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2005.08.27

JR東京総合車両センター「夏休みフェア」に行ってきました

夏休みの残りわずかになってきましたが、今日はJR東京総合車両センターで一般公開イベントがありました。

このイベントに行ってきました。

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今回のイベントで展示された103系 2005年8月27日 筆者撮影

JR東京総合車両センターは、元は大井工場と呼ばれた由緒ある工場です。名称が変わっても首都圏を走る車両の検修などを行なっている施設です。

さて、会場入り口を入ってすぐ、この敷地内に保存されている車両があります。

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東京総合車両センターで保存されている101系 クモハ101-902 2005年8月27日 筆者撮影

1957年に登場し、現在の国鉄・JRの電車の基礎となった101系です。この車両は試作車で当時も混雑が著しかった中央線に投入されました。この車両は、かつての大井工場で製造された由緒ある車両で、来年秋大宮にオープンする「鉄道博物館」に収蔵され展示されることになっています。
なお、画像の方向幕「東京競馬場前」は、武蔵野線が開業する前まで中央線国分寺から分岐していた下河原線と呼ばれた支線の終点になります。

さて、そのまま進みますと、工場なだけに各種掲示板があったのですが、その中に「技術科工事情報」という掲示があり、その中に興味深いものがありました。

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東京総合車両センター掲示板の「技術科工事情報」

これによりますと、今後予定されている工事で目を引いたのが「209系の側窓開閉化工事」と呼ばれるもので、これは今年3月に京浜東北線で発生した209系車両故障で、混雑した車内で窓が開閉できないまま缶詰状態になってしまい、乗客の中に気分が悪くなった人が出たという状況から、その対策として実施されるそうです。また、このほかにも205系の山手から武蔵野・京葉転属改造や、E217系グリーン車のSuicaグリーン車乗車システム化改造、国府津から幕張への113系転配、さらには中央総武緩行線209系の転属改造といった気になる記述がありました。

さて、このまま進んで行きますと、工場ですので各種作業場所や点検整備線などを通り抜けますと車両の展示になります。

まずは、東京総合車両センターに保管されている車両たちです。

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東京総合車両センターで保管されている車両 2005年8月27日 筆者撮影

これら車両について1両ごとに撮影してきました。

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保存車 ナデ6114 1914年に製造された国産最古のボギー台車式電車 この車両は来年秋にオープンする「鉄道博物館」に収蔵され展示される。 2005年8月27日 筆者撮影

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保存車 マイテ39 かつて東海道線を走った特急列車の最後尾に連結されていた1等展望車 この車両も来年秋にオープンする「鉄道博物館」に収蔵され展示される。 2005年8月27日 筆者撮影

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保存車 クモハ12 17メートル長の通勤型電車 1996年まで鶴見線大川支線で運転されていた。2005年8月27日 筆者撮影

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保存車 クモヤ90 73系電車から改造された車庫や工場入場時の牽引車 2005年8月27日 筆者撮影

これら博物館にも収蔵される予定の車両もある展示場を離れ、次の展示場で行って見ました。

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今回のイベントで展示された103系 2005年8月24日 筆者撮影

今回のイベントの目玉は首都圏で最後の活躍をしている103系でした。ここでは、オレンジ・エメラルドグリーン・ウグイスの3編成が並び、その脇には横須賀線・総武快速線などで活躍しているE217系が停まっていました。

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八高・川越線用の103系3000番台 この車両は現在では予備車 2005年8月27日 筆者撮影

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常磐快速線の103系 この車両は訓練車 2005年8月27日 筆者撮影

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武蔵野線の103系 2005年8月27日 筆者撮影

これら展示会場を抜けさらに各種作業所を抜けた後、このイベントでも車両試乗会がありましたので乗車してきました。

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試乗会に使用された鶴見線の103系 2005年8月27日 筆者撮影

この編成で総合車両センター敷地内の構内線を往復していました。
そして、試乗列車を降り再びこの103系を撮影してみますと今度はヘッドマークが付けられました。

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「レインボー号」のヘッドマークが付いた103系試乗会列車 2005年8月27日 筆者撮影

ヘッドマークの「レインボー号」は、青梅線西立川にある昭和記念公園「レインボープール」へ向けて運転された臨時列車で、南武線からの直通があったのかどうかは不明ですが、中央線からは運転されていました。

今回のイベントは「総合車両センター」の一般公開イベントということで、実際に作業の実演なども行なわれた充実した内容でした。そんな中「車体の上げ下ろし」の実演を見ることができました。

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「車体上げ下ろし」実演で使用された205系 2005年8月27日

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まず、車体がクレーンで持ち上げられ、台車と車体が分離する

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クレーンで吊られて車体が移動する

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搬送車におろされる車体

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搬送車に載せられ、屋外に引き出された様子

このあと、再び元の位置に戻り、クレーンに吊られて台車と車体が組み合わされました。実際に、工場内で車体の作業を行う為にこのように、工場敷地内を移動しているそうです。また、この実演で使用された車両は205系の先行量産車と呼ばれる2段窓車で、ワインレッドのラインになっていることから京葉線に転属されるようです。


