秩父鉄道3000系さよならイベントに行ってきました
秋も深まった今日は、秩父鉄道の急行列車「秩父路」号で活躍していた3000系のさよならイベントが、三峰口駅で開催されました。
このイベントに行ってきました。
本日の「さよならイベント」における臨時急行列車を最後に運用を離脱した3000系 2006年11月25日 三峰口で筆者撮影
秩父鉄道3000系は、JRの急行型電車であった165系を購入し秩父鉄道で改造して1992年より運転を開始しました。秩父鉄道の有料急行「秩父路」号として活躍してきましたが、寄る年波には勝てず今回引退することになりました。今日は、さよなら運転が熊谷~三峰口で実施され、これを記念したイベントが秩父鉄道の終点、三峰口駅で開催されました。イベントの内容は、3000系さよなら記念スタンプラリーの記念品プレゼントに記念きっぷや鉄道部品の販売、地元の名産品販売といった内容でした。
本日運転された、熊谷発三峰口行き3000系の臨時急行「秩父路」号は急行券がすでに完売ということですので、まずは記念きっぷ類を手に入れるため、イベント開催1時間ほど前に西武線からの直通列車で三峰口に着きましたが、すでにイベント会場入口には列ができており、何の列なのか良く分からない状況でしたが、記念きっぷ類の列を見つけて並びました。
そして、11:00に開場となり、すぐさま記念きっぷを購入後、スタンプラリーの本日設置分のスタンプを押した後、記念品のポストカードを貰いました。スタンプラリー開催に気付いたのがつい数日前で、とても全箇所のスタンプを集める時間がなかったもので、23日に熊谷と羽生のスタンプを押してになりますので、ポストカード2枚セットのみになりますが、全部集めるとポスターなどももらえたようです。しかし、これはこれでよい記念になりました。スタンプラリー記念品引き換えで並んでいる時に、こんな物が置いてありました。
ずらりと並んだ「秩父路」号ヘッドマーク
3編成存在していた3000系に掲げられていた「秩父路」号のヘッドマークです。これらヘッドマークは本日の会場内でオークションが実施され、それぞれ高い値段をつけた人に渡されました。
さて、イベントは11:00から始まりましたが、熊谷からの3000系臨時急行「秩父路」号は11:58の到着でした。そこで記念きっぷやスタンプラリーの記念品引き換え後で、昼食としました。
会場で販売していた「さよなら3000系記念弁当」中身は幕の内弁当
会場内で販売していた記念弁当を食べた後、各種販売のブースを見てみました。秩父地方の名産品を各種販売していましたが、その中にこんなお店もありました。
秩父鉄道さよなら3000系イベント会場に出店していた「銚電のぬれ煎餅」
今月、ウェブサイトで電車の修理代もままならないという困窮した状況が報じられ、現在支援の輪が広がっている銚子電鉄の主力商品である「ぬれ煎餅」と「玄米あげもち」を会場内で販売していました。販売していた方のハッピには「秩父鉄道労働組合」と記されており、鉄道で働く者として助けようということで販売されていたようです。自分も弊ブログで銚子電鉄支援を呼びかけましたので、ここで「ぬれ煎餅」10枚入りを購入しました。すでに自分が購入していた時点で「ぬれ煎餅」は残り3袋の状況で、この会場を訪れた方々にも支援の輪が広がったのではないかと感じます。
このあと、到着する3000系列車を撮影するために線路向かいにある秩父鉄道でかつて活躍した車両を展示している「車両公園」に行ってみましたが、その場所で車両部品を各種販売しており、どんな物が売りに出ていたのかみてみました。
販売していた車両部品各種
今回気になり撮影したのが上の画像になります。「回送」はともかくとして、「臨時」裏返すと「各停」という3000系用のヘッドマークも販売していました。「回送」はもしかしてという気はしますが、「各停」というのは実際に間合い運用があったのか、この場所にいた秩父鉄道の係りの方にお聞きしたところ「車両のやりくりがつかなくなったときに3000系の各停が運転された」そうで、「社員の中でも見たことがある人はほとんどいない」という、ある意味幻のヘッドマークのようでした。
