「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」に行ってきました
ついに10月に突入しました。
鉄道ファンが1年で最も忙しい?時期になりました。この時期は10月14日の「鉄道の日」を前後して各地で多彩なイベントが開催されます。今日は、そのトップとして毎年恒例、西武秩父線横瀬駅構内で開催される「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」に行ってきました。
「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」で展示された、かつて西武の貨物輸送を支えた機関車達。 2006年10月1日 筆者撮影
毎年10月の「鉄道の日」に合わせて開催される「西武トレインフェスティバル」は、西武秩父線の横瀬駅構内で開催されます。ここはかつて、秩父地方で産出されたセメントを運ぶ貨物列車を牽引する機関車の基地でしたが、貨物廃止後は一部を留置線として使っています。その一方で、この地にかつて西武の旅客・貨物輸送を支えた車両が保存されており、毎年鉄道の日のこの時期に公開されます。
さて、西武のイベントでは必ずといっていいほど会場までの臨時列車が運転されます。このイベントも例外ではなく毎年嗜好を凝らした臨時列車が運転されます。今年は20000系8両編成にヘッドマークをつけて池袋~横瀬まで快速急行で運転されました。
今年の「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」に伴う臨時列車に充当された20000系 2006年10月1日 池袋で筆者撮影
「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」に伴う臨時列車に掲げられたヘッドマーク
この臨時列車を池袋で撮影後、一旦新宿へ戻り再度池袋から特急で横瀬へ向かいました。
横瀬駅から数分歩いて会場に入りますと、臨時列車として使用された20000系が留置され、すぐ近くで撮影することができました。
留置中の「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」臨時列車20000系(右)
留置中の臨時列車もこのように撮影できましたが、その隣に写っている新101系は「ユネスコ村・大恐竜探検館」のラッピング電車で昨日で閉園となった「ユネスコ村・大恐竜探検館」をPRする列車として9月から狭山線で運転されていました。
昨日まで狭山線で運転されていた「ユネスコ村・大恐竜探検館」閉館をPRしたラッピング電車 なお、方向幕は時々変えられていた
この留置車両を撮影後は、メインの機関車の展示です。
西武鉄道で現役の機関車E32 主に工事列車に使用される
入換用に使われたディーゼル機関車 D16
貨物輸送で活躍した電気機関車 E71 この機関車はアメリカ製で国鉄時代の塗装及びナンバープレート「ED10 2」に復元されている
このイベントでは、D16とED10 2さらには貨車を使った連結の実演も行なわれていました。
倉の前に勢揃いした保存機関車
イギリスで製造されたE43
アメリカで製造されたE61
スイスで製造されたE52
西武鉄道ではかつて、貨物輸送に国鉄から払い下げられた旧型電気機関車が使われました。これら機関車はいずれも明治・大正の時代に外国から輸入されてきた機関車で、いずれも今となっては貴重な機関車です。鉄道の日は我が国で初めて鉄道が開業した日を記念して制定されましたが、我が国の発展に貢献した機関車がこのように展示されるという点で、「鉄道の日」のイベントとして大変意義の深いものになっています。
さて西武鉄道は、1969年に当時終点だった吾野から西武秩父まで、秩父線を開通させました。この時、秩父地方で産出されるセメントを運ぶ為、秩父線の急勾配に負けない機関車が4両製造されました。
秩父線開業に伴い貨物輸送用に導入された電気機関車 E851形 現在保存されているE854
この機関車は当時の国鉄EF60をベースとして製造され、民鉄で唯一のF級機関車でした。オレンジとクリームのツートンに丸窓といったスマートな外観で人気がありました。しかし、民鉄の電気機関車としてこの機関車は生涯を貨物列車、主に秩父地方で産出されるセメントを積んだタンク車を牽引していましたが、1997年で貨物列車は廃止となりました。その後実施されたさよなら運転は、この機関車がJR12系客車を牽引して行なわれ有終の美を飾りました。その後この1両、E854が保存されています。
さて、E854の隣では懐かしい電車が展示されていました。
西武の電車の基礎となったモハ505
この車両はモハ501形と呼ばれ、1954年に導入されました。この当時流行した「湘南型」の前面をしています。西武鉄道ではこの車両を皮切りに長きに渡り「湘南型」前面が使用され、西武の電車の基礎となった車両でもあります。モハ501形は末期にはクモハ351形と改称され、多摩湖線国分寺~萩山で1990年まで運転していました。
このあと倉を抜けて、もう一つの展示会場でこんな車両が展示されていました。
4号蒸気機関車
この機関車は、西武鉄道開業時の機関車なのでしょうか、大変状態は悪いです。なお、今年の「西武とレインフェスティバル」の臨時列車のヘッドマークに描かれた機関車です。
このSLの隣には、1969年の秩父線開業時にデビューし、西武鉄道の看板列車として活躍したあの車両が展示されていました。
秩父線開業時に登場した先代の特急「レッドアロー」5000系
秩父線開業時に設定された特急列車用にデビューした先代の「レッドアロー」5000系です。翌1970年のブルーリボン賞を受賞したこの車両は、その後西武の看板列車として活躍しました。現在、一部の車両が富山地方鉄道で活躍しています。
前面がどこか寂しげに思えますが、これは前面に「特急 ちちぶ」などのヘッドマークが付けられていないためです。そのヘッドマークは、倉の中で展示されていました。
倉の中で展示された、5000系「レッドアロー」用のヘッドマークとかつての電車に付けられたサボ
倉の中では、各種グッズや模擬店なども出展していて盛況でした。また、廃車部品の販売もありましたが、そのこーナーにこんなものがありました。
倉の中におかれていた先代のレッドアロー5000系の前頭部
5000系レッドアローデビュー当時は保存されている車両のような方式ですが、後年電照式になりました。この前面は引退直前の姿になっています。
こうしている間に外は雨が降ってきたことから、この会場を昼過ぎに退散しました。この外にも貨車の展示がありましたが撮影はできず、特に貨物列車の最後尾に連結されていた緩急車が、先代のレッドアローのさらに先に展示されていたのを帰りの電車の車窓から気づいたと言う状況で、ここ数日多忙だった疲れからなのかどうかはわかりませんが、惜しいことをしたと思いました。
こうして「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」は、今年も盛大に開催されました。今となっては貴重になった輸入機関車や西武の歴史を飾った名車が展示された充実した内容でした。
これからも、鉄道の日のイベントとして継続した開催を期待したいところです。
画像は特記以外 2006年10月1日 「西武トレインフェスティバル2006in横瀬」会場で筆者撮影
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