西武多摩川線 開通90周年
今年でこの路線も開通から90周年を迎えました。JR中央線の武蔵境から是政を結ぶ西武多摩川線です。地元では「西武是政線」と呼ばれているこの路線で本日から、開通90周年記念としてこの路線で運転される全列車にヘッドマークが付きました。早速、この列車を撮影してきました。
開通90周年のヘッドマークを付けた西武多摩川線101系 2007年12月8日 新小金井で筆者撮影
西武多摩川線は、1910年に多摩鉄道として設立され、今から90年前の1917年10月に武蔵境から北多磨(現:白糸台)まで開通し、1922年に終点の是政まで全通しました。多摩川で採取された砂利輸送を目的とした鉄道で、開業当時は小型のガソリンカーにより運転され、貨物列車も多数運転されていました。1927年に旧西武鉄道に合併され、今日に至っています。このような経歴のため、西武多摩川線は、他の西武線とは接続していない離れ児島路線になっています。
起点の武蔵境駅はかつては、中央線下りホームの向かい側に発車ホームがありましたが、中央線の高架化に合わせて西武多摩川線も高架駅となりかつての面影はなくなりました。
また離れ児島路線の宿命からか、本線系統では一線を退いた旧型車が闊歩していた路線でもありました。自分が物心付いたときに見た多摩川線は、赤電と呼ばれた451系・551系が闊歩していた印象があり1本だけ黄色の701系があったという時代でした。今となっては、その701系も姿を消して101系のワンマン仕様車で運転されています。この車両も、今となっては本線系統では姿を消した低運転台車で運転されており、親しまれたスタイルの車両がこの路線では主力として活躍しています。
さて、今日からヘッドマークをつけて運転されることになった西武多摩川線、これに合わせて記念乗車券も発売されたのですが、発売部数がかなり少ないことから朝早い時間帯に武蔵境に行きましてまずは記念乗車券を入手しました。(この記念乗車券は9:30の時点で武蔵境では完売になりました。)その後、高架になった多摩川線ホームに向かい、到着した列車をまずは撮影してみました。
90周年のヘッドマークをつけた101系 217F 2007年12月8日 武蔵境で筆者撮影
217Fに付けられたヘッドマーク
この列車に乗車して、終点の是政まで乗車してみました。
高架工事中の武蔵境駅を出ると中央線と分かれる付近で地上に下り、住宅地を進みます。この路線は全線単線です。新小金井で行き違いのあと、二枚橋の清掃工場と野川・武蔵野公園の緑の中を築堤で進み、多磨・白糸台と停車、車庫のある白糸台を出発して京王線をアンダークロスして、この路線沿線の集客施設である多摩川競艇最寄り駅競艇場前を過ぎ、終点の是政に到着します。終点是政駅から徒歩数分のところで多摩川の河川敷であり、そこから歩きますとJR南武・武蔵野線の多摩川鉄橋に行くことができます。
ここで1本列車を送ります。多摩川線各駅では開通90周年を記念して、多摩川線の懐かしい写真展が開催され、かつての駅の様子や、多摩川線で活躍したSLやガソリンカー、そして古い電車から351系・451系などの写真などが展示されていました。
到着した223F 2007年12月8日 是政で筆者撮影
この列車に乗車して、今度は車庫のある白糸台で下車しました。ここで留置中の車両を撮影します。
留置中の219F 2007年12月8日 白糸台で筆者撮影
開業当初は「北多磨」と称していた白糸台、現在でも車両基地が置かれ多摩川線の中核駅となており、この駅でも列車の行き違いが行なわれます。
ここから更に乗車して、各種撮影してみました。
かつて多摩川線で活躍した571系を模したデザインのヘッドマークをつけた221F 2007年12月8日 新小金井で筆者撮影
221F是政方先頭につけられたヘッドマーク
ヘッドマークをつけた221Fと223Fの並び 2007年12月8日 新小金井で筆者撮影
多摩川線駅名と101系をあしらったデザインのヘッドマークを付けた223F 2007年12月8日 新小金井で筆者撮影
223F是政方先頭につけられたヘッドマーク
221Fの武蔵境方先頭車のヘッドマーク 2007年12月8日 多磨で筆者撮影
西武多摩川線は4編成在籍してうち3編成で運転されています。全編成に異なったデザインのヘッドマークが付いていますが、一部編成では片側にしか付けられていない編成もありました。
こうして、開通90周年を迎えた西武多摩川線に乗車してきました。中央線の武蔵境から出発する西武多摩川線は、都心からこんな近くにあるローカル線の風情が感じられます。それは、未だに自動改札機が武蔵境駅を含めて設置されてなくPASMO用の簡易型改札機で処理している状況であり、単線の線路に構内踏切も残る駅があるなど、沿線は宅地化が進んでいてもどこか武蔵野の面影が残る沿線を走ります。
本線では見ることがなくなった西武スタイルを今に伝える低運101系が、今も活躍している多摩川線を訪れてみてはいかがでしょうか?