さて、こうしているうちに、ようやく3000系の臨時急行「秩父路」号が、三峰口に到着しました。
三峰口に到着する3000系臨時急行「秩父路」号
撮影会での展示のため入換中の3000系
その後若干の移動はありましたが、折り返しの熊谷行き臨時急行「秩父路」号出発までの間で撮影会が実施されました。
撮影会のため展示された3000系
本日運転された3000系臨時急行「秩父路」号は、前後で異なったデザインのヘッドマークがつけられました。
3000系の後任として急行「秩父路」号として活躍を始めた6000系と並べて展示された
3000系の後に急行「秩父路」号に使用される6000系と並べて展示されました。なお、6000系は西武鉄道の新101系を譲受し2ドア化・転換クロスシート化し前面に「急行 秩父路」と表示するLED表示器をつけるなどの改造を行なった車両で、西武線では通勤車であった新101系が秩父鉄道で優等列車急行「秩父路」号用の車両に変身しました。
この日の三峰口の様子
鉄道公園に向かう踏切から撮影しましたが、3000系の引退ということで、いつもならば秩父鉄道の主役とも言えるSL列車「パレオエクスプレス」C58 363も今日ばかりは脇役となってしまいました。
さて、3000系の臨時急行「秩父路」号の帰りは三峰口13:37発の熊谷行きです。この急行券は会場内で発売されました。これも購入する為に、記念きっぷ購入で並んでいる時に記帳して無事購入することができました。そして、この臨時急行「秩父路」号熊谷行きで三峰口を後にすることとしました。三峰口で出発前に3000系を撮影してみました。
元国鉄・JR101系である1000系各駅停車と並んで出発を待つ3000系臨時急行「秩父路」号
3000系臨時急行「秩父路」号 三峰口方先頭 3201
3000系臨時急行「秩父路」号 熊谷・羽生方先頭 3001
出発待ちの際、入換中のSL「パレオエクスプレス」C58 363が横を通過する
こうして13:37、ホーム上で秩父屋台囃子の演奏が最高潮になって3000系臨時急行「秩父路」号熊谷行きは、三峰口を出発しました。この列車が、秩父鉄道3000系最後の営業列車ということになります。
三峰口を出発すると、色付いた山々を見ながら鉄橋を渡り、秩父の街並みを過ぎ、長瀞の景勝地を走りぬけていきます。秩父鉄道3000系となった165系が通いなれた道です。沿線で待ち構えていた多くの鉄道ファンに見送られながら、列車は熊谷を目指します。そして山あいから田園地帯に入り、徐々に終着の熊谷が近づいてきました。外観は変わってしまったものの、その走りはかつて国鉄・JRで急行として、またローカル列車としても活躍していた165系そのもので、もうこの車両が引退してしまうことに感慨深いものを感じました。
そして、列車は15:03に終着である熊谷に着きました。
熊谷に到着した3000系臨時急行「秩父路」号
熊谷でも前後で多くの人が、3000系最後の雄姿を撮影していました。到着して乗客を降ろした後、すぐに回送で出発していきました。
秩父鉄道に渡った国鉄・JR165系の改造車として親しまれた3000系は、本日を持って全車運用を離脱しました。国鉄・JRでは晩年、急行列車は特急に格上げあるいは快速に格下げや廃止などで本来の優等列車からローカル運用や臨時列車などに充当されることになってしまった165系、秩父鉄道にやってきた車両は外観こそ変わってしまいましたが、急行列車として「急行料金」を徴収する文字通り優等列車として今日まで活躍してきました。それだけ、昔日の面影を求めに秩父鉄道を訪れた人もいらしたのではないかとも思います。
有終の美を飾った秩父鉄道3000系、最後まで優等列車「急行」として活躍したこの車両をぜひ記憶に留めようではないでしょうか。
画像は特記以外、2006年11月25日 三峰口駅構内さよなら3000系イベント会場で筆者撮影
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
TBありがとうございました。
