2008年夏の終わりに 江ノ電300形に出会う
今年の暑かった夏ももう終わります。あちらこちらへ、それこそ天災にもめげずに出向いた今年の夏でしたが、そういえば毎年夏に訪れていた路線にまだ今年は行っていないことに気がつきまして、今日はそちらに出向いてきました。藤沢から鎌倉を結ぶ江ノ電です。
今回も、1日乗車券を購入して撮影できるポイントで下車して撮影してきましたが、今日はここ最近訪れると極楽寺の車庫に留置という状況が多かった江ノ電最後の旧型車、300形305Fが運用に就いていました。
運用に就いていた305F 2008年8月31日 石上~柳小路で筆者撮影(後追い)
運用に就いていた305F、今回の訪れたのが昼過ぎでこの車両は4両編成の鎌倉方に連結されていました。ということでよく撮影するポイントではすべて逆光となってしまうことから、柳小路駅付近でこのように撮影しました。このあと行くところがあったもので、ここで後追いの305Fを撮影後、藤沢から戻ってきた同車に乗車しました。
2008年8月31日 柳小路で筆者撮影
江ノ電305Fは1960年に導入されました。京王帝都電鉄の木造車、現在の京王線府中~東八王子(現:京王八王子)を開業させた玉南電鉄に入線し戦前・戦後に活躍した2000形(1957年に湘南スタイルで登場した緑車体の高性能車とは別車両)の台枠を利用し、車体を東急東横線の学芸大学付近にあったという東横車輛で製造された車両です。他の300形とは異なり、俗に「バス窓」と呼ばれる上段がHゴムで固定された窓に特徴があります。今となっては最後の旧型車として、江ノ電のポスターにもよく登場している車両です。後年の改造により集電装置がパンタグラフになり、その後冷房化、台車交換及びカルダン駆動化、そして制御装置等が更新され1000系以降の新型車との併結も可能になりました。しかし、車内は板張りの床が残っており、一昔前の江ノ電を味わうことができる車両です。
2008年8月31日 鎌倉で筆者撮影
江ノ電では折り返し駅や交換待ちなど停車時間がある駅では、よく記念撮影をされる方が多いのですが、この車両では特に多く、江ノ電をイメージした際に思い浮かべる車両ということなのでしょうか、それだけ人気の車両です。
江ノ電のイメージリーダーといえる305F、この車両が活躍できるのはあとどれくらいなのかはわかりませんが、今年の夏の終わりで出会うことができました。海を眺めながら走る江ノ電、その風景と共に活躍してきた300形、この車両の1日も長い活躍を願うところです。
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