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2005.06.11

路面電車の日 都電荒川線イベント

聞くところによりますと、6月10日は「路面電車」の日だそうです。そこで今日は、東京に唯一残った都電荒川線の荒川車庫でイベントがあるということで、行って見ました。

今回のイベントで目玉となったのは、現在の都電荒川線の主力7000形に、1978年のワンマン改造及び車体更新時のイエローにブルーの帯が再現された車両が展示されました。

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往年の塗装が再現された7022 2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

私が生まれた時はすでに、都電は現在の荒川線しか残ってなく、また小学生時代に初めて乗ったときは7000形はこの形であり、この塗装でした。現在の都営バス風の塗装に見慣れますと、どこか「懐かしさ」を感じさせました。なお、この車両はしばらく、この塗装で走るとのことです。

また反対側の正面には「路面電車の日」のヘッドマークが付いていました。

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「路面電車の日」のヘッドマークを付けた7022 2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

さて、旧塗装再現された7022の隣には7003号車が停車し、車内では都電の歴史を語るパネルや系統板・停留所表示などが展示されていました。

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「都電博物館」として車内で都電の歴史を語る物品の展示を行った7003号車とその車内で展示されたものの1つ
2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

この後ろでは最新鋭車8500形の車内で、都電に関するビデオが上映されていたとのことです。

さて、この荒川車庫の奥も展示されていてました。
まずは、現在の都電荒川線のラインナップです。

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都電荒川線の最新鋭車8500形 8501とそれ以降ではライトの形などが若干異なる。
8501の車内でもなにかイベントが開催されていた模様です。
2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

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主力の7000形と7500形 7000形は近年車体改修が実施され、行き先表示がLEDになりパンタグラフも更新されている 2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

この荒川車庫には、保存車両も存在しており公開されていました。まずは7504号車「学園号」です。

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保存車7504号車「学園号」 2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

7500形は1978年のワンマン運転開始後もそのままの車体で運転されていたのですが、その後車体更新を行っています。しかし、この7504号車だけは更新は行われず、このままの姿で走りました。「学園号」とついていることから、沿線にある学校の登下校時間帯に臨時運用で走っていたのでしょうか?この車両は2001年12月で廃車となり保存車両になっていますが、車庫内であれば自走することは可能だそうです。

次は5501号車です。

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PCCカーと呼ばれた5501号車 2005年6月11日 荒川車庫イベント会場で筆者撮影

この車両は、都電全盛の時代の花形でかつ優秀車であったそうなのですが、路線縮小により真っ先に引退したとのことです。主に銀座通りを通る系統で運転されていたとのことで、銀座界隈にその昔ここを都電が走っていたことすら想像できない世代にとって、それを伝える貴重な車両であると思います。
ちなみにこの5501号車はその昔、上野公園で展示していたような記憶があるのですが、画像をご覧頂いたとおり状態は悪く、公園内では保存できなくなってしまったのでしょうか?現在は、荒川車庫で保存されています。

今回のイベントは15時で終了でした。駆け足で見て回ったのですが、記念のバス共通カード(都電荒川線ではパスネットは使えませんが、バス共通カードで乗車することが可能です)や各種グッズ、さらにはバザーなどが開催され、地域に密着したどこか温かみがあったイベントであったように思います。

さて、今回のイベントを告知するため、本日運用についていた8500形にヘッドマークが付いていました。

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路面電車の日イベントのヘッドマークをつけた8503号車 2005年6月11日 荒川車庫前で筆者撮影

今日はそういうことで、今でも地域の足として活躍している都電のイベントに行ってきたのですが、そういえば何か物足りないと思ったところ、1両だけ貸切用に残存していた6000形の姿が無いなと思いました。残念ながら、この車両も廃車になってしまったとのことでした。
しかし、荒川車庫から程近い荒川遊園で保存されているとのことでしたので、帰りに寄ってみました。

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荒川遊園で保存・展示されている6152号車「一球さん号」 2005年6月11日 筆者撮影

この車両は、ワンマン運転開始後もそのままの姿で、事業用車としてまた貸切車として活躍しその風貌からいつしか「一球さん号」という愛称までついて親しまれたのですが、2001年に廃車となり荒川線沿線の荒川遊園でご覧のような姿で展示されています。なお、6152は敷地外からでも柵越しに見ることは可能ですが、入園料大人200円払って入りますと、このように近くでじっくりと見ることができます。