会場の三峰口には同じ列車で到着したようですね。どこかですれ違っていたかもしれません。物品購入(ぬれ煎餅含む)、スタンプ記念品交換後は、パレオエクスプレス出発まで車両公園にいました。
会場前のごたごたが気になりましたが、物品販売が一巡した後は、天気にも恵まれてのんびり撮影が楽しめました。
帰りは6000系急行に乗ってきましたが、西武の通勤車のお下がりを感じさせない印象を受けました。固定ではありましたが、リクライニングシートは座り心地が良かったです。
投稿: テームズ | 2006.11.26 00:03
TBありがとうございます。
私もさよなら運転の往路(確か、羽生発でした・・・。)の急行券を購入できませんでした。復路については、必ず乗車することを目標に、朝一番の三峰口行1列車で、会場に乗り込みました。既に部品販売については、24日の昼前には一番乗りの方がいたようですが(爆)、記念入場券・乗車券、そしてファイナルラン乗車用の(特別)急行券を、無事手に入れることができました。急行券については、往路の乗客にも購入のチャンスを与えるためか、12:30発売開始でしたが、事実上購入は不可能だったのではないかと思われます。
秩父鉄道3000系で忘れられないこととして、正面の「愛称表示板」による多彩な優れたデザインのヘッドマークがあげられます。今までに「開運号」や「芝桜号」など、いくつもの特別なヘッドマークが見られましたが、今回のさよなら運転における「秩父路」をアレンジした先頭部や、往路の「さよなら」や復路の「ありがとう」と書かれた最後尾のヘッドマークは、LED表示の6000系などでは行えない表現であり、近年のものとしてはかなり秀逸ではないかと、思っています。
私用で秩父に行くことがよくあり、見かける機会も多かった3000系ですが、もう少しまじめに追いかけるべき車両であったと、今更ながら後悔しています・・・。
投稿: 栃木路快速 | 2006.11.26 00:05
こんばんは。先程TBを送信させていただきました。
昨日は、お金と時間が無かったために、特別急行列車の始発駅、羽生で撮影を行いました。本当はイベントに行きたかったのですが・・・。165系の面影を残す3000系の引退は、本当に残念です。
投稿: でんしゃ | 2006.11.26 00:54
運用離脱車のうち1両(車番忘れた)が車体を半分カットされてラーメン店になったらしい・・・
投稿: F02 | 2006.11.26 10:06
国鉄型でも、101より165系が先に逝くとは意外でした。いよいよ101系の貴重性が高まりますね。でも、MT46の音は好きです。
Primera
投稿: Primera | 2006.11.26 23:14
コメントいただきまして、ありがとうございます。
テームズさん>
私も、会場内の記念きっぷやら急行券の購入、さらにその間で撮影もやってなんだかあわただしいイベントでした。
6000系は見た感じリクライニングはしそうですが、回転までしないというのは意外でした。やはり元国鉄・JR急行型電車、3000系の方が優等列車としての風格があったということでしょう。
栃木路快速さん>
朝早くから、お疲れ様でした。
自分が三峰口に着いたときには、すでに長い列がありどの列が何の列なのか、良く分からない状況で若干の混乱がありましたが盛況なイベントであったと思います。
3000系のヘッドマークは、臨時列車の際各種特製のヘッドマークが登場していましたが、今回のイベントにおけるオークションで出展されたヘッドマークを見て、ようやくその構造が理解できました。
秩父鉄道では優等列車として活躍した、元国鉄・JR急行型電車の引退は残念に思います。
でんしゃさん>
トラックバックもいただきまして、ありがとうございます。
羽村で撮影されたとのことですが、この日は沿線には多くの人が最後の3000系の姿を記録しようと多くの人が訪れていました。私も同じく引退は残念に思います。
F02さん>
すでに引退した車両の中に、そのような形で活用されているのがあるのですね。場所さえ分かれば機会がありましたときに、行ってみたいと思います。
Primeraさん>
