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2008.05.04

上田電鉄「まるまど祭り」に行ってきました

さて、今日は長野の後はしなの鉄道に乗車して上田にやってきました。ここから別所温泉まで上田電鉄という私鉄が出ています。この鉄道の下之郷車庫において「まるまど祭り」が開催されました。このイベントに行ってきました。

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上田で出発を待つ上田電鉄7200系「まるまどどりーむ号」 2008年5月4日 筆者撮影

このイベントに参加するために、初めて乗車することになった上田電鉄、かつては上田交通として上田を中心に数路線運営していましたが、利用低迷などにより徐々に廃止となり、現在別所線と呼ばれる上田~別所温泉が残っています。この路線も利用客が低迷してきたことなどにより上田交通から分離して上田電鉄となって、今日も運転されています。

上田電鉄は、東急グループの会社になります。よって、走る車両も元東急7200系で運転されています。このうち1部の編成が先の画像のように一部の窓を楕円形にした「まるまどどりーむ号」となっています。

上田を出ると、高架線を進み降りたところで千曲川を渡り、上田平を進みます。急カーブを過ぎてさらに進みますとイベント会場の下之郷になります。ここで下車しました。
さて、下之郷に着きますと、もう1編成の「まるまどどりーむ号」が留置していました。

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留置中の「まるまどどりーむ号」7253F

そして、駅ホームをはさんで今回のイベントの目玉車両が停まっていました。

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今回のイベントでの展示車両 かつて別所線で活躍した5251(左)と東急時代の姿が再現されている7254F7554

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7254F 7554

現在主力の7200系のうち、この7254Fは車体の帯は全部はずして東急時代の姿で運転されています。なお、この車両は今年度で引退の予定だそうです。

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5251

この車両は、7200系が導入されるまで上田電鉄で活躍していた車両で、やはり元東急車で5200系と呼ばれていた車両です。東急初の高性能車として登場し「青ガエル」の愛称で親しまれ一世を風靡した先代の5000系をベースとした車両ですが、車体は外板をステンレス製とした車両で、我が国初のステンレスカーとなっています。上田には先頭車が2両やってきましたが7200系導入後は廃車になり相方は東急車両で保存されているとのことですが、上田電鉄でもこのように保存されています。というよりも倉庫代わりになっているようです。

今回のイベントでは、この両者がかつての東急時代の方向幕などが各種登場して人気を集めました。記録できたもの掲載します。

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「こどもの国」

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7554には「快速」サボ取り付け

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方向幕が「大井町」に

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かつての大井町線の表示5251「二子玉川園」(現:二子玉川)・7554「大井町」

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大井町行き7554は快速

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今度は東横線 急行「渋谷」

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5251は「元住吉」 7554は「渋谷」

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5251は「高島町」 7554は「桜木町」(両駅とも現在は廃止となっている)

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急行「桜木町」

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続いて田園都市線 5251「梶が谷」 7554「つくし野」

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5251はまた急行「桜木町」になり、前照灯・識別灯を点灯

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続いて目蒲線(現:目黒線・多摩川線) 5251「目黒」 7554「蒲田」

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再び田園都市線?5251「鷺沼」 7554「こどもの国」(サボ付き)

5251については方向幕自体はもうなくなっておりますので、それを模して作成したプレート状のものを入れて表示していました。いずれもこれら車両が東急時代に表示していた方向幕で、「急行」や「快速」といったサボまで登場しました。そして、こんなサボも登場しました。

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7200系入線15周年のサボをつけた7554

7200系も上田電鉄に入線して15年になります。それを記念してファン有志が作成したヘッドマークが掲げられました。このヘッドマークはそのまま上田電鉄に寄贈され営業運転でもつけられるとのことです。

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5251にもイベントのヘッドマークがついた

撮影会は十分に楽しめた内容でした。さて、7200系がやってきて15年になりますがこの上田電鉄に転機が訪れます。7200系に代わる新型車としてやはり東急から1000系が譲渡されることになり、2編成が入線して今回のイベントで展示されました。

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上田電鉄にやってきた東急1000系 1002F

上田方先頭車はダブルパンタであるためシングルアーム型とはいえ前パンタになった1000系、この車両で「別所温泉」と表示されても、という気もしますが上田電鉄にやってきました。

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1002Fはその後方向幕は「上田」を表示

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1001Fは車庫内で車内で展示や運転台見学を行っていた

早くも譲渡車が出現した東急1000系、この地ではまもなく営業運転を開始するとのことです。

さて、下之郷では列車の行き違いが行われます。もう1編成この日の運用に就いていた7252Fも撮影できました。

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留置中の「まるまどどりーむ号」7253Fと並ぶ7252F

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後追いで1002Fと並ぶ

この7252Fも、1000系導入により今年度で引退とこのとです。
このイベントでの撮影会は13:00まででした。これはこのあと7254Fについては下之郷~上田を1往復走行するということで、先回りして撮影することにしました。

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下之郷に別所温泉行きで到着する7255F「まるまどどりーむ号」

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7254Fと並ぶ7253F

7254F走行は乗車することはできません。必然的に撮影用列車ということになります。三好町駅で降りてこの付近で撮影してみました。

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上田行き臨時撮影用列車の表示は「快速 大井町」 2008年5月4日 三好町~赤坂上で筆者撮影

