築城400周年 熊本城下を行く市電
この3連休で、九州へ旅行に行ってきました。急変する天候の中ではありましたが、主に北九州地区を巡ってきました。
羽田から飛行機に乗り、まず目指したのは熊本です。熊本空港をおりて市内に向かうバスに乗り、市内中心にまた国宝にも指定されている熊本城にも近い交通センターで下車しました。熊本のシンボルともいえる熊本城は、今年で築400周年を迎え、現在天守閣を修復中です。その城下町には、市電が走っています。熊本市交通局によって運転されている市電にまず、乗ってみました。
熊本の城下を行きかう市電 2007年1月6日 辛島町で筆者撮影
熊本の市電は、田崎橋から熊本駅前を通り、市街地を抜け健軍町を結ぶ2号線と、上熊本駅から市街地を抜け健軍町を結ぶ3号線と2系統で運転されています。まずは、上熊本駅行きに乗車する前に、バスを降りた交通センター最寄の辛島町電停で撮影してみました。
旧型車から更新の8500形 2007年1月6日 辛島町で筆者撮影
これはオリジナル塗装の車両 2007年1月6日 辛島町で筆者撮影
こうして、乗車する上熊本行きの電車が到着しました。
電停手前で信号待ちをする「超低床車」9700形 2007年1月6日 辛島町で筆者撮影
到着した電車は9700形という、現在の熊本市電の看板ともいえる車両です。この車両は1997年にデビューした、近年各都市の路面電車に導入されている「超低床電車」のさきがけともいえる車両で、熊本の市電に新風を吹き込んだとともに当時大いに話題になりました。昼間の市電は間隔運転で特に熊本駅方面は通過時刻の記載はないのですが、この超低床電車の通過時刻は記載されていて、選んで乗ることが可能です。また、市電はワンマン運転ですが、この超低床車では車掌が乗車しています。
辛島町から上熊本まで乗車しましたが、やはり低床車なだけに乗り降りは楽で、歴史ある町並みに息づく近代的な電車はなかなかの景観を生み出しているのではないかと思います。そして、上熊本駅前に到着しました。
上熊本駅前に到着した9700形 2007年1月6日 筆者撮影
上熊本駅前には、車庫があります。ここで敷地外から撮影してみました。
元は西鉄の福岡or北九州市内線から移籍してきた連接車 2007年1月6日 上熊本駅前で敷地外から筆者撮影
レトロ調電車 101 2007年1月6日 上熊本駅前で敷地外から筆者撮影
出庫してきたNTT広告車 2007年1月6日 上熊本駅前電停で筆者撮影
到着した9200形 2007年1月6日 上熊本駅前電停で筆者撮影
さて、熊本市電には日本の電車発展史に残る車両が存在しています。その車両はこの日は上熊本の車庫に留置でしたので、電停ホームから撮影してみました。
日本の電車発展史に残る 8200形 2007年1月6日 上熊本駅前電停ホームから筆者撮影
この車両は8200形という車両で、我が国の電車で初めてVVVFインバータ制御・交流モーターで走行する電車になります。
それまでは直流のモーターでしか電車は走りませんでしたが、VVVFインバータを搭載して交流のモーターで走行することができるようになり、メンテナンスフリー化や省エネ化が図れるようになりました。今となっては当たり前になった制御方式ですが、この熊本の市電がその発祥ということになります。
さて、このあと行くところがありましたので、そちらで用を済ませた後、再び上熊本駅前から市電に乗車して、終点の健軍町に行ってみました。
再び上熊本駅前から乗車 車両は8500形 2007年1月6日 筆者撮影
この車両は、車体は8200形と同等ですが、電装品は旧型からの再利用になります。
熊本の市街地を城下を抜け、名所の水前寺公園の前を通り抜けて終点の健軍町に到着しました。ここでも撮影してみました。
2007年1月6日 健軍町で筆者撮影
上熊本から乗車した電車、再び上熊本に折り返す 2007年1月6日 健軍町で筆者撮影
このあと、今度は熊本駅前方面田崎橋を目指します。乗車する電車が到着しました。
田崎橋行きで到着した9700形 9701 2007年1月6日 健軍町で筆者撮影
再び、超低床車の9700形が到着しましたが、この車両はその第1号車で、増備車とは外装が異なるほか、行き先表示がLEDになっているなど違いがあります。
この電車で、熊本駅前方面田崎橋に向かいます。辛島町までは来た道を戻ります。中心街に向かって乗客は増えてきましたが、辛島町で入れ替わりがあり、その後熊本駅前でほとんど下車してしまいました。そして、熊本駅前から2つ先の電停が田崎橋終点になります。
田崎橋に到着後はすぐ折り返して行きましたので、次の電車で熊本駅前まで乗車しました。
田崎橋で折り返す9200形 2007年1月6日 筆者撮影
この車両は、8200形の改良型でVVVF車になっています。
こうして、熊本市電に乗車しましたが、今年で築城400周年を迎える城下町の市民の足として活躍しています。またVVVFや超低床電車といった当時の最先端の技術を取り入れたということについては、特筆すべきことでしょう。
今も残るというふうに語られがちの路面電車ですが、この街では最先端の技術を取り入れ、さらに未来に向かって街とともに走り続けていくという意思が感じられます。これからも、熊本市民の足として走り続けていくことでしょう。
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コメント
こんばんは。
熊本では路面電車が結構健闘しており、最新型の低床車両(これも後の増備車は下回りなどに違いがありますね)も走っていて活気がありますが、路線バスとの平行区間が非常に多く、せっかくの路線をもっと生かすためには市電だけでなく電鉄もそうですが、バス路線の整理が必要な気がします。
新車導入だけでなくLRT構想なども持ち、市営バスの民営移管問題も抱えている熊本市ですが、鉄軌道・バス路線が今後どの様に変化していくかも注目ですね。
投稿: MAKIKYU | 2007.01.11 18:01
MAKIKYUさん、コメントありがとうございます。
熊本市民の足として親しまれている市電ですが、確かにバスと並行している区間があります。しかし、熊本も大きな都市で渋滞も発生している中、軌道敷内乗り入れ禁止が徹底されている状況ですので、定時性という面で市電のほうが有利であると思われます。
それだけ、熊本の街は活気があるということではないかと思います。
投稿: Kaz-T | 2007.01.12 00:32