秩父鉄道には元国鉄・JR101系も存在していますね。確かに元165系の引退が先とは意外に思います。1000系になった元国鉄・JR101系については、1日も長きに渡って活躍し続けてほしいと思います。
投稿: Kaz-T | 2006.11.27 06:02
熊谷行きの秩父路号にご乗車されたようですね。いかがでしたか?私も6年ぶりに165系の乗り心地を味わいたかったのですが,上長瀞の荒川鉄橋での撮影などを優先させたため,私が三峰口に着いた際は,買えませんでした。この車両はデッキがあり,全てクロスシートなので,旅模様が味わえることに最大の魅力があるのではないかと思います。それに当日は紅葉の秩父の山などの風景だったので,この上ない旅情が満喫できたのではないでしょうか・・・
やはり秩父路号は,東京から見れば,熊谷にわざわざ出るよりも池袋から西武池袋線に乗車して,特急レッドアローなどで行くのが便利なので,存在感が薄くなってしまうのではないでしょうか?現在の秩父路号の車両が西武の通勤車両の改造では,あまり優等料金を取る列車には見えません。今後の秩父路号は,どのようにしていくかどうかということも気になります。
投稿: 特急あらかわ | 2006.11.28 21:29
特急あらかわさん、コメントありがとうございます。
元急行型電車165系から改造の秩父鉄道3000系も、ついに引退してしまいました。最後まで優等列車として活躍したと言う点で、姿は変わってしまっても人気があり、昔日の面影を求めにきた方もいたのではないかと思います。
秩父へは、東京からですと西武池袋線・秩父線経由「レッドアロー」が便利で、熊谷乗換えで訪れる人はそれほど多くはないかと思います。
確かに後継の6000系は、元西武の通勤車新101系からの改造ですので、優等列車としてはどうか、という気もします。
投稿: Kaz-T | 2006.11.29 19:49
こんばんは。帰りの熊谷行きに乗れたんですね。すでに行きの分が完売したとのことで、今回は最初から諦めて外からの写真撮影に集中しました。
旧国鉄の急行型車両も、晩年は普通列車に格下げされるなど本来の使われ方とはかけ離れた形になってしまいましたが、その点では、秩父鉄道に転属した車両は、急行列車として本来の姿で運用をすることが出来ました。その点では幸運な車両と言えそうですね。
投稿: mattoh | 2006.11.30 23:10
お邪魔します。
元国鉄急行型の味わい深い車両の引退は惜しいものがあります。この3000系をもう少し早くから追いかけていれば・・・と感じましたね。本来の急行運用だけでなく、季節ごとの臨電では特製ヘッドマークを取りつけ楽しませたり、最後には花道を企画した秩父鉄道関係者の皆様には感謝の気持ちで一杯です。
管理人さんは復路にご乗車されたようですね。私も復路に乗車しましたが、急行券は早い順番だったものの乗車は出発ギリギリだったので、私はデッキで最後を楽しみました。
投稿: 虹色 | 2006.12.01 07:11
コメントいただきまして、ありがとうございます。
mattohさん>
トラックバックもいただきまして、ありがとうございます。
秩父鉄道に渡った165系は、最後まで優等列車「急行」として活躍しました。おっしゃるとおりで、旧国鉄急行型電車の晩年はローカル運用や波動輸送用と地味な役回りになることが多かったのですが、この車両は最後まで優等列車として活躍できた幸運な車両であったかと思います。
虹色さん>
元国鉄急行型電車165系からの改造で、姿は変わってしまっても最後まで優等列車「急行」として活躍していたのが、秩父鉄道の3000系でした。季節ごとに各種のヘッドマークが登場したことも、今となっては思い出になってしまいました。
私は、何とか復路の熊谷行きに乗車しましたが、記念きっぷ類の購入とこの臨時列車に乗車する為に急行券確保で並び、その間で撮影もしましたので、なんだかあわただしいイベントになってしまいましたが、秩父鉄道で活躍した元165系の最後の活躍のシーンに立ち会うことができたのが、何よりであったと思っています。
投稿: Kaz-T | 2006.12.01 23:36