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2007.05.08

京王電鉄 2007年度事業計画発表

京王電鉄オフィシャルサイトに、今年度の事業計画が掲載されました。

今年度の主な内容は、昨年度より始まったATC導入に伴う各種設備の新設と、調布付近の連続立体化(地下線化)、並びに駅の改良(バリアフリー化・橋上化)などが主で、車両面では今年度も9000系を30両導入し7000系について24両改造(バリアフリー・ドア上案内装置取り付け・VVVF化)を行ないます。この他に「総合高速検測車」を導入するともあります。

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今年度も導入される9000系 2006年9月2日 新宿(京王新線・都営新宿線)で筆者撮影

これだけですと「総合高速検測車」というのが気になりますが、特に目立った内容ではありません。しかし、このリリース文を読んでいきますと、今後数年後の車両の動向を暗示している文面もありますので、今回まとめてみました。

まず調布の立体化の完成が2012年度ですが、ATC導入が2010年度目標と記載されています。また車両面でも全車VVVF車化並びにドアチャイム・案内装置等バリアフリー設備の全車取り付けをやはり2010年度目標とされています。
この記述からあくまでもこれは私の見解ですが、京王線系統では7000系についてはVVVF化を行いまだ残るとしても、6000系については今後急速に姿を消し、場合によっては全車引退ということがあってもおかしくはない、残ったとしても9000系の増結用や平日の競馬場線を折り返す2両編成並びに動物園線の折り返し車両ぐらいになってしまうかもしれません。
ちなみに6000系の経年ですが最終グループの6721F~6724Fの20両(5ドアで登場した車両)で2010年度末(2011年3月)で車令はちょうど20年、その前の6744F(1990年3月の相模原線橋本開業時に導入した編成)で21年ですが、鋼製車体であることや今の情勢を考えますとVVVF化やバリアフリー設備取り付けなどを行なうとは考えにくく、ここで引退ということは十分にありえると思われます。

一方井の頭線では今年度も1000系の導入はありませんが、このリリース文を読んでいきますといずれ1000系の導入が再開され3000系を置き換え、2010年度末で3000系を淘汰すると読むことができます。
2010年度末で3000系の最終編成である3729Fは車令で23年になります。またリニューアルが行なわれてからも15年になります。ステンレスの車体ではありますが、現在の井の頭線では3ドアの3000系と4ドアの1000系が混在して乗車位置が異なっている状況であることや、すでに京王線系統では無くなった2ハンドルの運転台であることなどを考慮しますと、この期に及んで3000系にVVVF化やバリアフリー化改造さらにはATC機器取り付けを行なうとは考えにくいと思われます。井の頭線で長きに渡り活躍し親しまれてきた3000系についても、先が見えてきたということになるのではないかと思います。


今年度の京王の事業計画は、ほぼ昨年どおりで特にサプライズ的な内容はありませんが、数年先の動向を読むことができるという点で、今年度はそのスタートといえる内容になっているように思います。


参考:京王電鉄リリース「2007年度京王グループ経営計画」(PDF)

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コメント

こんばんは。

いよいよ6000系と3000系のカウントダウンが始まりますね。これで京王線から「色を塗った電車」が消え、井の頭線からステンプラカーが消える。小田急の3000形大量増備もそうですが、世代交代というのは寂しいものがありますね。

余談ですが、私は昨日の午前中、渋谷→吉祥寺間で3000系の急行に乗れました。やはり1000系を知ってしまうと3000系の車内は何となく狭苦しく感じてしまいます。やはり収容力で劣ることは確かですから、退役が急がれるのも無理はないのでしょう。…とは分かっていても、学生時代毎日お世話になった車両が消えるのは…。

長文失礼しました。

投稿: さすらいの8143 | 2007.05.09 23:14

さすらいの8143さん、コメントとトラックバックをありがとうございます。

今年度の京王の事業計画は「総合高速検測車」というのが気になりますが、それ以外ですと例年通りといいますか、9000系の増備と7000系の改造、そして調布地下化とATC化、駅施設の改良という中身ではありますが、2010年までに・・・・・・という記述を見るにつれ、いよいよ京王でもまた時代が変わろうとしていることを痛感したしだいです。京王線で一時は最大勢力で、優等から地下鉄直通まで幅広く活躍した6000系と井の頭線で長きに渡り親しまれた3000系の引退の時期が見えてきたような記述があったことから、今回このような記事になりました。

自分が育った沿線である京王線と井の頭線、その路線で活躍していた自分にとってのそれぞれの路線の原風景として、またそれだけ多くの思い出があるこの両車の引退が、すぐそこまで来ているということをこれほどまで実感したリリースというのは無かったように思います。

まだ3年ほどありますが、これら車両の最期を見届け以降かと思います。

投稿: Kaz-T | 2007.05.09 23:49

ATC化とVVVF化の時期が明示されましたね。ご存じかと思いますが、京王線の電車はマスコンキー位置で京王と都営の保安装置の切り替えを連動させているのですが、同時に主回路の減流値を変えて、加速度を使い分けておりますね。ATC化とVVVF化は、地上線での高加速運転へのシフトが織り込まれていると考えられますので、調布市内連続立体化完成時に予定されるダイヤ改正でスピードアップが行われる布石と見られますね。楽しみです。

投稿: 走ルンです | 2007.05.10 00:25

走ルンですさん、コメントありがとうございます。

ATC化について、今年度は具体的な時期が明示されましたが、一方で京王線系統6000系・井の頭線3000系については、いよいよ先が見えてきたと感じました。

VVVF車に統一とATC化で、今後はスピードアップの予想されるでしょう。調布の地下化とあわせまして、今後数年で京王のラインナップは大きく変わることになりそうです。

投稿: Kaz-T | 2007.05.10 23:25

この記事へのコメントは終了しました。

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