歴史ある温泉街へ 福島交通飯坂線
福島に泊まった翌日の8月16日は、まずこの路線に乗車してみました。その前日、阿武隈急行で到着した福島駅でホーム向いに止まっていた福島交通飯坂線です。
阿武隈急行と同じホーム向いから出発する福島交通飯坂線(左) 2008年8月16日 福島で筆者撮影
福島交通は、福島市・郡山市といった福島県の中通り地域を中心としたバス事業と、福島駅から飯坂温泉を結ぶ鉄道路線飯坂線を運営しているほか、福島地域から各地へ高速バスの運行も行っています。
かつては福島駅からの軌道線の営業も行っていたとのことですが、現在は飯坂線を残すのみとなっています。
飯坂線では、9月末日まで予定で土休日に1日乗車券を発売していますので、これを購入して乗車してみました。
飯坂線で活躍している7000系 2008年8月16日 福島で筆者撮影
現在、福島交通飯坂線で活躍している車両は7000系と呼ばれ、元東急先代の7000系の譲受車で運転されています。全国各地に譲渡された東急先代の7000系ですが、福島交通にやってきた車両はすべて中間車から改造の非貫通前面の車両で統一されています。
飯坂線は1時間あたり2本程度と、この地域を考えますと本数は運転されています。福島の郊外を進み所要23分で飯坂温泉に到着しました。
2008年8月16日 飯坂温泉で筆者撮影
飯坂温泉は奥州三名湯に数えられる温泉街でその歴史は、古くは日本武尊が東征の時にこの地で湯治したといういわれが残り、西行法師も訪れ、江戸時代になると松尾芭蕉も訪れ「奥の細道」にも記されたとされる大変歴史ある温泉街です。今回は福島交通で訪れましたが、駅近くの足湯に浸かってから再び電車に乗って、車庫のある桜水で留置中の車両を撮影してみました。
留置中の7000系 2枚とも2008年8月16日 桜水で筆者撮影
福島交通にやってきた東急先代の7000系は、全車中間車から改造の先頭車ですが、足回りは東急時代と同じのようでこの形式特有のパイオニア台車も残っています。一見同じ様に見えますが、冷房車と非冷房車があり、冷房車では床置型クーラーが設けられ、外観ではその部分の窓がルーバーになっています。
このあと再び到着した列車で福島に戻りました。
2008年8月16日 福島で筆者撮影
こうして福島交通飯坂線にも乗車してきました。
さて、福島交通は飯坂線も福島近郊路線としての利用はあるのですが、飯坂温泉への観光客の減少からか利用が低迷している状況であり、またバス路線に至っては過疎化などの不採算路線を多く抱えている状況であることから業績が悪化の一途をたどり、今年4月に会社更生法の申請を行いました。現在、再建に向けてその手続きが始まっています。鉄道・バスとも平常に運転されていますが、この路線の存続のためにも、ぜひ福島交通飯坂線に乗車して、歴史ある温泉街・飯坂温泉を訪れてみてはいかがでしょうか?
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