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2008.05.03

道後温泉へタイムトリップ!「坊ちゃん列車」

さて、松山駅前周辺で市内電車を撮影後は、この街最大の名所である道後温泉に行ってみることにしました。
道後温泉は我が国最古の温泉として知られ、その本館は重要文化財にも指定された松山のシンボルの一つです。ここへ向かうため、松山駅前からこんな列車に乗車してみることしました。

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到着する「坊ちゃん列車」 2008年4月29日 松山駅前で筆者撮影

伊予鉄道は、1887年に創業しその翌年に松山(現:松山市)から三津の間を蒸気機関車による軽便鉄道として開業したのが始まりです。この鉄道が一躍有名になったのが1906年に書かれた夏目漱石の小説「坊ちゃん」に、松山にやってきた教師が船を降りて松山に向かう際にこの鉄道に乗車しその光景が描写されたことから「坊ちゃん列車」として知られるようになりました。

伊予鉄道では、この「坊ちゃん列車」の雰囲気を再現た列車を市内線松山市駅・古町(松山駅前)~道後温泉で運転しています。

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2008年4月29日 松山駅前で筆者撮影

21世紀によみがえった「坊ちゃん列車」は、松山市内の路上を走行します。さすがに路上を煙を吐きながら走るわけにはいきませんので、機関車はその当時の蒸気機関車を模したディーゼル機関車になっていますが、客車はその当時のオープンデッキなどの構造が再現されました。
開業当初の伊予鉄1号機関車を模した「坊ちゃん列車」で、道後温泉を目指します。車内も板張りの座席になっていますが、この当時の車両を再現したためによります。そして、当時の制服を着た車掌さんが観光案内をしながら松山市内を走行していきます。機関車はディーゼル機関車とはいえ模擬的な煙を吐くなどのし好が凝らされ、ムードを盛り上げます。そして、終点の道後温泉に到着しました。

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道後温泉に到着した「坊ちゃん列車」 2枚とも2008年4月29日 筆者撮影

道後温泉到着後は奥の引上げ線で機回し及び機関車の方向転換が行われます。

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機関車が切り離され、方向転換中 2008年4月29日 道後温泉で筆者撮影

機関車の方向転換は、転車台というものはありませんので、機関車自体に装備されている機構により回転して向きを変えます。

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客車を手押しで入換 2008年4月29日 道後温泉で筆者撮影

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機関車と連結される 2008年4月29日 道後温泉で筆者撮影

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駅前の待機線で出発を待つ「坊ちゃん列車」 2枚とも2008年4月29日 道後温泉で筆者撮影

なんともユニークな方法で方向転換を行う「坊ちゃん列車」その後は出発までの間はこのように駅前に設置されている待機線に留置となります。ここでは記念撮影をしている人を多く見かけました。

さて、「坊ちゃん列車」は2編成あります。もう1編成も撮影できました。

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14号機をモチーフにしたもう1編成の「坊ちゃん列車」 2008年4月29日 松山市駅で筆者撮影

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ここでも機関車の方向転換を行う 2008年4月29日 松山市駅で筆者撮影

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手押しで客車を入換 2008年4月29日 松山市駅で筆者撮影

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市内電車と並んで出発を待つ「坊ちゃん列車」 2008年4月29日 松山市駅で筆者撮影

市街地の中心に近いところにある松山市駅でも、このようにユニークな方向転換が行われます。そして、この編成の走行シーンを撮影してみました。

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松山市内を走行する「坊ちゃん列車」 2008年4月29日 松山市駅~南堀端で筆者撮影

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南堀端の交差点を曲がり道後温泉に向かう「坊ちゃん列車」 2008年4月29日 筆者撮影

市内線は、各分岐点のポイント制御を架線にて列車の通過を検知して行っていますので、ポイント通過時は客車に設けられたダミーのビューゲルを作動させます。

こうして「坊ちゃん列車」を撮影しましたが、実際に活躍していた「坊ちゃん列車」が保存されているということで、そこに行ってみました。

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保存されている「坊ちゃん列車」伊予鉄1号機関車と客車 2008年4月29日 梅津寺パークで筆者撮影

松山市駅から郊外電車に乗車して梅津寺にある遊園地「梅津寺パーク」で、夏目漱石の小説「坊ちゃん」に登場するその当時の機関車と客車が展示されています。この機関車と客車は鉄道記念物にも指定されています。

松山の名物になった21世紀によみがえった「坊ちゃん列車」、小説の世界を堪能しながら観光できるなかなかユニークな列車です。松山の地を訪れた時は、ぜひ乗車してみたい列車ではないかと思います。

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