ここに古里がある 津軽鉄道
東北・津軽旅行記、2日目の9月18日は五所川原15時12分発の「リゾートしらかみ4号」に乗車するのですが、その乗車前に五所川原から出発する津軽鉄道に乗車してみました。
津軽鉄道の主力車両 津軽21形気動車 2006年9月18日 津軽五所川原で筆者撮影
津軽鉄道は、JR五能線の五所川原駅に隣接している津軽五所川原から津軽中里をむすぶ全線非電化の路線です。通常は1両編成の気動車で運転されますが、この日乗車した時は2両編成になっていて後ろの車両は団体専用車両になっていました。
出発を待つ 津軽21形 2006年9月18日 津軽五所川原で筆者撮影
津軽鉄道は、津軽五所川原を出るとすぐに、長閑な田園風景の中を、ときおり姿を現す林の中を走ります。風景的には単調な路線ではありますが、その風景はかつて日本のどこにでも見ることができたローカル線の風景であり、初めて乗車した路線でもどこか懐かしさを感じさせます。
途中の金木駅で団体さんは下車しました。金木駅周辺は、この地で生誕した文豪・太宰治の生家や津軽三味線発祥の地として最近売り込んでおり、「リゾートしらかみ号」からの観光地としてパンフレットなどにも掲載されています。その観光地へ向かうために、津軽鉄道体験乗車も含まれているのでしょうか?その後は閑散した車内になり、終点の津軽中里に着きました。
津軽中里に到着し折り返し出発待ちの津軽21形 2006年9月18日 筆者撮影
津軽中里駅はスーパーと一体になった駅舎で、駅員さんもいました。ここで、折り返しの出発前に各種記念乗車券や使用済みの乗車券(10枚入りで100円)といったものまで売っておりましたので、記念に購入しました。そして、折り返しの津軽五所川原行きに乗車して戻りました。その途中、行きの車内から注目したものがありました。それは津軽五所川原到着直前の前方に見えてきました。
津軽五所川原駅にある信号機 2006年9月18日 津軽五所川原行き列車車内から筆者撮影
この日は天気が悪く、前面ガラスも一部曇っている状態でしたが、この鉄道では今も「腕木信号機」が現役で存在していました。交通博物館や各種モニュメントなどで見たことはありますが、まさか21世紀の今日でまだ現役の「腕木信号機」が残っていたとは驚きました。
こうして、津軽五所川原に戻りましたが、この駅に留置中の車両を撮影してみました。
留置中の元国鉄・JRのキハ22形気動車 2006年9月18日 筆者撮影
現在では津軽21形が主力になっており、このキハ22をはじめとする元国鉄型の気動車が運行されることがあるのかは不明です。また、途中駅などには倉庫代わりに、あるいはただ単に放置され朽ち果てた状態のものもありました。
さて、津軽鉄道では、各季節ごとに嗜好を凝らした列車を運行しています。今の季節は「鈴虫列車」として、車内で鈴虫の声を聞くことができるという列車です。その津軽鉄道で全国的に有名なのは、あと数ヶ月後に到来する冬の季節に運転される「ストーブ列車」です。客車にダルマストーブを搭載して走るこの列車は津軽鉄道の名物といえる列車です。「ストーブ列車」に使用される車両も留置していましたので、撮影しました。
ストーブ列車に使用される客車 元国鉄オハ46 2006年9月18日 津軽五所川原で筆者撮影
ストーブ列車牽引のディーゼル機関車は倉の中に留置 2006年9月18日 津軽五所川原ホームから筆者撮影
今の季節は走りませんが、厳しい冬が来るとストーブの温もりを求めて多くの観光客が訪れる列車です。
こうして、津軽鉄道に乗車しました。沿線は過疎化が進み、利用客も減っている状況ではありますが、JRの「リゾートしらかみ号」にあわせて観光客を誘致し、ストーブ列車など嗜好を凝らした列車を運転し、沿線の長閑な風景とあわせて観光列車として生き残りを図ろうとしているように感じます。
これからも、ますます厳しい状況になるかと思われますが、古里を感じさせる津軽鉄道、これからも走り続けてほしいものです。
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