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2007.10.31

京阪 ファミリーレールフェア2007に行ってきました

さて、関西遠征記の2日目10月28日日曜日は、阪急正雀工場のイベントは午前中で退散しまして、その後は地下鉄経由で京阪に乗りまして、寝屋川市にやってきました。この日、京阪電鉄の寝屋川車両基地でも「ファミリーレールフェア2007」というイベントが開催されていました。こちらのイベントにも午後からになりますが、参加してきました。

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京阪ファミリーレールフェア2007で並べて展示された、特急色が再現された1900系1929(左)と、現在この編成のみが在籍している3000系3505 2007年10月28日 寝屋川車両基地「京阪ファミリーレールフェア2007」会場で筆者撮影

京都の出町柳から大阪の淀屋橋を結んでいる京阪電鉄でも毎年、この時期に寝屋川車両基地で一般公開のイベントが開催されているようです。

最寄の寝屋川市駅に着いてここから歩くこと約15分で会場の寝屋川車両基地に到着しました。会場に入りまして、まずは車両の検査を行なっている工場へ向かいます。その途中にこんなものがありました。

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車両基地事務所前にあった1801号車のカットボディー

いきなり何食わぬ顔でおいてあったこのカットボディーは、1801号車のものです。このカットボディーは保存しているものかと思いきやさもあらあず、電話ボックスとして機能しています。

この前を進みますと、工場の出入庫線とでもなるのでしょうか?車両が並んでいました。狭いところでしたので1編成づつ撮影となりました。

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工場の出入庫線に停まっていた特急車8000系の京都方先頭8006

8006の向かいには、こんな車両が停まっていました。

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「きかんしゃトーマス」のグラフィック電車になっている7000系大阪方先頭7052

その隣にはこんな車両がいました。

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京阪通勤車で異彩を放つ片側5扉が特徴の5000系

5扉車として知られる5000系の前にはまたこんな車両が停まっていました。

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「きかんしゃトーマス」のグラフィック電車になっている7000系の京都方先頭7002

その隣にも7000系がいました。

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こちらは標準色の7000系京都方先頭7003

この7000系の隣にはこんな車両がいました。

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支線系統用のワンマン対応車10000系

現在の京阪の最新型車である10000系です。ターコイズグリーン1色の車体が特徴ですが、この車両は4両編成のワンマン運転対応車で、本線で見ることは稀で支線系統である交野線が主な活躍の場のようです。
10000系の向かいには、また8000系がいました。

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特急車8000系の大阪方先頭8056

これら車両は、いずれの記念撮影コーナーであったり、運転台見学コーナーとしての展示でした。またその場を多く提供しようと、1編成を中間で分割して展示されていました。運転台見学という中で、どうも方向幕指令器の操作も含まれていたようで、営業運転ではまず見る機会がないイベントならではの「ネタ幕」が登場していました。まずは、特急車8000系についてです。

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京都方先頭8006で表示された「K特急 出町柳」

「K特急」は、主にラッシュ時間帯に運転される特急のようです。

一方、大阪方先頭でも方向幕が変えられていました。

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大阪方先頭8056で表示された方向幕各種

8000系は特急車ですので、準急といった列車に使用されることは稀であるとともに、宇治線には入線しません。また特急以外の列車に就く場合は、前面の特急マークは表示しないことになっていますので、特急の鳩マークがある「準急」や「急行」はまずありえません。また行き先の「深草」行きというのは実在しているのでしょうか?

