開館20周年 地下鉄博物館に行ってきました
今日は、今月12日で開館20周年を迎える「地下鉄博物館」に行ってきました。
地下鉄東西線葛西駅高架下にあるこの施設は、我が国初の地下鉄をテーマにした博物館で、各種展示などで地下鉄のことが良く分かる施設になっています。
地下鉄博物館の入り口 2006年7月9日 筆者撮影
では、早速入ってみます。駅にあるのと同じ券売機で入館券を買い、駅と同じ自動改札を通過するとそこは「地下鉄の歴史」コーナーです。まず、こんな光景に出くわします。
地下鉄博物館の目玉 「地下鉄の歴史」コーナーに展示されている車両 丸ノ内線開業時の301号車と我が国初の地下鉄1号車 1001号 2006年7月9日 筆者撮影
地下鉄博物館の目玉というべき、東京の地下鉄の歴史に残る車両が展示されています。
地下鉄博物館に入場して、まず目に入るこれら車両をそれぞれ撮影してみました。
戦後初めて開通した丸ノ内線の開業時の車両 300形 301号 2006年7月9日 筆者撮影
戦後の復興がなった東京で開業した丸ノ内線の車両300形の第1号車です。デビュー当初から赤の車体に白いライン、そしてサインカーブが入ったこの車両は、当時の最先端の車両で長らく丸ノ内線の車両として親しまれてきました。引退後この車両は中野富士見町にある車両基地で保存されていたそうなのですが、2003年の地下鉄博物館リニューアルに伴いこの地に移され保存されています。
我が国初の地下鉄車両 1001号車 2006年7月9日 筆者撮影
我が国の地下鉄は、1927年に上野~浅草間で開業しました。その当時の第1号車です。1960年代まで銀座線で運転され、廃車後は交通博物館で展示されていましたが、地下鉄博物館開館時にこの地に移され、デビュー当初の姿に復元されています。
地下鉄第1号車の付近では、地下鉄開業当初を伝える各種展示がされています。
復元された地下鉄開業当初の改札
地下鉄開業当初は全線均一運賃であったことから、このようなターンバー式改札機が導入され、硬貨を脇の箱に投入するとバーが回転して通行できるという仕組みです。今日の各駅で設置されている「自動改札機」の祖先ともいうべきものです。
1001号車の脇では開業当初の上野駅ホームの様子が再現されている
開業当初に使用されていた「打子式ATS」装置
地下鉄開業当初は、やはりこの当時の最先端技術が導入され、車両はこの当時はまだ一部木を使っていた部分が多くあった時代に全鋼製の車体となったほか、ATS装置も導入されました。この状態は「停止」状態で、手前の白く起き上がっている部分が、台車の部分に当たることにより自動的にブレーキがかかるという仕組みになっています。このATSは約10年ぐらい前まで東京では銀座線と丸ノ内線で使用されていました。
さて、博物館の中へ進みますと「地下鉄をつくる」コーナーになります。地下鉄のトンネルがどうやってつくられるのかが模型などで展示されています。
トンネルをつくる方法の1つ「シールド工法」の様子を表した模型
その先には「地下鉄をまもる」コーナーで、地下鉄の安全についての紹介や各種設備などが展示されています。
「地下鉄をまもる」コーナーにある実物大の単線シールドトンネル
さらに進みますと「地下鉄車両のしくみ」というコーナーがあり、地下鉄の車両がどのような仕組みで走るのかが分かる展示があります。
「地下鉄車両のしくみ」コーナーの様子
この場所では、画像に写っている車両の運転席で操作すると、手前の台車の車輪が回転して、モーターの回転やブレーキ動作の仕組みがわかるようになっています。またここで登場している車両は、1939年に今の銀座線・渋谷~新橋を開業させた「東京高速鉄道」が導入した100形129号という車両で、ここでは車体の半分しか残っていませんが、その当時を伝える展示でもあります。
さて、「地下鉄車両のしくみ」コーナーの向かいでは「地下鉄博物館20周年」を記念した特別展が開催されていました。20年の地下鉄博物館の歴史を振り返るとともに、この当時「営団地下鉄」と呼ばれていた時代の展示がありました。
特別展示 かつて、車両に付けられていた「営団地下鉄」のマーク
特別展示 日比谷線で活躍していた3000系のヘッドライト部とナンバープレート、及び東西線5000系の運転室内に設置されていた「快速」表示幕
特別展示 営団地下鉄時代 各駅の入り口に掲げられていた営団地下鉄のマーク各種
さて、特別展示のコーナーから先に進みますと「地下鉄プレイランド」というコーナーになります。ここに、地下鉄博物館のもう1つの名物といえるモノがあります。