かつては都内を縦横無尽に走り重要な交通機関であった都電、その後交通渋滞の原因ということで路線が縮小され、専用軌道が多く残る荒川線だけが現在残っています。
そして、環境の時代となり、再び路面電車が見直される気運も出始めた今、路面電車に親しみを持ってもらおうという趣旨で設定されたという「路面電車の日」に開催されたイベントということで、ノスタルジーではなく未来に向かって走りつづけるという意味で、これからも継続して開催してほしいイベントであったと思いました。

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コメント

マニア的に書くと
PCCカ-を持ってきたのは、都電博物館を作る計画があり、旧荒川車庫庁舎(イベントでは、
鉄道模型や都電モナカ売っていたところ)に旧庁舎がしばらくそのままになっていました。
理由は都電博物館を作るため5501号を上野公園から持ってきたようですが、予算がなく結局は、話はなくなり放置状態になりました。また7504号は、学園号は平日のみの朝の運行だったため学園号というプレートつけて運行していました。
詳しいことは当方のブログに後日記載します。
「本日仕事で昨日は早く寝たので更新できず」

投稿: 湯ったり乗ろう | 2005.06.12 06:40

こんにちは。東池袋4丁目が一番最寄り駅のSATOです。
すでにコメントをいただいていますが、都電博物館を今の貸し駐車場の位置に作る予定で、ほんの数年前まで残してありました。しかしそういう活動には全く無関心の知事のせいで頓挫です。
学園号は大塚駅ー王子駅の区間運転、かつ冬のみという設定だったと記憶しています。沿線には高校が多かったからです。
歴史にもしがあればですが、もし京福の衝突事故がなければ6000はいまでも現役だったと思います。あれでブレーキ関係の一斉点検が国土交通省より指示され改造費が捻出できない都は廃車に踏み切ったわけです。もし残っていれば・・ 学園号も現役だったはずです。

投稿: SATO | 2005.06.12 10:36

コメントいただきまして、ありがとうございます。

湯ったり乗ろうさん>
「荒川車庫に都電博物館」そんな計画があったのですね。車庫のそばは、駐車場になっていたりしていました。
都電の車両は各地で保存されていると聞いております。諸般の事情で断念されてしまったのは残念なことですが、いつかは実現してほしいものです。
また、7504号はやはり平日朝の限定運用だったのですね。廃車になってから今日まで保存されているということで、これからも維持してほしいものです。

SATOさん>
京福電鉄の衝突事故の原因は、1車両に1つしかなかった制動部のロットが折れブレーキが利かなくなって衝突したということでしたね。
そうしますと、同様な構造の6152は対象になり、もしかしますと7504も同じような構造であったのですね。1つの事故がきっかけとなって、安全策がとれずに引退の憂き目にあってしまったのは、残念ではあります。
しかし、現在もこのように保存されているところに、この両車が愛されていたことを物語っているように思います。

投稿: Kaz-T | 2005.06.12 21:33

Kaz-Tさん、こんにちわ。
我が家もイベントで大騒ぎして参りました。
当日は写真だけダーーーと撮りましたが、小さい子供と一緒ではゆっくり見れなかったので、こちらのレポートで初めて知ることいっぱいでした(笑)
大宮の時と同じく、ヘッドマーク付き列車が走っていたなんて、知りませんでしたよー(笑)

自分でもレポ書いたのですが、こちらの方が断然素晴らしいので、文中リンク入れさせて頂きました。事後報告ですみません。

投稿: なな☆ | 2005.06.13 11:21

なな☆さん、コメントありがとうございます。また、トラックバックとともに、ご自身のブログで紹介してくださいまして、重ねましてありがとうございます。

私がこのイベント会場に到着したのは、14:30ごろで、それこそどんな催し物があったのか、またどんな物が売られていたのかは、よく分かりませんでした。
しかし、わずか30分ほどの時間で、旧塗装が再現された7022号車や、荒川車庫の奥で保存されていた「学園号」や「5501号車」を、間近で見ることができたのが何よりでした。

また、ヘッドマーク付き電車も今回大塚から乗車した際、途中ですれ違った8500形でそれを確認して、イベント会場を出た際荒川車庫前電停で張っていたところ、無事に来てくれたといったところです。このあと、歩いて荒川遊園に出向いて6152号車を撮影してきました。

今回のイベントは出し物では私のようなマニア向けでしたが、催し物ではお子様向けの内容が充実していたようで、地域に密着し未来に向けて着実に今も走り続ける都電の姿を見たように感じました。

投稿: Kaz-T | 2005.06.14 00:02

この記事へのコメントは終了しました。

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