運転経路の妙味 「ホリデー快速鎌倉号」
本日江ノ電を訪れたのですが、その帰りは鎌倉から「ホリデー快速鎌倉号」に乗車しました。
「ホリデー快速鎌倉号」は土・休日に大宮~鎌倉を運転する臨時快速です。
鎌倉に停車中の「ホリデー快速鎌倉号」 2005年5月4日 筆者撮影
この列車、一見するとその昔の横須賀線の電車に見えますが、この車両は115系で横須賀線で走っていた車両ではありません。
「ホリデー快速鎌倉号 大宮行き」方向幕
このホリデー快速は大宮行きです。「湘南新宿ライン」の増発かと思われるかもしれませんが、先ほどご覧頂いた方向幕には「武蔵野線経由」と表記されています。この列車はそのとおり武蔵野線経由で運転する列車で、停車駅は鎌倉を出ると、北鎌倉、大船、横浜と停車して、その次は武蔵野線の北府中に停車し、西国分寺、新秋津、東所沢、新座、北朝霞と停車して大宮まで運転されます。
さて、横浜の次は武蔵野線の北府中という停車駅になっているこの列車はこの間、路線図に載っていない区間を走行します。
横浜を出発すると、しばらく東海道線を走行しますが、やがて鶴見で運転停車し乗務員が交代になります。なお、鶴見ではホームの無いところに停車します。そしてここから新鶴見信号所に向けて走りその信号所から武蔵野線に入ります。通常皆様方がご存知の武蔵野線は府中本町が始発駅ですが、武蔵野線自体は新鶴見が起点になります。よって武蔵野線でもこの区間は普段は貨物列車しか走りません。新鶴見から府中本町までの武蔵野線はまさに知られざる区間になるのですが、そのほとんどはトンネル区間になります。しかし、地上に出る部分もあります。そこで、「ホリデー快速鎌倉号」に乗車しないと見ることができない区間の車窓を撮影しましたのでご覧下さい。
新鶴見信号所からのトンネルを抜けたところにある「梶ヶ谷貨物ターミナル」
梶ヶ谷貨物ターミナルの先のトンネルをいくつか抜けたところでの風景
画像に見えている駅は京王電鉄相模原線 稲城駅
上記画像はいずれも2005年5月4日「ホリデー快速鎌倉号」大宮行きの車内から筆者撮影
また、府中本町からは通常の電車も走る区間になるのですが、府中本町駅で新鶴見からの貨物線からはホームに入れないので通過し、その代わりに北府中に停車します。
北府中からは一部通過する駅はあるものの、武蔵野線の線路を走りますが、北朝霞を出ると通過する西浦和駅で大宮に向かう貨物線に入り、トンネルを抜け京浜東北線与野駅付近で地上に出てから大宮に到着します。
「ホリデー快速鎌倉号」大宮に到着 2005年5月4日 筆者撮影
土休日に運転されるこの「ホリデー快速鎌倉号」は、このように大変ユニークな経路で運転されます。路線図を見ただけでは分からない、首都圏の鉄道網を知るのにはもってこいの列車であると思います。
もし、この記事をご覧になって興味を持たれた方、一度乗車されることをお勧めします。
| 固定リンク
「臨時列車」カテゴリの記事
- 183・189系で運転された「あずさ」81号(2010.12.29)
- クリスマス目前! 今年も運転「みなとみらい号」(2010.12.23)
- 転機を迎える快速「むさしの」号(2010.10.24)
- 旅立ち!「さよなら中央線201系H7編成 ラストラン山梨 そして信州へ」 ~さよなら中央快速線201系~(2010.10.17)
- 運転開始50周年を迎えた特急「草津」号(2010.10.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
本当にユニークな経路ですね。大変興味がわきました。ところで、115系の前面のヘッドマークらしきものはなんでしょうか。
Primera
投稿: Primera | 2005.05.05 00:47
以前は方向幕がなかったと思うのですが、湘南新宿ラインが出来た関係でつけたんでしょうね。M40健在で何よりです。欲を言えば183ですとなおありがたいですね。
投稿: SATO | 2005.05.05 11:27
コメントいただきまして、ありがとうございます。
Primeraさん>
首都圏を走る「ホリデー快速」シリーズでその運転経路が最もユニークな列車がこの鎌倉号です。
ご質問のヘッドマークらしきものは、この車両は土休日はこの送り込みで、平日も何往復か八王子~大宮をやはり武蔵野線経由で運転する「快速むさしの号」のヘッドマークを取り付ける金具とでもいうのでしょうか。この部分がどういう構造になっているのかは調べていませんが、欲をいいますとこの列車にもヘッドマークがあったらと思います。
SATOさん>
湘南新宿ラインの登場で一時は存続が危ぶまれたこの鎌倉号ですが、武蔵野線沿線から横浜・鎌倉へ乗り換えなしで直通するという点で利用があり、今日も運転されています。
確かに車両も115系とはもう見劣りしてしまう車両かもしれませんが、この列車はどんな車種を使っても、その運転経路のユニークさにおいては他にはない列車であることに、違いはないでしょう。
投稿: Kaz-T | 2005.05.06 01:17
車内は混んでましたか?
どこの駅から混んできましたか?
投稿: taka | 2005.05.12 11:27
takaさん、コメントありがとうございます。
さて、ご質問のこの日(5月4日)の大宮行きの混雑状況ですが、始発駅の鎌倉ですでに座席はすべて埋まり、立ち客も結構いました。この乗車率も横浜までで、横浜で半数が降りました。やはり東京・新宿方面には行かないことからのようです。その後西国分寺でまとまった下車があって、その後大宮に向かって乗客が減っていくと言う状況でした。
今では「湘南新宿ライン」の登場でこの列車の存在意義は、武蔵野線沿線(北府中・西国分寺・新秋津・東所沢・新座・北朝霞)から横浜・鎌倉へ直通する、行楽列車の様相になっているようで、それなりの需要があるようでした。
投稿: Kaz-T | 2005.05.13 00:08