京阪電鉄が生んだ異色の通勤車 5000系
京阪電鉄の旅行記はまだ続きます。
京阪電鉄の一般通勤車は、2200系などからなる丸みを帯びた車両や、独特のフロントデザインで一世を風靡した6000系など多彩な車両が走っています。そんな中、今回話題としますのは5000系です。
まずは、京阪5000系のビジュアルをご覧下さい。
京阪5000系 5607 2006年4月2日 枚方市で筆者撮影
京阪5000系は、昭和40年代に沿線開発が進み、ラッシュ時間帯の混雑が激しくなってきたことから、その対応として導入されました。
この車両の特徴はなんといっても片側に5つドアがあるという車体で、扉の数を増やしてラッシュ時間帯の混雑緩和と停車時間短縮を狙った構造です。今日では、首都圏の山手線などに連結されている6ドア車といった、多ドア車のはしりともいえる車両です。このようにラッシュ対策で多ドア仕様で導入してしまいますと、デイタイム時や土・休日ではその分座席が減ってしまいサービスダウンとなってしまいますが、京阪5000系ではラッシュ時間帯が過ぎますと、2番目と4番目の扉を締め切りとして、この部分にはラッシュ時間帯ではドア上に格納されている座席が降りてきて、実質上は通常の3ドア車として運転することができるという仕掛けがなされています。なお、デイタイム時間帯で締め切るドアには「ラッシュ用ドア」と表示されていて、外観でも見分けが付くようになっています。
本日は日曜日でしたので3ドア扱いで運転されていた5000系、ラッシュ時間帯とデイタイム時の運用を両立できたユニークな車両であると思います。
今でも、ラッシュ時間帯においては5ドアフルに活用してスムースな乗り降りに貢献している5000系、異色の存在ながら今でも十分にその思想は通用しているのではないかと思います。京阪の一般電車に乗車された際に5000系が来ましたら、ぜひこの車両の独特な構造に注目してみてはいかがでしょうか?
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コメント
5000系は、確か京阪で最初のアルミ製の車体を持つ車両です。
初めてなので、押し出し技術が、まだ技術不足で、全体的に角ばったスタイルになったと聞いたことがあります。
朝ラッシュ時後の、淀屋橋駅での折り返し時にイスが下りてくる状態をみて感動していました。
あれは、圧巻です。
子供心に「技術の京阪」とイメージしてましたから。
投稿: がいや | 2006.04.06 14:49
がいやさん、コメントありがとうございます。
幼いころの電車の本で、京阪の電車でテレビカーの次に知ったのがこの5000系でした。なにしろ片側5つもドアがあるという異色の車体と、ラッシュ終了後は3ドアになって格納された座席が締め切りドア部に現れるというのは、おっしゃるとおり「技術の京阪」を表すのに相応しい車両であると思います。
5000系もデビューして30年は経過していると思われます。今でも当初の設計思想が生かされているという点は特筆すべきことではないかと思います。
投稿: Kaz-T | 2006.04.06 23:18