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2006.09.21

時代を先取った電車の音を聞け!弘南鉄道大鰐線

東北・津軽地方旅行の最終日となった9月19日はお休みを頂いて、弘前の中心地に近い中央弘前から大鰐を結ぶ弘南鉄道大鰐線に乗車しました。

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弘前の中心市街地に近い中央弘前駅に停車中の弘南鉄道大鰐線 車両はここでも元東急7000系が主力 2006年9月19日 筆者撮影

さて、弘南鉄道大鰐線に中央弘前から乗車しました。乗車するのは、中央弘前8:12発の快速大鰐行きです。先の画像の7000系が出発して数分後の到着しましたが、その前から明らかに7000系とは違う怪音が聞こえてきました。そして、快速列車が到着しました。

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折り返し8:12発の快速大鰐行きが到着 車両は元東急6000系 2006年9月19日 中央弘前で筆者撮影

到着した車両は、元東急の6000系と呼ばれる車両です。この車両は1960年に製造され、セミステンレスの車体に、1台車1モーターという駆動方式で、また東急では初めての回生ブレーキを搭載した省エネ電車でした。
試作的要素が強かったためかわずかに20両しか製造されず、末期になると一部の車両はVVVF試験車に改造されていたそうです。東急では1990年までに廃車となりました。この中から4両が弘南鉄道に7000系とともにやってきて大鰐線で運用されています。現在、大鰐線で快速に限定運用されています。

私は、この車両の東急時代の姿は見たことはあるのですが、乗った記憶はありません。

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2006年9月19日 中央弘前で筆者撮影

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出発を待つ6000系 2006年9月19日 中央弘前で筆者撮影

では、この列車に乗車します。大鰐線は中央弘前を出ると住宅地を走りますが、やがて津軽平野の田園地帯そしてりんご畑の中を走ります。列車は快速列車ですが、結構大きな音を唸らせながら走行します。また車内は十分に着席できる状況で、乗っていたのは高校生で、快速停車駅の某高校最寄駅でみんな降りてしまいまして、終点の大鰐まで乗車していたのは自分1人という状況でした。その走行中に車内の様子を撮影してみました。

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6000系車内の様子

こうして、6000系の快速は終点の大鰐に到着しました。

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大鰐に到着した6000系 2006年9月19日 筆者撮影

到着後、撮影してみました。

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6000系の側面 2006年9月19日 大鰐で筆者撮影

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停車中の7000系 2006年9月19日 大鰐で筆者撮影

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7000系 2006年9月19日 大鰐で筆者撮影

こうして、大鰐線に渡り今も活躍している元東急6000系に乗車することができました。当時は最先端の技術を搭載した意欲的だった車両も、その特異性から量産はされずその後は地味な生涯を送った東急6000系、それでもこうして地方の私鉄で第2の活躍の場を与えられたという点で貴重な車両であり、これからも活躍に期待したいところです。

この記事をご覧の方で、地味な生涯を送りながらも、津軽平野で第2の活躍をしている東急6000系の活躍の姿を見に行かれてみてはいかがでしょうか?


<メモ>
弘南鉄道大鰐線へのアクセスですが、中央弘前駅はJR奥羽線・弘南鉄道弘南線弘前駅からは離れており、徒歩約20分ぐらいかかります。また立地も市街地の中心に近いといっても分かりにくい場所にあり、アーケード街に「弘南電車乗り場」の案内がありますので、見逃さないように目指してください。または弘前駅からタクシーを利用されるのが無難かもしれません。
一方、大鰐駅はJR奥羽線大鰐温泉駅に隣接しています。

今回記事で紹介しました6000系の運用ですが、以下の列車で運転されています。

大鰐7:45発快速→中央弘前8:07着
中央弘前8:12発快速→大鰐8:37着

なお、この快速列車は土・休日、及び沿線の学校の長期休業日(春休み・夏休み・冬休み期間)は運休となります。訪れる際はご注意ください。また乗車される場合は、前日に弘前あるいは大鰐に宿泊されることをお勧めいたします。

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コメント

★ 白神山地へ行くのに経由したんですが、
  残念ながら、撮影する事が、、、
  家族を率いていたもので、、
  出来なかったのです。。。

投稿: SDTM | 2006.09.21 23:23

 ご無沙汰しております。
 昨年私も乗りに行きましたが確かに中央弘前駅は行きにくい場所にありますね。
 時間帯によるのかもしれませんが弘前駅からなら100円の市内循環バスを利用するのがよいのではないでしょうか?「土手町循環」系統で中土手町バス停で下車すればすぐ近くでした。

