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2005.08.20

町の人々とともに 総武流山電鉄

今日はまた常磐線方面へ半日ほどでしたが、旅をしてきました。

まず訪れたのは、馬橋からかつては江戸川の水運で栄えみりんの里として、また昨年の大河ドラマ「新選組」でも登場した近藤勇が自ら出頭し捕らえられ土方歳三と離別した地として知られる流山を結ぶ総武流山電鉄です。全長わずか5.7キロのミニ路線です。

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馬橋駅に停車中の総武流山電鉄2000系「青空」号 2005年8月20日 馬橋(JR常磐線ホームより)で筆者撮影

さて、始発駅の馬橋は各駅停車しか停車しない駅で、常磐線よりも千代田線といったほうが分かりやすい路線の駅です。大手町から35分のほどの駅から出発します。

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馬橋で出発を待つ「青空」号 2005年8月20日 筆者撮影

総武流山電鉄の車両は現在では、西武鉄道からの譲受車(元701系・101系)で占められています。その車両は、編成ごとに塗装が異なりまた愛称が付いています。この愛称は沿線利用者からの一般公募で決定したとのことです。

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馬橋駅に留置中の「流星」号 なお、この編成は3両編成 2005年8月20日 筆者撮影

昼間は15分~20分間隔で運転される総武流山電鉄は、馬橋を出発しますと住宅地の中を進み、JR新松戸駅に隣接している幸谷を通り、その後カーブで流山へ向かいます。その次の小金城址で行き違いがあり、そのまま住宅地とわずかに残った畑などを見ながら、馬橋から12分で終点の流山に着きます。

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流山駅駅舎 2005年8月20日 筆者撮影

この流山駅は「関東の駅百選」に選定され、建物自体も1916年の開業時からのものだそうです。

流山駅構内は車庫になっています。ここに留置中の車両も撮影してきました。

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留置中の「明星」号 2005年8月20日 流山で筆者撮影

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車庫の奥に留置されていた「流馬」号 2005年8月20日 流山で筆者撮影

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ホームに留置中の「若葉」号 2005年8月20日 流山で筆者撮影

上記3枚の画像の車両はいずれも3両編成です。総武流山電鉄ではラッシュ時間帯は3両編成で運転し、デイタイムは2両編成で運転されます。2両編成の列車は「青空」号と「なの花」号になります。データイムはその2編成が運行されています。

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2両編成列車「なの花」号 2005年8月20日 流山で筆者撮影

この「なの花」号で帰りは幸谷で下車しました。

総武流山電鉄は、流山の町の有力者が募って出資して設立され開業したという経歴があります。「流山の人による流山の鉄道」として、市民に親しまれている鉄道です。編成ごとに塗装を変え愛称付いているのはその表れではないかと思います。また、ミニ路線とはいえ沿線風景は首都圏郊外の雰囲気で、通勤・通学の足として活躍しています。

さて、流山にはまもなく変革が訪れます。来週の水曜日24日に、首都圏新都市鉄道「つくばエクスプレス」が開業します。
総武流山電鉄とは直接接続する駅はありませんが、程近いところに「南流山」が、また流山市内にも数駅開業することになっています。現在は総武流山電鉄の流山駅周辺が市の中心となっているようですが、今後「新市街」としてつくばエクスプレス沿線が開発されると予想されます。総武流山電鉄に何かしらの影響が避けられない状況であると思います。

流山の町の人の出資により開通した総武流山電鉄は、流山市の観光案内にも登場している流山が誇る鉄道であると感じます。つくばエクスプレス開業という変革が訪れますが、これからも流山の人々の日常の足としての活躍を期待したいところです。

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コメント

最近ご無沙汰な流山線なんですが、元々は鰭ヶ崎にある醤油?工場の製品搬出に活躍した歴史があります。
 下って首都圏の通勤圏の立地から沿線の宅地開発が盛んとなり、異色の独立系都市近郊私鉄として盛業を続けておりました。
 武蔵野線の開業で、新松戸~幸谷の乗り継ぎが増えて、開業前には乗客の減少が心配されたのが杞憂となり、むしろ幸谷駅周辺がマンション街となるなど、これほど激しく沿線が変化した中小私鉄も珍しいですね。
 そしてTX開業でまた揺さぶられるわけですが、TXの建設でも、市民の協力で沿線開発と里山の自然保護を両立させたと聞いております。
 結果的に日本鉄道海岸線(後の常磐線)のルートを外れた流山市が、鉄道密度の濃い市に変身するのが面白いですね。流山市民には何か鉄道に対する思いがDNAに刻まれているのでしょうか。

投稿: 走ルンです | 2005.08.21 15:21

走ルンですさん、コメントありがとうございます。

東京・大手町から1時間も掛からないところから出発するミニ路線、総武流山電鉄はある意味不思議な鉄道であると思います。地元の有力者たちが出資して設立された経歴と、今もどこの大手企業の傘下に入らず、独立会社となっているといったところが、この鉄道は社名よりも「流山市民の鉄道」という気がします。

まもなく開業する「つくばエクスプレス」は流山の町を大きく変えることでしょう。しかし、流山市民の誇りともいえる総武流山電鉄は、これからも走り続けるであろうと思うとともに、流山の人とともに歩んでいくと感じます。

投稿: Kaz-T | 2005.08.21 22:32

 ども。
 醸造所があったのは流山ではなかったかと。流山駅からスイッチバックで万上みりんの工場まで行っていた専用線の跡は、いまでも微妙なカーブを描く道として残っていますね。
 赤城台(現平和台)からも、やはりスイッチバックで専用線が出ていましたが、こちらはあとかたもなくなってしまいました。
 つくばエクスプレスの開通で、ところによっては乗客30%減だそうで、なんか予想外に影響が大きかったみたいですねえ。

投稿: 猫が好き♪ | 2006.09.27 23:47

猫が好き♪さん、コメントありがとうございます。

やはり「つくばエクスプレス」の影響があったのですね。30%減という惨状となれば、現在ワンマン化が実施されたそうですが、今後は3両編成列車の2両編成化といった事態も出てくるのではないかと思います。

投稿: Kaz-T | 2006.09.30 00:10

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