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2008.08.10

置き換え進む 京王6000系

8月9日は都営新宿線から多摩動物公園にむけて運転された「東京横断 Tama Zoo号」を撮影・乗車してきましたが、合わせまして京王で置き換えが急速に進んでいる6000系を撮影してきました。

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置き換えが進み急速に数を減らしてきている6000系 2008年8月9日 つつじヶ丘で筆者撮影

京王6000系は1972年から導入が始まった車両で、京王では初めての20m車4ドアの車体で京王線系統の車両では初めて両開きドアが採用されました。外装は、今も名車の誉れ高い5000系と同じくアイボリーにエンジのラインを受け継ぎ、側窓に一段下降窓が、そして運転台はワンハンドルマスコンが、2次車以降は界磁チョッパ制御となるなど総勢304両が1991年まで製造され、1970年代から80年代の京王線を代表する車両として活躍してきました。多摩の丘に出現したニュータウンへレールが延び、さらに都営新宿線に直通し都心へのルートを切り開いた時代、輸送需要がさらに増えそれに応えるべく登場した車両です。ことに自分が幼い頃から青春時代までの京王線は、6000系が優等列車などに充当され今はなきデハ6450型の前パンタ先頭の特急列車というのは、まさに自分の京王線の原風景と言えるシーンであると思っております。

京王線の主力車両として活躍してきた6000系、ここ数年は9000系の導入によって置き換えが進み、特に都営新宿線乗り入れ対応編成については、現在9000系が乗り入れ仕様車として増備されていることから急速に、そして検査期限が切れる順に容赦なく置き換えが進んでおり、すでに平成になってから導入された車両からも廃車が発生しています。そして2010年度の京王線ATC導入にむけて、今年度の計画では9000系が60両と例年にない両数が新造されることになっており、特に乗り入れ対応編成については加速的に置き換えが進んでいる状況になっています。

そこで、まずは6000系でも乗り入れ対応編成から撮影してみたものをアップしようと思います。現在の都営新宿線乗り入れ編成はすべて10両編成になり、新宿・本八幡方から8+2の固定編成扱いで運転されています。中間の運転台はホロで貫通しているほか、一部中間運転台は機能も停止しているとのことです。この編成では、京王八王子・高尾山口・橋本方先頭は前パンタという形態となります。外観は近年8000系などと同じワインレッドとブルーのラインに変更になりましたが、かつての6000系全盛期の姿を彷彿とさせるこの編成を京王多摩センターで撮影してみました。

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運用に就いていた6044F+6436F 先頭は6886 2008年8月9日 京王多摩センターで筆者撮影

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こちらも運用に就いていた6040F+6432F 先頭は前パンタ車両に残る菱形パンタの6882 2008年8月9日 京王多摩センターで筆者撮影

2運用が確認できたこの日の6000系乗り入れ運用、特に6882については今も菱形パンタ装備の前パンタ車両になります。すでに9000系乗り入れ対応編成は12編成が揃い、検査などの予備を考慮しなければ実質上9000系だけで乗り入れ運用はまかなえる状況になっています。今年度はあと2編成9000系が導入されることになっていますので、さらに6000系の乗り入れ運用は見る機会が減っていくことになります。

前パンタで注目を集めている乗り入れ運用、しかし乗り入れない地上線用の6000系も存在します。8両編成が4本、増結用の2両編成が8本、5両編成が2本、そして支線用の4両編成が1本現存しており、8両編成については本線の各停や快速で昼間や土休日は見ることができますが、これも4編成だけになりまた運用も9000系地上線用8両編成と共通であり、その運用も7000系などに差し替えられることがあることから、こちらも見る機会が減ってきています。この日は2編成が高尾線に入る運用についていましたので、夕暮近い時間帯になりましたが撮影してきました。

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各停運用に就く 6014F 6764 2008年8月9日 京王片倉で筆者撮影

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各停運用に就く 6013F 6763 2008年8月9日 京王片倉で筆者撮影

この日確認できた6000系地上線用8両編成はこの2本でした。
さて、高尾線の京王片倉で撮影後は高幡不動まで戻ってきました。この日は都営新宿線から直通の臨時列車「東京横断 Tama Zoo号」が運転されましたが、定期の動物園線にはこの日もこの編成が運用に就いていました。

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この日も所定の運用に就いていた動物園線専用車 6022F 「Tama Zoo Train」 2枚とも2008年8月9日 高幡不動で筆者撮影

動物園線の専用車となり、車体に動物のラッピングがなされ「Tama Zoo Train」になっている6022Fです。ラッシュ時間帯の停車時間短縮を狙い、5扉で製造された6000系の最終グループになります。その特殊性から、今では動物園線専用車としてワンマン対応編成になりました。まだ多摩動物公園50周年のヘッドマークを付けて運転されています。

