いつまでも走れ、未来へと 樽見鉄道
さて、先日の記事で名鉄岐阜600V線区の保存車両を訪ねる旅をしてきましたが、その行程で乗車した鉄道があります。今回は、まず東海道線大垣から樽見を結ぶ樽見鉄道に乗車した件を記事とします。
前日宿泊した岐阜から、長良川・揖斐川を越えた所にある大垣が出発駅となります。
大垣で出発を待つ樽見鉄道 ハイモ230-301 2005年8月6日 筆者撮影
1984年に国鉄樽見線を引き継ぎ開業した樽見鉄道は、第3セクター会社においてレールバスを採用した草分け的な会社になります。しかし、この路線も近年の地方鉄道のご多分に漏れず利用客減に苦しんでいる状況で、路線の存続も危うい状況であるそうです。
そこで、大垣から乗車したハイモ230-301の側面には、沿線の子供たちが描いた絵によるラッピングがされているとともに、ヘッドマークも取り付けられています。
ハイモ230-301の側面にラッピングされた沿線の子供たちが描いた絵
大垣を発車しますとしばらく東海道線に沿って走り、やがて離れ始めたところに最初の駅東大垣があり、その先で揖斐川を渡って、しばらくは田園風景の中を走ります。そして北方真桑手前で今年3月31日の終電をもって廃線となった名鉄揖斐線をアンダークロスして、なお走り続けて本巣に到着しました。本巣では停車時間がありまた車庫があったことから、ここで何枚か撮影しました。
樽見鉄道開業時からの車両 ハイモ180-202 2005年8月6日 本巣で筆者撮影
樽見鉄道では、朝時間帯に1往復客車列車が存在している 元14系座席車 2005年8月6日 本巣で筆者撮影
樽見鉄道では貨物列車も運転されている 牽引機のTDE10 1 2005年8月6日 本巣で筆者撮影
樽見鉄道では本巣から住友大阪セメントの専用線が分岐しており、そのため貨物列車も走っています。画像の機関車は単機で出発していったようでしたが、帰りの途中でセメント用タンク貨車を牽引してすれ違いました。
本巣からは山あいに入りトンネルを抜け、根尾川の渓流沿いを走ります。以前はこの向こう岸に名鉄谷汲線が走っていました。
その根尾川の鉄橋を渡ったところにある駅が、今回下車した谷汲口です。
谷汲口に到着したハイモ230-301 2005年8月6日 筆者撮影
ここから名鉄の旧谷汲駅へ向かい再び戻ってきました。
さて、谷汲口には保存車両がありましたので、列車到着までの間で撮影しました。
谷汲口で保存されている オハフ502 元オハフ33 2005年8月6日 筆者撮影
この車両は、樽見鉄道開業時に国鉄から払い下げられた客車で、その当時はレースバスと同じ塗装であったそうです。その後老朽化により置き換えられました。
さて、谷汲口で大垣に戻る列車乗車前にまず先に来た下り樽見行きを撮影してみました。
樽見行きの樽見鉄道の最新車 ハイモ295-315 2005年8月6日 谷汲口で筆者撮影
そして、到着した大垣行きに乗車し、大垣まで戻りましたが、その途中本巣でまた停車時間がありましたので、帰りに乗車した車両を撮影しました。
帰りに乗車したハイモ230-314 2005年8月6日 本巣で筆者撮影
これで樽見鉄道を後にして、次は美濃へ向かいました。
さて、樽見鉄道では先述のとおり、利用客減が続いています。
しかし、この鉄道を守ろうと「樽見鉄道を守る会」が結成され、沿線で活動しているとの事で、今回乗車したハイモ230-314については、募金を募って車内の座席の補修を行なったとの事です。また本巣駅構内の枕木にはオーナーの名前でしょうか?ネームプレートが付いていました。
1984年に不採算路線とされた樽見線は、地元の出資により第3セクター会社の樽見鉄道に移管して20年が過ぎました。この間の情勢に変化などでまた、利用客減が続いているという現実の中、多くのボランティアに支えられ、未来に向けていつまでも走り続けてほしいと思った、樽見鉄道の乗車記でした。
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