また、10000系でも各種表示がなされました。

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10000系で表示された各種方向幕

10000系は支線系統用ですので、本線の行き先を表示して運転することは稀です。また優等になりますとほとんどありえませんので、「特急」や「準急」と表示はめったに見ることは出来ないかと思います。また、京阪には「快速」という列車は存在していません。幕が存在しているということは、将来的には設定されるのでしょうか?気になります。行き先の「香里園」や「交野市」というのも、めったには見ることは出来ないかと思われます。

さて、屋外に停まっていた8056の隣には、こんな車両が展示されていました。

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展示された保存車 63 「びわこ号」

この車両は60形という車両で「びわこ号」という愛称がついた車両です。1934年に製造されたこの車両は、我が国初の連接構造の車両として登場し、大阪から京都・三条を経由して京阪京津線の浜大津まで特急として直通運転を行なった車両でした。京津線は路面電車であったため、パンタグラフとポールを備え、通常ホーム用と低床ホーム用と2種類のドアを持っています。この車両は廃車後、一時は京阪沿線にある遊園地「ひらかたパーク」で展示されていましたが、その後寝屋川車庫に移されこのようにイベントの際に公開されています。
今では、京阪本線は京都市街地は地下線になり、京津線も三条~御陵間は廃止になり、廃止と同時に開業した京都市営地下鉄東西線に直通するようになりました。かつては京都三条で鉄道線である本線と、軌道線であった京津線を直通していた列車があったということを物語っている歴史の証人でもあります。

びわこ号の奥には、こんな車両が停まっていました。

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展示された構内入換車

車両基地では、時としてこんな車両を見ることがあります。構内入換車になっているこの車両、元をたどると京津線で使用されていた72号車からの改造になります。すでに車籍はなく機械扱いになっているかと思いますが、このような形で生き延びています。

この隣では、「電車と綱引き大会」コーナーになっていて、7000系がこのような状態で停まっていました。

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「綱引き大会」で使用された7000系大阪方先頭7053

この場所から留置線に進みますと、ここには人だかりができていました。会場で配られていた案内図には載っていなかった車両の展示撮影会、今京阪で最も熱いこの車両が並んで展示されました。

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並んで展示された、特急色が再現された1900系1929(左)と今もこの1編成が京阪に残る3000系3505

昨年、編成中の一部の車両が誕生50周年を迎えるということで、かつての特急色が再現された先々代の特急車1900系1929編成と、今となってはこの1編成が残り特急として活躍している先代の特急車3000系3505が並んで展示されました。1900系には「特急マーク」の他、副票として毎年七夕の時期に交野線の終点私市で繰り広げられる「七夕伝説」と、朝のラッシュ時間帯に交野線から本線に直通するK特急「織姫」の副票が付けられ、3000系には「臨時」の副票が2枚ダブルで付けられていました。

さて、この副票は1時間ごとに違うものに付け替えられました。この副票を撮影中に交換が始まりました。

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副票が交換された後の並び

それぞれ撮影しました。

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「比叡山ライトアップ」の副票を付けた3000系

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「臨時」の副票を2枚付けた1900系

このあと、次の副票交換までの間、工場内に進んでみました。

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車体持ち上げ実演に使われていた9000系

ここでも、クレーンによる車体持ち上げ実演が行なわれていました。車体持ち上げに使われていた車両は9000系という車両で、一般車ではありますがクロスシートの車内を持つ車両で、ラッシュ時間帯の特急用として登場しました。外観は一般車と同じ外装ながら青のラインが入っています。今では昼間でもこの車両を使用した特急が運転されています。
このほかにも各種実演や、グッズの販売などが出ていたのですが、いずれも人気で特に部品関係はオークション形式になっており、結構高い値が付いていました。

そして、時間になり再度1900系と3000系を見に行ってきました。

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再度副票が交換された1900系と3000系

再度交換された副票、1900系には「比良」、3000系には「びわ湖連絡」のものが付けられました。

1900系と3000系の並びは、午後から出向いたものですからどうしても逆光になってしまいました。けれども、この並びは一時代の京阪特急の並びであり、十分に堪能できました。このあと、1900系を再度撮影しました。