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折り返しの臨時撮影列車の前に通過した別所温泉行き7252F 2008年5月4日 三好町~赤坂上で筆者撮影

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下之郷行き臨時撮影用列車の表示はサボ付き「こどもの国」 2008年5月4日 三好町~赤坂上で筆者撮影

撮影会用列車の後尾の方向幕は「臨時」で運転されましたが、まるでかつての東急線で走っていた時のいでたちで走行した7254F、この姿を撮影するために沿線には多くの人が訪れました。

このあとは、再び到着した「まるまどどりーむ号」7255Fに乗車を再開して、ようやく終点の別所温泉に着きました。

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2008年5月4日 別所温泉で筆者撮影

到着した車両は「まるまどどりーむ号」という愛称がついた車両で、側面の窓も一部丸型にしてあります。これはかつて別所線には「丸窓電車」と呼ばれた車両があり、その雰囲気を再現したものです。そして、丸窓電車は別所温泉駅で保存・展示されています。

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保存されている「丸窓電車」の脇を「まるまどどりーむ号」が通過する。 2008年5月4日 別所温泉で筆者撮影

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保存されている「丸窓電車」 2枚とも2008年5月4日 別所温泉で筆者撮影

側面の戸袋窓の一部が楕円形をしていることから、「丸窓電車」として親しまれたモハ5250形の5251と5252が保存・展示されています。このうちモハ5252では車内に丸窓電車をはじめとした、上田電鉄の各種資料などを展示していました。

別所温泉からは再び上田に戻るのですが、その途中で気になる車両がいましたので中塩田で下車して撮影しました。

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留置されていた7251F 2枚とも2008年5月4日 中塩田で筆者撮影

5編成やってきた7200系の1編成ですが、この車両の上田方にはモーターカーが連結されている状況ですので、この編成はもう運用を離脱したのかもしれません。

そして、ここからはまた「まるまどどりーむ号」に乗車して上田に戻りました。

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上田に到着した「まるまどどりーむ号」 7253F 2008年5月4日 筆者撮影

こうして上田電鉄にも乗車して、本日開催されたイベントに参加してきました。

近年利用客が減り、厳しい状況ではあるようですが、沿線では協議会が設置され上田市も支援している状況でなんとか踏みとどまっているのが、今の上田電鉄の現状です。しかしこれだけのイベントを開催して、さらには別所温泉への電車利用での観光客を増やそうと、積極的な取り組みも行われています。
上田電鉄がこれらも地域の人々に愛され存続していくことを願うのは、今日のイベントに参加したした人々が皆思うことでしょう。


画像は特記以外 2008年5月4日 下之郷で筆者撮影


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虹ブログさん

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コメント

☆ いつも精力的に活動されていますね。
  上田電鉄の現況が良く判る記事で
  楽しく読ませていただきました。
  東急より1000系が既に入線しているとは
  知りませんでした。
  1000系も転籍対象になっていたのですね。

  上田電鉄には一度も行ったことが無いので
  是非、トライしたいと思っています。

投稿: SDTM | 2008.05.05 13:15

SDTMさん、コメントありがとうございます。

上田電鉄、私は初めて訪れました。利用客の減少で上田交通から分社化されましたが、沿線では存続に向けて利用客を増やそうと各種取り組みが行われています。

そんな上田電鉄に東急1000系が譲渡されるとは、この車両自体がまだ十分に若いことからいくらなんでもと信じ難かったのですが、この日車庫がある下之郷で「別所温泉」という方向幕を表示して展示されていた姿を見て、早くもこの地に譲渡されたことを実感しました。この1000系は平成になってからの製造ですので、早くもといったところかと思います。

上田電鉄沿線は、終点の別所温泉が信州の鎌倉と呼ばれており見どころも多くありますので、一度訪れてみてはと思います。

投稿: Kaz-T | 2008.05.05 20:53

お久しぶりです。
自分は土日と休みで、エフヨコ公開生放送観戦とまるまどまつりに行ってきました・・・。

今年1月に行って以来で、2回目になりますが、車庫内で色々と方向幕を出したり、新型車両の1000系を御披露目も兼ねてといった充実したおまつりでした。

しかも、撮影専用列車を走らせた所には凄くファン思いの鉄道な感じもします。

これで、7254・7251編成がもうすぐ引退するのも残念ですが、平成生まれで・1000系の末永い活躍を期待する所です・・・。

投稿: エフヨコ&ハワイアンブルー | 2008.05.06 21:36

エフヨコ&ハワイアンブルーさん、コメントありがとうございます。下之郷のイベントに参加されたようですね。

今回のイベントは、一地方私鉄の小さなイベントかと思いきや、撮影会ではかつての東急時代の行き先表示を掲出したり、東急からやってきた1000系のお披露目もあり、また撮影用でわざわざ回送扱いの臨時列車を1往復運転したところは、まさにファン向けの内容であったかと思います。

上田電鉄はそれだけ多くの人に支えられて存続しているのではないかと思います。この鉄道がいつまでも存続してくれることを願うとともに、この地にやってきた1000系のこれからの活躍に期待したいところではないかと思います。

投稿: Kaz-T | 2008.05.06 23:38

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