6000系の地上運用は支線系統運用を除きますと、土休日ダイヤでは各停や快速の運用が主で、準特急の運用には良くても9000系地上線用8両編成の新宿方に6000系2両が連結される運用があるくらいになります。しかし、この日は6000系と9000系の併結運用は見ませんでしたが、こんな編成が準特急の運用に就いていました。

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準特急の運用に就いていた 6023F+6024F 6774 2008年8月9日 つつじヶ丘で筆者撮影

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その後追い 6723 2008年8月9日 つつじヶ丘で筆者撮影

6000系に1本だけある5+5の10両編成、6023F+6024Fが準特急の運用についていました。この編成は土休日ダイヤの所定では、朝の時間帯に急行で高幡不動~新宿を1往復して入庫となる運用なのですが、車両の都合などでこのように終日準特急の運用に入ることがあり、この日はこのように見ることができました。この6023Fと6024Fは先の6022Fと同じ時期に導入された6000系最終グループで5扉車として登場しましたが、混雑が緩和されてきたことなどから5扉の役割は終わったとして4扉に改造されました。4扉に改造はされましたが、他の6000系4扉とは異なり戸袋窓はなく、側窓も5扉時代のものを流用しているためドア間の窓の大きさも異なっているいう特徴があります。この編成も実質上10両固定編成扱いで運用に就いており、中間の運転台はホロで貫通しています。

こうして、この日運用に就いていたのを確認できた6000系を撮影してきましたが、かつて京王線の主力であった6000系も数を減らして、運用に就いているのも数えるくらいしかないという状況で、それだけ数を減らしてきていることを実感しました。
ここにきて京王6000系が注目され始めているようです。あと2年ほどで京王線から姿を消すことになる6000系、アイボリーの車体も同時に見納めとなってしまいます。今でしたらまだ何とか運用に就いている姿を見ることはできますので、この記事で興味を持たれました方、ぜひ京王線を訪れてみてはいかがでしょうか?

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コメント

☆ この4月より京王線を使う様になりました。
  6000系は新しい世代と思っておりましたが、
  とうとう最古参になっているのですね。

  相模原線にての乗車が殆どですが、
  まだまだ綺麗な状態です。

  翳りなどを感じさせないのに…残念ですが。

  しっかり撮影しておきましょう。

投稿: SDTM | 2008.08.10 10:44

SDTMさん、コメントありがとうございます。

京王6000系は、私が少年時代から青春時代までの間で増備がされ、当時の京王線の代表的な車両で特急などの優等列車として活躍していました。新しい車両というイメージを持たれる方もおられるようですが、すでに京王線では最古参の部類になり9000系の増備により急速に置き換えられ、京王電鉄発表の説明資料などでもATC導入に合わせて2010年度までに全廃とされています。

おっしゃるとおりで、今でしたらなんとか見ることは可能ですので、撮影など記録されるのは早めになさったほうが得策であると感じます。

投稿: Kaz-T | 2008.08.10 22:40

おはようございます。
70年代初頭から90年代初頭まで20年近く製造された6000ですが、70年代に製造された編成は2編成(6040・6041)までに激減し、80年代から90年代に製造された編成がまだ活躍している、といった感じです。平成に製造された車両であっても廃車が進み、やはり終焉を迎える日もそう遠くはないことを実感しています。

新宿線直通列車はほとんど9030になり、6000を見る機会は減りました。9030が圧倒的に多いのは10連固定と違い、8+2ですからラッシュ時に支障が出やすいのでしょう。今年の暮れか来年になればラッシュ時だけに走る運用になり、日中は走らなくなる可能性も十分考えられます。それでも平日ラッシュ時にしか見られなかった8+2が終日に渡って見れるようになったのは以外でした。

この車両が居なくなれば京王線・井の頭線で活躍する車両がオールステンレスカーに統一されるという側面もあります。6000の最後はどうなるかわかりませんが、やはり有終の美を飾って欲しいものです。臙脂帯、復活してくれませんかね?

投稿: A80&481 | 2008.08.11 07:21

A80&481さん、コメントありがとうございます。

約20年にわたり増備が続いた京王6000系、1970年代から80年代の京王線を代表する車両でしたが、ここにきまして9000系の増備により急速に姿を消しており、特に都営新宿線直通対応編成については、9000系が乗り入れ対応10両固定で増備がなされているだけに、もう見る機会は非常に限られてきました。今後も9000系の増備は続きますので、ますます数を減らしていくことになります。

あと2年ほどで京王線からは姿を消すことになってしまう6000系、おっしゃるとおりで引退時には登場時の「アイボリーに臙脂帯」、復活させてほしいと思うのは私も同じです。

投稿: Kaz-T | 2008.08.11 23:37

この記事へのコメントは終了しました。

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