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コメント
実家が競艇場前のそばで私もこの路線に長く乗っていました。地元ではいまだに「是政線」で通ります。
かつては多磨墓地前での交換のみだったこの路線も昭和50年頃に北多磨と新小金井での交換に変りました。と同時にタブレットも止めたと記憶しています。
私の高校時代は351と1411という不均衡な編成で走っておりました。411が走っていたときもあったのです。
今でもあまり変らない路線ですね。京王線が好きだったので多摩川線の写真はほとんど撮影していないのが残念です。
投稿: SATO | 2007.12.08 22:59
SATOさん、コメントありがとうございます。
私の出身である三鷹でもこの路線は「多摩川線」よりも「是政線」のほうが通ります。近くても意外と乗る機会がない西武多摩川線、今では早朝・深夜帯を除いて終日12分ヘッドになり、新小金井と元北多磨、現在の白糸台で交換します。その一方で競艇場前の交換設備は撤去されていました。
この路線は、西武の離れ児島路線ということで、本線では姿を消した旧型車両が多く集められていた印象があり、それこそSATOさんがご覧になられた351+1411というのは一時代の多摩川線の代表的な編成であったようです。その後451系・551系・571系・701系と変遷して、今ではワンマン運転の101系で運転されていますが、これも本線では姿を消した低運転台車ですので、離れ児島路線だからこその宿命のようです。
武蔵境は高架駅となり、是政は近年駅舎が建て替えられ、駅名も多磨墓地前が多磨に、北多磨が白糸台に改称されています。しかし、構内踏切が残り、今でも自動改札機が導入されずICカードは簡易型のものが設置され、ホームも木造の屋根が残っている駅もあるなど、SATOさんが親しんだ当時の雰囲気はまだ見ることが出来るのではないかと思います。
投稿: Kaz-T | 2007.12.09 00:37
★ Kaz-Tさん
TBを有難う御座いました。
西武多摩川線は身近にありながら、乗る機会の少ない
路線です。武蔵境駅の高架になる前に乗り鉄の敢行しております。
合理化が徹底している路線ですが、今後も頑張って
存続して行って欲しいと思います。
投稿: SDTM | 2007.12.09 22:23
SDTMさん、いつもは弊ブログにトラックバックをいただきまして、また今回はコメントまでいただきまして、ありがとうございます。
西武多摩川線は、近年ではワンマン運転も開始されるなど、合理化を進めている状況がありますが、どうしても離れ児島路線なだけに避けて通ることはできないことではあるかと思います。
しかし、その風景は武蔵野の面影が残る箇所もあり、木造の屋根が残っている駅もある中、これからも沿線地域の中で走り続けてほしいものであるかと思います。
投稿: Kaz-T | 2007.12.09 22:36
Kaz-Tさん、トラックバックありがとうございました。
10月に初めて多摩川線を訪れて気に入ってしまい、今回のイベントも初日に行ってしまいました。大型2枚の前面窓は前方視界もよく、また、運転室が大きく感じられました。のんびりしたい時に、もってこいの路線のような気がしました。
投稿: テームズ | 2007.12.10 00:00
テームズさん、こちらこそコメントとトラックバックをいただきまして、ありがとうございます。
西武多摩川線は西武鉄道の離れ児島路線だけに、車両も本線系統では姿を消した車両が未だ活躍している線区で、今でも低運の101系が活躍しています。都心から近いところに存在しているローカル線、しかしその風情は武蔵野の面影が残る風景を走る路線ですので、おっしゃるとおりでのんびりとした雰囲気があるかと思います。
投稿: Kaz-T | 2007.12.10 22:10