東急池上・多摩川線の珍車(2) 1013F
東急池上・多摩川線はかつては旧型車が闊歩し、その後も7000系や7200系といった主に東横線などの本線系統から転用されてきた車両が活躍していました。しかし、池上線でワンマン運転が開始されることになって、同線に新型車が導入されました。1000系と呼ばれる車両です。
1000系は東横線の7000系に代わって地下鉄日比谷線に直通するための車両で、9000系と同じ前面でありながら日比谷線乗り入れ仕様車として18m車になっていることが特徴です。その後、池上線のワンマン運転に際して7200系を当時の目蒲線に転属させるために、池上線用に1000系が3両編成で投入されました。その後、目蒲線が分断され蒲田方が多摩川線となったときに、東横線で走っていた1000系が池上・多摩川線に3両編成で2編成転用されてきましたが、このうちの1編成がまた変わり者になりました。今回記事とします1013Fです。この1013Fも戸越銀座で撮影してきましたのでご覧下さい。
1000系 1013F 蒲田方先頭車 1312 2006年2月28日 戸越銀座で筆者撮影
1013Fは当初東横線の地下鉄日比谷線直通用に導入された編成でしたが、4両編成で登場し同じ時期に導入された1012Fと組んで常に8両編成で運転されていました。この時代はすでに8両編成になっていたのにもかかわらず4+4編成となったのは、まだ目蒲線が18mの4両編成でこの線の予備車も兼ねてこのような仕様での登場となりました。東横線時代で1012Fの桜木町方先頭車1312と1013Fの渋谷方先頭車1013は東横線では常に向き合った状態で運用されていたことから、この両車は貫通路が中央にあるという形態でした。この形態の先頭車は目蒲線で運用された時にその姿を見ることができました。その後、2000年の目蒲線分断の際にこの両編成から中間車を1両ずつ外して3両編成として、東横線で桜木町方先頭、池上・多摩川線では蒲田方先頭車が、前面の形態をあわせるために振替えられました。そして、1013Fは池上・多摩川線の1000系で唯一、貫通路が中央にあるという変わった形態の編成となりました。
1000系の貫通路が中央にある先頭車はこの他にも2両存在し、1012・13F転用後も東横線で地下鉄直通運用で中間に封じ込められた状態で運用されていましたが近年、この1012・13Fから外された中間車を組み込んで、残っていた中間先頭車は外されました。1011と1310が該当します。この両車は現在、長津田の車庫の奥で休車扱いになっているようで、今後どんな活用をされるのか、気になるところです。
さて、池上・多摩川線の最新型車である1000系に存在している異端車、1013Fはこうして活躍していますが、最近1000系にもスカートの取り付けが始まり、池上・多摩川線のものにも取り付けられた編成が出現しています。この1013Fもやがてスカートが取り付けられると思われることから、思い立った時に記録しておく必要がありそうです。
こちらは一般的な1000系 池上・多摩川線仕様 最近池上・多摩川線の1000系にもスカート取り付けが始まっている 2006年2月28日 戸越銀座で筆者撮影
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