最終章 名鉄7000系「パノラマカー」
この前の週末、5月31日から6月1日までは名鉄を訪れていたのですが、特急政策の見直しとともにこの車両もいよいよ最終章になりました。名鉄が誇る「不朽の名車」、7000系「パノラマカー」です。
最終章!いよいよ全車引退が近づいてきた7000系「パノラマカー」 犬山橋を渡る! 2008年6月1日 犬山遊園で筆者撮影
名鉄7000系は1961年に登場した車両で、スカーレットの車体に運転席を2階に上げて展望席を設け、側面の窓も連続窓になったそのスタイルは「パノラマカー」として一世を風靡し、「名鉄と言えばパノラマカー」と呼ばれるほどよく知られた車両でした。今もなお斬新さを保ち長きにわたり活躍していたパノラマカーでしたが、寄る年波には勝てず姿を消していきました。そして、今月下旬に実施されるダイヤ改正でさらに多くの編成が運用を離脱し、残るのは4両編成3本だけとなり、残った編成も来年度までには全車引退というところまできて、まさに「パノラマカー最終章」といえる状況になってきました。今回の名鉄を訪れた最大の目的は、まさに最終章の活躍となったパノラマカーに出会うことでした。
パノラマカーに出会うためにはその運用について調べなければならないのですが、今月の「鉄道ダイヤ情報」誌ではパノラマカーが特集されており、またその運用までが金山駅を発着する列車だけとはいえ掲載されていました。今回の訪問はまさに、「鉄道ダイヤ情報」誌の特集があってこそ成立した企画といえます。その運用は犬山線系統と常滑線系統で多く存在しており、急行や準急といった運用も残っていましたので、まずは名鉄名古屋から犬山線に乗って岩倉で撮影してみました。
6両編成の準急犬山経由岐阜行き 2008年5月31日 岩倉で筆者撮影
午前中では岩倉で犬山方面3本、名古屋方面1本が効率よくやって来ることになっていたのですが、名古屋方面行きは7000系ではなく、その後の犬山方面行きでまずは準急がやってきました。現在のパノラマカーの運用でも6両編成は5700系の6連と共通運用になっているとのことですので、まずはここで撮影できました。その後普通運用の4連がやっていました。
進入するパノラマカー 普通犬山行き 2008年5月31日 岩倉で筆者撮影
次にやってきたパノラマカーは、行き先表示がブック式の編成がやってきました。
2枚とも2008年5月31日 岩倉で筆者撮影
このあと、また4連普通でパノラマカーがやってくるのですが、同じような構図となってしまうことから、場所を変えて撮影しました。
パノラマカートップナンバー編成がやってきた 2枚とも2008年5月31日 大山寺で筆者撮影
岩倉から名古屋方面に戻った普通のみ停車する大山寺で撮影したこのパノラマカーは、トップナンバーである7001Fです。1961年に登場して実に46年にも及ぶ活躍をしてきた車両になります。
この後は次のパノラマカーを撮影しに、今度は津島線に入る運用を撮影しに行ってみました。撮影箇所とした甚目寺には留置線があり、ここでパノラマカーが留置中でした。
留置中のパノラマカー 3枚とも5月31日 甚目寺で筆者撮影(前後の踏切から撮影)
留置線の前後には踏切がありそこから、まるで撮影会状態でこのように6両編成のパノラマカーが留置されていました。その後ホームに戻り、到着したパノラマカーを撮影してみました。
津島線の運用に就く4両編成のパノラマカー 2枚とも2008年5月31日 甚目寺で筆者撮影
このあと、昼食と取ってから金山より5000系の急行中部国際空港行きに乗車し太田川で下車、ここで急行新可児行きで到着したパノラマカーに乗車しました。
2008年5月31日 太田川で筆者撮影
神宮前まで乗車しましたが、パノラマカーだけあって先頭及び後の展望席は混雑していましたので、最後尾の車両に乗車しました。パノラマカーは運転台を2階に上げてしまったため車掌室が客室と一体となった構造になっており、車内からその独特な車掌扱いを見物しました。すでに40年以上前の車両ではありますが、その走行性能は現在の特急車両と何ら遜色はなく、改めてこの車両の優秀さが取るようにわかりました。
2008年5月31日 神宮前で筆者撮影
さて、1日目の5月31日はあいにくの天気となってしまいましたが、2日目の6月1日は良好な天候の中、まずは前日と同じ午前中の犬山線で撮影してみました。