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1900系1929

こうして、寝屋川車両基地で開催された京阪電鉄の「ファミリーレールフェア」会場を後にしました。

京阪電鉄でもこのように盛大に鉄道の日イベントが開催されました。普段目にすることがない工場の中の様子など、鉄道に親しんでもらうと言う趣旨であるかと思ったのですが、撮影会で1900系と3000系を揃えるところは我々ファンも十分に楽しめたイベントであったかと思います。

わざわざ関東から出向き行ってみた甲斐があった、見ごたえ十分のイベントでした。
また、来年以降も継続した開催に期待したいとことではないかと思います。


画像はすべて 2007年10月28日 京阪寝屋川車両基地「ファミリーレールフェア2007」会場で筆者撮影

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コメント

こんばんは。京阪特急の懐かしいオンパレードですね。
子供の頃、京阪特急でわざわざ「テレビカー」を指定して乗っていたのを思い出します。高校野球や相撲中継の時は、その車両は超満員でした。
「びわこ」号も、よく復元されましたね。あれは日本初の連接車でしたから。当時としてはかなりのスピードで飛ばしていたらしいです。
また余談ですけれど、昔は奈良電気鉄道(現在の近鉄京都線)と丹波橋で線路が繋がっていて、「三条発奈良ゆき急行」というのもありました。
それでは、京阪特急を語る上で欠かせない歌を一つ。「京阪特急の歌」です。

走る窓から眺めたら ローラーコースター雲の上
春は薔薇色 枚方の 秋は嬉しい菊人形
天満橋から三条へ ジリリンピリピリポーポー
京阪特急 京阪特急

これは昭和30年代初頭に作られた歌で、2番は京都の舞妓はん、3番は比叡山のドライブウェイ(京阪直営)、4番は琵琶湖めぐりの定期航路を織り交ぜて歌っています。また当時の大阪側のターミナルは、天満橋でしたのでこの歌詞になっていますが、後に淀屋橋地下駅が開業すると歌詞も「淀屋橋から三条へ…」と改められました。

投稿: みゃあみゃあ | 2007.11.04 19:11

みゃあみゃあさん、コメントありがとうございます。

阪急と同日開催になった京阪のイベントにも足を運びました。

事前に告知にもなければ会場で配られたパンフレットにも記載がなかった特急車並び、京都~大阪の熾烈な競争の中で生まれたこの両者の素晴らしい競演でした。その昔にはそんな歌があったのですね。近年「京阪のるひと おけいはん」というキャッチコピーとともに京阪CMソングがインディーズレーベルで発売されたそうですが、これもテレビカーとともに京阪の伝統なのですね。

関西の大手私鉄の一角である京阪電鉄、まだまだ調べてみますと面白いことがあるのかもしれません。

投稿: Kaz-T | 2007.11.05 00:20

 こんにちは。

>行き先の「深草」行きというのは実在しているのでしょうか?

 何でも良くご存知のKaz-Tさんなら、ご説明するまでも無くご存知かとは思いますが、深草駅脇には昭和55年3月まで7両対応の「深草車庫」があり、その当時存在した「深草行き」の名残で、今現在は存在しません。
 まあ、何と言いましょうか、古き良き時代の名残ですね。

投稿: 痛勤形酷電 | 2007.11.07 22:13

痛勤形酷電さん、コメントありがとうございます。

関東の人間なもので、京阪についても急行が停車する駅ぐらいの駅名なら理解しているのですが、「深草」という幕ですと、まずはどこにあるのかといったところから入ってしまいました。なるほど、京都市内にある駅で、その昔はそこに車庫があったのですね。7両対応だったということは、おそらく狭い敷地で長編成化に対応できなくなって移転し閉鎖されたということなのでしょう。廃止から10年ほど過ぎて登場した特急車8000系にその幕が残っているということは、おっしゃるとおりでその名残であるかと思います。普段はお目にかかることがない幕を表示するのはどこのイベントでも、東西関係なく行なわれるようですね。

投稿: Kaz-T | 2007.11.07 23:46

この記事へのコメントは終了しました。

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