投稿: ove250 | 2006.09.22 00:31

いいですねえ。
しかし、直角カルダンの性としてどうしてもギアの切削補修が出てきます。その時期になると、さすがに45年前のくるまですからねえ。大切にお使いの由、感心しましたが、これは早めに行かないと・・・

投稿: デハボ1000 | 2006.09.22 14:13

こんばんは。
6000系に乗車されたのですね! ということはあの独特な走行音を堪能されたのでしょうか。
私はこの車両が東横線の急行に使われているときに乗ったことがあります(1980年頃)。私は小学生でした。

投稿: さすらいの8143 | 2006.09.22 18:44

はじめまして。
私も3月に乗ってきました。

東京からですと、横浜・品川・浜松町発のノクターン号、上野発のパンダ号の夜行バスに乗ると弘前には7時ごろに着くので、8時12分発の快速に乗れます。

投稿: もとさや | 2006.09.22 20:52

弘南鉄道の6000系に乗車できる機会に恵まれて、うらやましい限りです(^^)。一度は乗っておきたい車両ですね。

私も今年8月に大鰐と弘前を通り、7000系を見ることができましたが、今でも導入当初の赤帯車が残っていることに、実は少々驚いております。1997年頃?から、この記事の6000系のような青帯車が登場し、今後は青帯に統一されるような話を、どこからか聞いていたことがありましたので・・・。

ともあれ、これからも活躍を続けてほしい車両達です。

投稿: 栃木路快速 | 2006.09.22 21:40

コメントいただきまして、ありがとうございます。

SDTMさん>
家族連れとなりますと、途中で撮影というわけにはいかないかと思われますが、東急の7000系や6000系も活躍している大鰐線、機会がありましたときは、訪れてみてはいかがかと思います。

ove250さん>
中央弘前駅のロケーションについての補足をありがとうございます。弘前駅からですと必然的にバス利用が便利で、利用もしやすいと思いますが、やはり駅から離れたところに最寄のバス停はあるようですので、降りてから少々迷うかもしれません。
ちなみに自分は今回、前日22時ごろに弘前に到着し、8:12発の快速に乗車するため中央弘前駅近くのホテルに泊まったため、駅からホテルまでタクシーを利用しました。

デハボ1000さん>
東急6000系は、初期の高性能車であることと試作要素も多分に含まれていること、直角カルダンに1台車1モーターという独特の使用であることから、おそらくは譲渡対象でなくとも部品取り用で数両の6000系が弘南鉄道にやってきたようで、沿線でその車体が倉庫として活用されている姿を目撃しています。今後保守面で維持できるのかという点は疑問であり、今現在は朝の通学時間帯限定の快速列車で使用されていますが、今後の情勢如何では、いつの間にかという事態も想像できますので、思い立った時に訪れておくのが得策であると思います。

さすらいの8143さん>
私は、東急時代の6000系はこどもの国線の予備車となっている姿を見た覚えはあるのですが、乗車した記憶はありません。それこそ、さすらいの8143さんが小学生時代に東横線で急行として運転されていた時代に乗車されていたとは、羨ましくも思います。この車両の走行音は弊ブログでは「怪音」と表現しましたが、独特なものがあり、津軽平野の水田地帯・りんご畑の中を唸りを上げながらのシーンを十分に堪能してきました。よくぞ、この地で生きていたと感じました。

もとさやさん>
弊ブログにようこそお越しくださいました。補足いただきまして、ありがとうございます。
夜行高速バスには気付きませんでした。確かに、このルートでしたら東京を前日の夜に出発しても翌朝の中央弘前8:12発の快速に間に合いますね。行程的にはハードになりますが、リーズナブルな値段で行けるという点で、利用価値大であると感じます。

栃木路快速さん>
今回の旅行で、元東急6000系に乗車することができました。わずか20両しか製造されなかった車両でしたが、こうして今でも地方私鉄で活躍しているとあって貴重な車両であると思います。

弘南鉄道の前面の帯について、赤から青へ変更しているということですね。弘南線でも大鰐線でも赤帯の7000系は目撃しましたし、6000系ももう1編成は赤帯でした。今後どうなっていくのかは気になりますが、いずれにしましても東急6000系や7000系が活躍している弘南鉄道、この地を訪れた際は乗車しておきたい路線であると思います。

投稿: Kaz-T | 2006.09.23 00:23

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