この日も準急犬山経由岐阜行き運用に入った6両編成のパノラマカー 2008年6月1日 下小田井で筆者撮影
次にやってきた4両編成の普通は元白帯車 2008年6月1日 下小田井で筆者撮影
その次はこの日も昨日と同じ運用に就いていた7001F 2008年6月1日 下小田井で筆者撮影
この日も、犬山線の午前中運用に就いていたパノラマカーを撮影しました。さて、1本目の準急犬山経由岐阜行きにこの日もパノラマカーが入っていたということで、この折り返しの列車を撮影しに犬山遊園に向かいました。ここで準急中部国際空港行きとして戻ってきたパノラマカーを撮影しました。
犬山線の名所! 犬山橋を渡り進入するパノラマカー 2008年6月1日 犬山遊園で筆者撮影
2008年6月1日 犬山遊園で筆者撮影
かつては鉄道・道路併用橋であった、木曽川・日本ラインに架かる犬山橋を渡る姿を撮影できました。ここは名所だけあって、多くの人がこの列車を撮影していました。
このあとモノレールに乗車してから、再び名古屋方面に戻り神宮前で撮影してみました。
2008年6月1日 神宮前で筆者撮影
急行新可児行き 2008年6月1日 神宮前で筆者撮影
神宮前では転機を迎える全車特別車の「パノラマスーパー」と合わせて「パノラマカー」を撮影している人を多く見かけました。時代は変わってもなお人気の車両です。
こうして、土・日を利用して名古屋を訪れ最終章の活躍となった名鉄「パノラマカー」を見てきました。1961年に登場し以来47年にも及んでその斬新さを失うことなく活躍してきたその姿は、「不朽の名車」と呼ぶにふさわしい車両であり、名鉄には欠かせない車両でした。私も子供のころの電車の絵本などでその存在を知っていた「パノラマカー」、多くの人に親しまれた車両がここまで数を減らし、もう来年度には全廃というところまできました。
名鉄の路線で燦然と輝き活躍してきた7000系「パノラマカー」、この車両の全廃は大変惜しいものがあります。しかし、多くの人々に親しまれた車両としてその功績は大変大きなものがあります。最後の編成が、最後の日までその斬新さを損なうことなく、走り続けることを願わずにはいられません。
名鉄7000系パノラマカーのこれまでの活躍と、その栄光をここに讃えます。
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コメント
日に日に引退の日が近づいているのは確かですよね。名鉄沿線に住む者にとってとても身近な存在のパノラマカー、見る事も乗る事も出来なくなってしまうと考えると寂しさが込み上げてきます。私もダイヤ改正前にパノラマカーに乗りに出かけてこようと思っています。
投稿: エリック・ホシノ | 2008.06.05 02:33
エリック・ホシノさん、コメントありがとございます。
名鉄沿線にお住いとのことですが、それこそごく日常的に走っていたパノラマカーを見て育ったとお見受けします。
おっしゃるとおりで、遠い関東の人間である私でさえも憧れであった名鉄「パノラマカー」、全廃が刻一刻と近づいているということで、それだけ寂しさがこみあげてきます。それだけ多くの人に親しまれた車両ということに違いはないかと思います。
投稿: Kaz-T | 2008.06.05 21:02
こんばんは。精力的な乗り歩き、お疲れ様でした。そろそろ終焉が近いパノラマカーですが、私も手持ちにある画像を整理してホームページにまとめて見ました。すると、これまで思ったよりも撮っていないことに気付きました。最後にもう一度、現地へ赴きたいところではありますが、これから身動きが取れない時期が来ることもあり、ちょっと厳しそうです。早くに完治して乗りに行きたいところです。それでは。
投稿: mattoh | 2008.06.11 22:28
mattohさん、コメントありがとうございます。
「名鉄といえばパノラマカー」と思い浮かべるほど、よく知られたパノラマカーも、いよいよ終焉の日が近づきつつあります。もう、今月下旬頃のダイヤ改正で大多数のパノラマカーは運用を離脱するといわれています。
多くの人に親しまれた車両の引退は惜しいのですが、ぜひ残された日々に間に訪れてみてはいかがかと思います。
投稿: Kaz-T | 2008.06.11 23:05