2008年鉄道友の会「ブルーリボン賞」「ローレル賞」発表
地下鉄副都心線開業の話題でもちきりになっている今日この頃ですが、そんな中今年もこのニュースが発表されました。
毎年、前年に営業運転を開始した車両に贈られる「鉄道友の会」が主催している「ブルーリボン賞」「ローレル賞」が発表されました。
鉄道友の会会員が選ぶ昨年2007年に営業運転を始めた車両のNo.1を選定する「ブルーリボン賞」、今年はこの車両が受賞しました。

2008年鉄道友の会「ブルーリボン賞」に選定された東海道・山陽新幹線N700系 2007年6月16日 東京で筆者撮影
今年の「ブルーリボン賞」は、昨年7月に東海道・山陽新幹線にデビューしたN700系が選定されました。
カーブが多い東海道区間では速度を落とさずに走行できるよう車体を1°傾ける機構が搭載され、山陽区間では最高速度300km/hで走行することができる性能を持つ一方で、省エネルギー並びにセミアクティブ制振制御装置により、乗り心地向上も実現しています。車内設備も全席禁煙と喫煙ルーム、モバイル用コンセントを大量用意、多目的室・多目的トイレなど充実した装備は、近年の生活スタイルの変化に対応した意欲的なものであり、進化した新幹線のスタイルが大きな評価を得ました。
N700系は現在大量に増備が進んでおり、日本の大動脈に君臨する新幹線車両として、これからの活躍が期待されます。
次に、デザインや性能その他特色ある車両を選定して贈られる「ローレル賞」、今年は2車種が選定されました。

2008年鉄道友の会「ローレル賞」に選定されたJR東日本E721系、同系列の仙台空港鉄道 SAT721系も「ローレル賞」に選定された 2007年3月15日 仙台で筆者撮影
まずローレル賞に選定されたのは、JR東日本の仙台都市圏に登場した新型車E721系が選定されました。E721系は仙台エリアの普通列車用に導入された車両で、この地域の特情である低いホームにも段差なしで乗車できる低床構造を採用したことが評価されました。なお、E721系にはこの画像の0番代の他、仙台空港鉄道乗り入れ用に500番代が存在しています。また、仙台空港鉄道にはE721系500番代と同じ構造のSAT721系が存在していますが、SAT721系についても今回受賞対象となっています。
「ローレル賞」はこの車両も選定されました。

2008年鉄道友の会「ローレル賞」に選定されたJR東日本キハE200形 2007年8月11日 甲斐小泉で筆者撮影
JR東日本が小海線に昨年導入したキハE200形気動車も2008年ローレル賞に選定されました。
キハE200形は、世界初のハイブリッド気動車としてデビューしました。中央線の小渕沢から長野県の小諸を結ぶ小海線で「こうみ」という愛称で運転されており、JR線の最高地点を通る澄んだ空気の高原地帯で走っています。加速時は搭載されたバッテリーからモーターを動かし、やがてディーゼルエンジンに切り替わります。そして減速時には回生ブレーキでバッテリーに充電して、停車中は気動車特有のアイドリングは行わないという先進性と、勾配線区の小海線において従来の車両よりも燃費は向上しているという環境性が評価されました。
と、いうことで、今年の「ブルーリボン賞」「ローレル賞」が決定しました。今年は日本の大動脈に登場した新幹線N700系が「ブルーリボン賞」を受賞し、その技術や性能・設備などが評価されました。
また「ローレル賞」のJR東日本E721系・仙台空港鉄道SAT721系はその地域の特情にあわせた低床構造が、JR東日本キハE200形は世界初のハイブリッドシステムという新機軸と環境性が評価されました。
いずれの車両も好評の上現在活躍しており、これからも期待されます。
これら車両の活躍はまだ始まったばかりです。まだこれら車両をご覧になっていない方も思います。ぜひ一度これら車両が活躍する路線を訪れて、乗車されてみてはいかがでしょうか?
参考 鉄道友の会ウェブサイト
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コメント
こんばんは。この度、引越しに伴いブログ名とハンドルネームを変更しました。これからも、よろしくお願い致します。
全くの偶然ですが、本日、名古屋からの出張の帰りに、初めてN700系に乗車しました(爆)。室内に設置された、フルカラーLEDの大きな情報案内装置に、目が釘付けになりました(^^;)。乗っていた時間は短いものでしたが、静かで快適な車内に感心しました。
E721系・SAT721系は、低床構造によりホームを改修することなくスムーズな乗降を可能にしている点が評価されますね。キハE200形にはまだ乗車したことがないので、近いうちにハイブリッド走行を体験してみたいものです・・・。
投稿: 葛飾特快(栃木路快速改め) | 2008.06.19 23:28
葛飾特快さん、コメントありがとうございます。ハンドルネーム変更の件、了解しました。またブログ名につきましてもリンク集の修正は完了しておりますので、ご確認ください。
さて、副都心線の良くも悪くも過熱気味になっているさなかで発表されていた今年の「ブルーリボン賞」「ローレル賞」ですが、「ブルーリボン賞」はある意味順当というべきか、東海道・山陽新幹線のN700系が受賞しました。最先端の技術を取り入れこれまでの集大成といえる点が評価されたと考えます。
一方「ローレル賞」についてですが、JR東日本E721系・仙台空港鉄道SAT721系は意外に感じましたが、低ホームという各駅の構造で、車両側で対応したという点が評価されたようです。またキハE200形については、世界初のハイブリッド気動車という点がやはり評価されたということで、こちらは順当であったかと思います。
今年はJRの車両(SAT721系も実質的にはE721系と同一)で占められた「ブルーリボン賞」「ローレル賞」、N700系には乗車されたようですが、ぜひ小海線を走るハイブリッド気動車キハE200形の先進性に触れられてみてはいかがかと思います。
投稿: Kaz-T | 2008.06.20 22:53