千代田線6000系の実物大「運転シミュレーター」
地下鉄博物館開館時から存在する人気の設備「運転シミュレーター」です。千代田線6000系の実物大レプリカで、前面には大型スクリーンに千代田線の走行区間が映し出されるという装置です。この他にも簡易型のシミュレーターが設置されていますが、この装置は実物を運転しているのと同じ感覚が体験できるということで人気になっています。
この向かいには、地下鉄博物館でも「パノラマ模型」があります。
地下鉄博物館の模型パノラマ「メトロパノラマ」
かつての営団時代の車両から現在の東京メトロの車両新旧色とりどりの車両が、地下空間を模したレイアウトを走ります。やはりここではお子様に人気の場所になっています。
またそのほかにも、東京メトロの新旧車両の模型が各種展示されています。
各種展示されている模型
今となっては見ることができなくなってしまった車両も、このように模型で展示されています。
地下鉄博物館の内部はこれで以上となりますが、開館して20周年ということで記念パスネットが発売されています。
地下鉄博物館20周年記念パスネット 筆者所蔵
このパスネット自体は東京メトロ各駅で発売されましたが、地下鉄博物館の売店で購入した場合に限り台紙が付いてきます。
そして、地下鉄博物館を後にするのですが、出口でこんなモノを頂きました。
地下鉄博物館開館20周年を記念して配布されたキーホルダー 筆者所蔵
このキーホルダーは、開館20周年を記念して先着10,000名様限定で入館券と引き換えに配布されるもので、今度の週末まで残っているかどうかはわかりません。
東西線葛西駅の高架下にオープンした「地下鉄博物館」は、地下鉄に特化した鉄道をテーマにした博物館として早くも20周年を迎えました。
すでに開館当初の博物館の展示を見て育った子供が、成人になった時代となりました。
東京をはじめとして大都市の大動脈として、地下空間を網の目のように張り巡らされた路線網を走る地下鉄の全容を分かりやすく掴むことができる施設として、これからも人々に親しまれ各種資料などの更なる充実に期待したいところです。
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コメント
わが地元へようこそ!(笑)
そうですね。ここの博物館は鉄道や電車のことばかりでなく、トンネルそのものの構造・施設関連や、トンネルの掘削などの土木技術関連のことまで詳しく展示・解説してあるという、他の鉄道系博物館にはないものがあることが魅力であったりします。
ここの博物館も時々色々な特別展をやってますので、今回だけでなく、是非何度も足を運んで来てやって下さいませ。
投稿: あしがら&さがみ | 2006.07.14 22:27
あしがら&さがみさん、コメントありがとうございます。お邪魔させていただきました。
さて、開館20周年を迎えた地下鉄博物館は、おっしゃるとおりでトンネルの掘削などの土木技術など、地下鉄特有の展示があることが、大きな特徴であると思います。
今回は20周年の特別展でしたが、これから注目すべき特別展がありましたときは、また葛西まで出向いてみようかと思います。
投稿: Kaz-T | 2006.07.16 00:29
実は、Kaz-Tさんのこちらの記事を見て、我が家も行ってきました!(笑)
特別展のコーナーは小さかったですが、貴重な資料なども見れて楽しめましたし、我が家のような子連れにはうってつけの親子イベントに合わせて来場したので、館内スタッフの方の優しい気遣いに触れたり、無料グッズを頂いたり…充実した時間をすごせました。
…ですが、やはり子どもと一緒ですと、館内展示物をゆっくり見学できませんので、Kaz-Tさんのレポートはとっても興味深かったです!
営団3000系の模型、息子も釘付けでしたよ(ピカピカ具合が強そう?だったらしいです)私も懐かしい車両模型が見れて嬉しかったです。
投稿: なな☆ | 2006.07.16 02:49
なな☆さん、コメントとトラックバックをありがとうございます。
この記事は、弊ブログのサーバーの不具合及びメンテの関係で一旦暫定アップの後、本記事に再度更新を行ないました。ご迷惑をおかけしました。
この博物館も、地下鉄のことが良く分かる施設であるとともに、お子様連れでもシミュレーターやパノラマ模型など楽しめる内容になっていますので、気軽に何度でも訪れて見たい場所であると思います。
20周年のイベントで、お子様むけのいろいろな企画があったのですね。
投稿: Kaz-T | 2006.07.17 00:44