現された昭和30年代の塗装は一見現在の旧型車と同じように見えますが、前面がVの字に塗り分けられ、その様子は金太郎の前掛けに似ていることから「金太郎塗装」と呼ばれていました。ちょうどこの時代、早雲山から桃源台を結ぶ箱根ロープウェイが開業して、登山電車~ケーブルカー~ロープウェイ~観光船(芦ノ湖)~バスとつながる小田急グループによる箱根周遊コースである「箱根ゴールデンコース」が完成した時期にあたり、またこの時デビューした小田急ロマンスカー3000形初代SE車の塗装を模したものになりました。
2008年10月13日 塔ノ沢で筆者撮影
この列車を撮影後は、到着した強羅行きの電車で先行して、小涌谷で撮影しました。
2008年10月13日 小涌谷で筆者撮影
今日の108号は、同じモハ2形である110号と連結した2両編成で、箱根湯本停車時点で小田原方に連結されていました。(出山信号所~大平台駅、及び上大平台信号所~強羅駅間では向きが逆になります。)小涌谷では交換列車の待ち合わせで少々停車していましたので、何枚か撮影してみました。
2008年10月13日 小涌谷で筆者撮影
小涌谷でこの列車の出発を見送ってから、戻ってきた箱根湯本行きの108号に乗車してみました。
箱根湯本行きとして戻ってきた108号 120周年を記念して登場時の外装が再現された1000形「ベルニナ号」1003(右)と並ぶ 2008年10月13日 小涌谷で筆者撮影
箱根湯本行きとして戻ってきた108号、小涌谷ではやはり創業120周年記念として登場時の外装が再現された1000形「ベルニナ号」1003と並びました。
車内は混雑していましたので着席はできませんでしたが、108号車はこの塗装にあわせて車内のモケットには箱根寄木細工風の生地が使用されています。こうして、この列車で箱根湯本に戻ってきました。
箱根湯本に到着した108号 2008年10月13日 筆者撮影
今年で創業120周年を迎えた箱根登山鉄道は1888年に、東海道線の国府津から小田原を経由して箱根湯本を結んだ馬車鉄道として創業したのが始まりです。この時代、東海道線は現在の御殿場線のルートを採ったことから、東海道線から小田原の街そして箱根を結ぶ目的で開業しました。その後1919年に、現在の登山電車である箱根湯本から強羅までが開業しました。我が国初で唯一といえる本格的な山岳鉄道で、1000分の80の急勾配や3か所のスイッチバック、半径30mの急曲線など、この鉄道ならではの大きな特色となっています。途中の早川に架かる通称「出山の鉄橋」は登録有形文化財に指定され、またこの路線自体も産業遺産に選定されています。
創業120周年という長い歴史を刻んできた箱根登山鉄道、今も箱根観光には欠かせない登山電車として親しまれている箱根登山鉄道の旧型車、そのうちの1両108号に再現された昭和30年代の塗装、箱根へお出かけの際は、ぜひその姿をご覧になってみてはいかがでしょうか?
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コメント
箱根登山鉄道に、行かれたのですね。羨ましい限りです。モハ2形108号、まだ、残っていたのですね。乗ると言うよりも、写真に、残しておきたいものですね。
投稿: 下目黒 権之助 | 2008.10.15 21:44
下目黒 権之助さん、コメントありがとうございます。
箱根登山鉄道で今も活躍している旧型車は、今となってはモハ1形と呼ばれる2両編成2本と、モハ2形と呼ばれる単車が3両残るのみになりました。その中の1両108号は、以前から旧塗装になっており、今回は昭和30年代の塗装が再現されました。
貴重になった旧型車、一方でこのように再現されたリバイバル塗装ですので、ぜひ一度箱根を訪れてみてはいかがでしょうか?
投稿: Kaz-T | 2008.10.16 00:26