秩父鉄道「わくわく鉄道フェスタ」に行ってきました
5月も中旬に入りました。今日は、埼玉県北部を東西に横断し、東武伊勢崎線の羽生からJR高崎線の熊谷を経由し秩父・三峰口を結ぶ秩父鉄道の広瀬川原車両基地で一般公開のイベント、「わくわく鉄道フェスタ」が開催されました。このイベントに行ってきました。
イベント当日のみに開設される「広瀬川原」駅名板
会場で展示された電気機関車 2007年5月19日 広瀬川原車両基地「わくわく鉄道フェスタ」会場で筆者撮影
秩父鉄道の広瀬川原車両基地のイベントは、おととしから始まったイベントで今年で3回目になります。広瀬川原車両基地は、秩父鉄道線のひろせ野鳥の森駅と大麻生駅の間にありますが、このイベント当日に限りこの車両基地内に臨時駅として「広瀬川原」駅が開設され、この駅までの臨時直通列車が運転されます。
まずは、このイベント会場へ向かうため熊谷に行ってみました。イベント当日とあって多くの人がホームに詰め掛けている状態でしたが、ここで待っていた人たちはこの列車を撮影するために集まっていました。
秩父鉄道を走るSL列車「パレオエクスプレス」 2007年5月19日 熊谷で筆者撮影
秩父鉄道といいますと、今ではこのSL列車「パレオエクスプレス」が目玉であります。今日は熊谷発広瀬川原行きの臨時SL列車として運転され、全席指定で運転されました。秩父鉄道のSL列車は今年で運転開始20周年を迎えることになり、ヘッドマークも特製のものがついていました。
このSL列車の出発を見届けてから、イベント会場となる広瀬川原行きの直通臨時列車を待ちます。そして、その列車が到着しました。
広瀬川原行き直通臨時列車 1000系 2007年5月19日 熊谷で筆者撮影
秩父鉄道に今も残る旧国鉄・JR101系の譲受車である1000系が充当された臨時列車、熊谷を出るとイベント会場の広瀬川原までノンストップという列車でした。
所要10分で広瀬川原に到着しましたが同駅は臨時駅のため、到着後2箇所のドアにタラップを据付て降車する方式でした。
広瀬川原に到着した1000系臨時直通列車
広瀬川原駅では、この列車到着にあわせて一般公募で選ばれた親子連れの1日駅長より記念品を頂きました。
しばらくこの付近を見ていたのですが、やがて熊谷からの2本目の臨時列車が到着しました。
熊谷から広瀬川原への2本目の臨時列車は「急行 秩父路」用の6000系
さて、広瀬川原駅で下車しますとまず先に出発したSLが展示されていました。
SL「パレオエクスプレス」C58 363
その隣には広瀬川原に到着し入換が行なわれた車両が留まっていました。
「急行 秩父路」号用車両6000系
秩父鉄道の急行列車「秩父路」号は急行料金が別途必要な有料急行です。この列車に使用されている車両は、今では西武新101系の譲受車である6000系が使用され、秩父鉄道入りの際2ドア・クロスシート化といった改造がなされました。
各駅停車用の主力 1000系
各駅停車用の主力になっている1000系は、旧国鉄・JR101系からの譲受車です。秩父鉄道入り後3両編成の両先頭車について冷房化されましたが、すでに車令はゆうに40年を超えています。今後この代替車の導入があるのか気になります。
この隣には休憩用車両として、この車両の車内が解放されていました。
休憩用車両として使用されていた5000系
この車両は5000系という車両で、都営三田線で活躍していた都営地下鉄6000形の譲受車で、外観は3両編成になり秩父鉄道のマークが付けられた程度で、それいがいは都営時代とほとんど変わりはありません。
さて、これら車両の向かいには貨物輸送に活躍する電気機関車が展示されていました。
展示された電気機関車
秩父鉄道は旅客輸送のほか、秩父地方で産出される石灰石を主に運ぶ貨物列車の運転も行なわれています。その貨物列車などで活躍している機関車について、並んで展示されました。時間によりヘッドライトが点灯しました。これら機関車をそれぞれ撮影してみました。
茶色塗装のデキ101 すでに車籍は抹消されている
デキ201 この機関車は「パレオエクスプレス」回送及び補機運用に就くため、「パレオエクスプレス」客車と同じ外装になっている
秩父鉄道の主力機関車 デキ501
これら機関車の隣にはこんな車両も展示されていました。
入換用のディーゼル機関車
この隣にはマルチプルタイタンパやモーターカーといった保線用車両も展示されていました。
さて、秩父鉄道は貨物輸送を今でも行なっている数少ない私鉄です。この路線で使用されている貨車も展示されていました。
展示されていた貨車
バラスト輸送用ホッパ貨車 ホキ2
秩父地方のセメント会社「秩父セメント」保有のホッパ貨車 ホキ10089
無蓋貨車 トキ506
秩父鉄道名物?秩父鉄道線内専用の石灰石輸送用ホッパ貨車 ヲキ171
別箇所に停まっていた有蓋車ワキ
さて、これら貨車に囲まれるようにしてこんな車両が留まっていたのが見えました。
500形電車の廃車体
かつて秩父鉄道で活躍していた500形電車の廃車体がありました。すでに車体の状態は良くはなさそうです。今回のイベントにおいては十分見える位置での展示があっても良かったのではないかと思うと共に、今後は三峰口駅の車両公園での展示があっても良いのではないかと思いました。
さて、ここから先へ進みますと、トラバーサーの乗車体験などがありました。その付近にあった「電気車修繕庫」では、機関車が入場中でした。
電気車修繕庫で検査入場中のデキ301
ここからさらに先に進みますと、SLを運転している秩父鉄道に欠かせない設備があります。それはSLの方向転換に欠かせない転車台の実演が行なわれていました。
転車台方向転換作業 電気機関車デキ107を載せて実演
SLは客車を連結した状態で展示されましたので電気機関車を載せて展示していました。なお、今回転車台に載っていた電気機関車デキ107は、かつて岩手県に存在していた松尾鉱山鉄道から譲り受けた機関車で、この鉄道自体が廃線になってもう30年以上が経過した今、貴重な同鉄道生き残り車両といえるのではないかと思います。
さて、このイベントでも各種グッズの販売がありました。特に今回のイベント会場となっている広瀬川原はこのイベント当日にのみ開設される臨時駅であることから、この会場限定で「広瀬川原」発行の記念乗車券や入場券(いずれも硬券)が発売されました。また、車両などの部品や各種グッズ、弁当などの飲食物の販売や、今回も東武鉄道が各種グッズを、そして千葉県の銚子電鉄からおなじみ「ぬれ煎餅」や硬券の乗車券を販売するため出店していました。
またイベント会場内の特設ステージでは秩父屋台囃子の演奏があり、その周辺では秩父鉄道SL列車オリジナルキャラクター「パレオくん」と埼玉県のマスコット「コバトン」の登場もあり、子供たちが群がっている状況でした。なるほど人気のキャラクターのようです。
こうしてイベント会場を後にしました。イベントからの帰りにも広瀬川原発の臨時直通列車があったのですが、この列車までは時間があったことからこのイベント会場から歩いたところにある「ひろせ野鳥の森」駅から定期の各駅停車で熊谷に向かいました。
昨年・おととしとも都合あったり別のイベントと重なったりしていて、なかなか参加できなかった秩父鉄道のイベントに今年ようやく参加することができました。「広瀬川原」駅の開設とこのイベントはまた来年になってしまいますが、行ってみてよかったと感じます。
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鉄道の小箱さん
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