先週のことですが、ココログOka Laboratory 備忘録さんの記事を拝見しまして、本日の12時まで開催されているということで、行って来ました。
京王電鉄の研修センター内にある「京王資料館」の特別公開が、現在日野市で実施されている“義経ゆかりの勇将 平山季重フェスタ”の一環として実施されました。なお、この資料館は普段は、社員の研修施設敷地内であるため一般には公開されていませんが、今回特別に公開されたものです。
資料館には、京王電鉄社員・OBの皆様方より寄贈された、京王の歴史にかかわる貴重な資料が展示されていました。なお、資料館内は撮影禁止ということでしたので画像はありませんが、昔のサボや駅名票さらには制服などが展示され充実していた内容でした。
さて、この施設内にはかつて京王線で活躍していた車両が保存されています。この特別公開にあわせて、こちらも見ることができました。
京王電鉄研修センター内に保存されている車両 2005年7月30日 筆者撮影
この施設内に保存されている3両についてそれぞれ撮影してきました。
保存車両 5000系 クハ5723 2005年7月30日 筆者撮影
京王線に颯爽とデビューし、時代を築いた名車5000系です。
保存されているクハ5723は1969年に製造された5000系の最終グループに属する車両です。入線当初から冷房装置を搭載していました。
京王では昨年、事業用車として残存していた5125Fが引退したあと、当時の姿を伝える唯一の存在となっています。同系車は、地方私鉄で活躍していますが、名車の姿を伝えるため京王の社内施設でこのように保存されています。
保存車両 デハ2015 2005年7月30日 筆者撮影
この車両は5000系がデビューするまで、京王線を代表する車両で1961年に製造されました。この時代流行していた湘南スタイルをしています。また、車体の色は緑色でその風貌から末期になりますと「グリーン車」と呼ばれ、1984年まで活躍しました。引退後は若葉台の車両基地で保存されていたのですが、のちに現在地に移設され保存されています。また、同系車が四国・愛媛県の伊予鉄道に譲渡され現在でも活躍中とのことです。
私も、この2010系に乗車したことがあります。高性能車ではあったのですが、晩年の各駅停車での姿になります。
保存車両 デハ2410 2005年7月30日 筆者撮影
この車両は戦前の1940年に製造された車両だそうです。戦時中・戦後の混乱期を走り、現在では地下になっている新宿付近もその当時は、現在の新宿3丁目付近にあったという京王新宿駅から、南口の陸橋を越え甲州街道の道路の上を走っていたという、今では全くもって信じられない光景なのですが、その当時を伝える貴重な車両です。この車両一族は5000系が華々しくデビューした1963年の1500V昇圧により、大多数の車両は廃車となったところ、この車両を含む数両は1500V対応になって主に、この当時開通した動物園線の区間運転で使用されていたそうなのですが、1969年で引退したあと多摩動物公園駅前に保存されていました。筆者も、多摩動物公園駅前に保存されていた姿を見たことがあります。その後現在地に移設され保存されています。
今回の特別公開も、先に紹介しましたK.Okaさんのブログで始めて知り、告知も日野市のウェブサイトぐらいしかなく、あやうく見落とすところでした。
しかし、それでも今日は京王資料館を含む地域一体で“義経ゆかりの勇将 平山季重フェスタ”でウォーキング大会が開催され、そのコースに含まれていたことから意外と多くの人が訪れておりました。そして、資料館の展示物や、保存されていた車両を見て懐かしがっていた人も多く見受けられました。また保存車両では、やはり鉄道ファンも訪れていました。
普段は、研修施設として一般に公開されることはなく人目つく場所でもないことから、その存在があまり知られてはいないかと思いますが、これら車両はこのような姿で保存されています。
京王の施設内で保存されているということで、これら車両が末長く保存され歴史を築いてきた証人として、これからも維持されることを希望するのは私だけではないでしょう。