« 今度は久留里線に登場 「風っこくるり号」 | トップページ | 京急で運転 横須賀市制100周年記念電車 »

2007.04.14

房総半島の内陸部を行く 久留里線

千葉DC関連の臨時列車、「風っこくるり号」でジョイフルトレイン「びゅうコースター風っこ」の登場で盛り上がっている久留里線。この路線は、木更津から房総半島の内陸部を進んで上総亀山を結ぶ単線非電化のローカル線です。
この路線では、今となってはここでしか見ることができない気動車で運転されています。今回は、久留里線でごく日常的に運転されている気動車について撮影してきました。

Img_3173
久留里線で活躍している気動車 キハ38(左)・キハ30(右) 2007年4月14日 横田で筆者撮影

久留里線の列車として活躍している気動車、まずは先の「風っこくるり号」の記事でも登場したキハ38です。

Img_3165
久留里線の主力車両であるキハ38 2007年4月14日 久留里で筆者撮影

キハ38は、国鉄時代の末期にキハ35系などの台車・機関等を利用して登場した3ドアロングシートの気動車でした。当初から冷房が付いていたキハ38は、八高線に導入され同線初の冷房車として好評を得ましたが、八高線八王子~高麗川間の電化により久留里線に転じてきました。

さて、上画像のキハ38に後ろに連結されている車両はあまり見かけないスタイルをしています。この車両はキハ37という車両になります。

Img_3146
久留里線に存在しているキハ37 2007年4月14日 久留里で筆者撮影

キハ37は国鉄時代の1983年に製造された車両で、ポストキハ40系を目論んで5両製造され、うち2両が加古川線にそして3両が久留里線に配属となりました。その後は製造されずたった5両製造されただけで終わってしまった稀少車です。加古川線に導入されたものはその後山陰地方の境線に転属となったものの現在では保留車となっているようで、稼動しているのは久留里線に存在している3両だけになります。なお、キハ37もロングシートの車内になっています。

久留里線では、この車両もまだ現役です。国鉄型気動車のキハ30です。

Img_3182
今でも久留里線では現役 キハ30 2007年4月14日 木更津で筆者撮影

外吊り戸が特徴のキハ30は、キハ35系に属する両運転台構造の車両です。全国各地で見ることができた車両で特に首都圏では電化前の八高線や相模線などでも使用されていたある意味なじみの深い系列でもあります。キハ35系も今では久留里線に存在しているキハ30が、JRグループで唯一稼動している車両になります。

いずれも貴重・稀少な車両で運転されている久留里線ですが、沿線はのどかなで自然豊かな風景を走ります。そして、久留里線では今でもこんな光景を目にすることができます。

Img_3174
久留里線に今も残る「タブレット」 駅員さんから運転士さんに渡している 2007年4月14日 横田で筆者撮影

この画像で駅員さんが運転士さんに渡しているリング状のものは「タブレットキャリア」と呼ばれるもので、「タブレットキャリアにはポケットが付いていて、この中に金属でできた「通票(タブレット)」が入っています。通票には●や▲・■といった穴があけられ、この形は区間によって決められていて隣り合った区間では同じ形状のものは使えないことになっています。そして、その区間にはこの通票を持った列車しか入れないという仕組みになっています。かつては日本中のローカル線各所でごく日常的に見ることができた光景でしたが、機械化や合理化などで姿を消しています。JR線でしかも首都圏エリアでこのような光景が、久留里線ではまだ残っています。

房総半島の内陸部に進み久留里線、なかなか注目されにくい路線ではありますが、今となっては貴重・稀少になった車両や貴重な光景、さらには豊かな自然の中を進みます。この路線ではまだ車両の置き換えや、信号設備面の更新といった話は無いようですが、いずれは姿を消してしまうと思われます。ぜひ一度、久留里線を訪れてみてはいかがでしょうか?

|

« 今度は久留里線に登場 「風っこくるり号」 | トップページ | 京急で運転 横須賀市制100周年記念電車 »

セレクトJRローカル線」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。