JR西日本 京阪神アーバンネットワークの思い出 ~福知山線運転再開に際して~
本日より、あの忌まわしい脱線事故により不通となっていた、JR宝塚線(福知山線)尼崎~宝塚間の運転を再開します。犠牲となった方のご遺族や負傷された方々の傷が癒える状況ではないのは確かですが、この不通により迂回乗車などで不便を強いられた方々にとっては、ようやくの運転再開なのではないかと思います。
そこで運転再開にあたりまして、私自身のJR西日本アーバンネットワークの思い出をここに綴りたいと思います。
私が初めて関西に足を踏み入れたのは、今からもう10年以上前になります。「青春18きっぷ」を手に、この当時は165系の「普通大垣行き」に乗車し、大垣から113系の普通網干ゆきで関が原を越え、米原についてここからJR西日本の「アーバンネットワーク」に入り、混雑していた網干行きを降り、この駅始発の「新快速」という列車を待つこととしました。そして入線してきた列車が、この当時のアーバンネットワークの顔であった221系でした。
新快速で運用されていたころの221系 1993年3月25日 山陽本線姫路で筆者撮影
関西の電車は本でしか見たことがなかった自分にとって、この221系を初めてこの目で見たときはある意味、衝撃的でした。
それはJR離れした気品ある外観、大きな窓、そして転換クロスシートの高い居住性、いずれも関東ではお目にかかれないすばらしい車両だと感じました。そして、大阪まで乗車したのですが、これがまた速く特に京都を過ぎてからのスピードは圧巻の一言でした。
それ以来、何度か青春18きっぷでさらに西を目指したときは、この221系によく乗りました。というよりもこの車両を見ることで「もう大阪だ」という思いを持ったとともに、「これで姫路まで一気に突き抜けられる」という思い、また関西を去るときも「また乗ろう」と思ったものでした。
青春18きっぷ愛用時代には良くお世話になった221系新快速
1993年3月26日 東海道本線 京都で筆者撮影
さて、その後「新快速」は進化を遂げていきます。増発・スピードアップにより221系に代わり223系が登場し、221系は徐々に新快速からは離れ、快速にさらにJR宝塚線の「丹波路快速」や奈良線の「みやこ路快速」阪和線の快速に転用され、主役の座から追われる立場になってしまいました。
新快速の増発やスピードアップ、接続の改善などは利便性の向上となり、利用客の増加という形になって現れ、それはダイヤ改正を重ねるたびに顕著になってきました。このことは、私自身も感心することで「もっと速くなるのでは」という期待を抱いたものでした。
しかし、それが余裕のないダイヤにつながり、運転士さんを始め車掌さんなど現場で働いている方々の負担を重くする結果となってしまいました。
これが、先日発生した脱線事故の背後要因の1つとなってしまったことは大変残念なことであり、感心していた自分もこれは反省すべきことではないか、と思う次第です。
本日より運転を再開するJR宝塚線、ここで改めまして、この事故で亡くなられた方々の冥福をお祈りするとともに、負傷された方々の1日も早い回復、さらにはすべての交通機関において安全な運行と、今回の事故原因の究明と対策を切望いたします。
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