こうして、夏休み最後の週末に開催された「東京総合車両センター」一般公開イベントは、あっという間に終了時間になりました。
首都圏を走る車両の保守を行なっている東京総合車両センターは、扱う車両は代わってもその役割が変わることはありません。そんな一端を垣間見ることができた充実したイベントであったように感じます。
また、この車両センターに保存されている車両は今となっては貴重な車両も多く、中には鉄道博物館に収蔵される予定の車両もあり、来年に公開があったときはこの場所ではもう見ることができなくなってしまう車両もあります。
長い歴史を誇り、首都圏を走る車両の保守の要ともいえる東京総合車両センターの一般公開イベントでしたが、これからもこのように親しめる公開イベントを続けてほしいと、改めて感じた1日でした。

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コメント

総武緩行線209系転属とは、なんでしょうね。京浜東北には、供出しましたが、ほかに209系でなければならない転属先があるのでしょうか。

京浜東北線の窓開閉化は、さもありなん、という感じがします。でもJR西日本の更新工事のようにバス窓のような簡易改造を行うと、外観が損なわれますね。

Primera

投稿: Primera | 2005.08.28 17:11

 こんばんは。

 大井工場の公開、できれば行きたかったところでしたが、同日に行われた西武の南入曽車両基地の公開の方へ行ってしまいました。

 今年の大井は103系のオンパレードだったようですね。一昔前なら当たり前に見ることが出来た車両も今ではすっかり少数派となり、引退するときも近くなってきました。

 そんな中、八高線の103系も10月で引退のようですね。おとといは八高線に乗る機会があったんですが、もしかしたらと思ったもののやってきたのは205系でした(;_:)。

投稿: mattoh | 2005.08.28 21:30

所用で出かけられませんでしたが、なるほど、車両関係の新しい動きがあるようですね。京葉線の205系はバリエーション豊富になりますね。
 総武緩行線の209系500番台の転属先も興味深いですが、仮に転属とすれば総武緩行線へE231系を追加投入するのでしょうか。何か大きな動きを予感させますね。

投稿: 走ルンです | 2005.08.28 23:06

コメントいただきまして、ありがとうございます。

Primeraさん>
209系側窓開閉化工事についてですが、1両につき片側2箇所づつ、E231系風の分割窓とし、開閉できる部分は2段式になり上が下降する方式になるようです。工場内で実物と同等のモックアップで改造方法が検討されたとのことで、おそらく外観で大きな変化は分かりにくいのかもしれません。
また、中央総武の209系の転属が意味するものは何でしょうか?私も気になります。

mattohさん>
今回の目玉は、各色そろえた103系でした。すでに残りは少なくなり、今回展示された車両でも、ウグイスの3000番台は現在予備車で引退も近く、エメラルドグリーンは訓練車ですが、こちらも残っているのが奇跡的な状況でやはり置き換え寸前、オレンジの武蔵野線でも残りは少なくなっていますし、試乗用のカナリアも鶴見線で1編成残存しているだけだそうです。
もう、今年度でJR東日本から103系は全廃とも言われていますので、今回の展示は貴重な並びとなりそうです。

走ルンですさん>
東京総合車両センターのイベントということで、このような工事情報に見入っていた人は多くいました。
確かに今回の記載事項は興味深いものばかりで、それこそ中央総武の209系をどこに転属させるのか、気になるところであり、まもなく山手からの205系転用改造が終盤になった中、次の動きが出てきたように思います。

投稿: Kaz-T | 2005.08.29 00:12

とても暑い日でしたが、楽しいイベントでしたね。
うちの子は中央線が好き?なので、103系展示の武蔵野線を見て喜んでいました(笑)
素晴らしいお写真の数々、息子もくぎつけです。

↑209系の窓のお話がちょうど出ていますが!
…偶然ですがそれとも知らず、工場内で休憩所に使われていた209系の車両の優先席で、うちの主人が窓が開くのを発見…こちらのブックマークにも入っている西広門田佐登志さんが向かいの座席におられて『209系の車両って、窓が開くんですねー!?知らなかった!』みたいな話をしました(笑)

投稿: なな☆ | 2005.08.30 21:00

なな☆さん、コメントとトラックバックをありがとうございます。

103系もJR東日本管内からはまもなく姿を消します。今回のイベントは、そのバリエーションをそろえた最後の機会であったと思います。オレンジ色の103系も武蔵野線で見る機会はかなり減ったと思います。しかし、中央線や青梅線では、201系ですがオレンジ色の電車が健在です。ぜひ、乗車しに訪れてみてはいかがかと存じます。ちなみに、青梅に鉄道公園があります。

209系の窓ですが、車端部は開閉可能であると思います。しかし、混雑時に万が一長時間缶詰状態になった際、これだけでは空気の入れ替えが間に合わず、車内で気分が悪くなって救急車で運ばれた事象が発生したことから、その対策で改造が実施されるようです。

投稿: Kaz-T | 2005.08.31 00:12

この記事へのコメントは終了しました。

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