北陸路に珍車健在 419系
この前の金・土でまもなくJR線としては営業を終了する富山港線を訪れに富山へ行ってきましたが、この外にも富山駅周辺で各種撮影してきました。まずは、JR富山駅で、北陸本線の普通列車としていまだ健在であった419系を撮影しました。
419系は、国鉄時代の末期に客車などで残っていた普通列車の電車化のために誕生した車両です。しかしこの時代は財政上地方路線に車両を新製することはできず、この当時のダイヤ改正で運用がなくなり、余剰車となっていた特急型寝台電車581系から改造されました。クハネ581の特急タイプの先頭車と中間車から改造の切妻型先頭をもつ車両になり、車内もとにかく改造費を抑える為に車内の座席の一部は581系の座席を再利用したりするなど、この当時の国鉄の財政状況を物語っている部分があります。この手の車両は東北本線仙台地区や九州の長崎本線にも投入されました。この両路線は交流専用車とされたことから715系となりましたが、北陸に投入されたものは交直流両用車となったことから419系となりました。現在では仙台及び長崎の715系はすべて引退し北陸に投入された419系が現在でも残っている状況です。
前置きが長くなりましたが、ここで北陸に今も健在の419系のビジュアルをご覧下さい。
米原方先頭クハ419は元先頭車クハネ581からの改造 2006年2月24日 富山で筆者撮影
米原方先頭車は中間車サハネ581から改造されたクハ418も存在している 2006年2月24日 富山で筆者撮影
直江津方先頭車クモハ419は全車中間車モハネ581からの改造 2006年2月24日 富山で筆者撮影
米原方先頭クハ419の中には、前面の種別表示(クハネ581時代のヘッドマーク表示)を埋めてのっぺらぼう状態になった車両も存在している 2006年2月24日 富山で筆者撮影
419系は3両編成で米原方先頭が、元クハネ581のクハ419と中間車から改造のクハ418が存在し、直江津方先頭は全車モハネ581から改造のクモハ419で構成された3両編成です。
国鉄時代末期に出現した珍車、寝台特急電車からの改造という特異な419系ですが、北陸エリアの普通列車には特に新型車導入の計画は無いようですので、しばらくは活躍する姿を見ることができるでしょう。また、車内は581系時代の車体断面とボックスシートも残されていますので、かつての寝台電車の面影を堪能してみるのも悪くは無いのかもしれません。
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