地道に走り続ける 京王7000系
先日、鉄道雑誌に特集されたということで京王3000系を記事にしましたが、実は現在発売中の鉄道雑誌「とれいん 2005年4月号」に「MODELERS FILE」というコーナーがあり、今月号は京王7000系が特集されています。鉄道でも模型を主においている雑誌だけに、屋根上や床下などの細かい点や、この車両の変遷についてもまとめられています。
京王7000系は京王線系統初のステンレス車として、1984年に入線しました。この当時の主力車両だった6000系から、車体をステンレスにしたような感じの車両です。1997年まで増備が進み現在190両が在籍しています。
現在活躍している 京王7000系 7707 2005年4月2日 明大前で筆者撮影
1987年の増備車からは外板がビード加工になり印象が変わった 7771 この編成は現在10両固定編成
2005年4月2日 明大前で筆者撮影
さて、今では「特急」など優等列車にも運用されている7000系ですがデビューした当初は、この当時まだ残っていた2010系などのグリーン車の置き換え用とされ、5両編成で各駅停車の運用についており、優等列車で運用されることは稀でした。また、外装も今日ではアイボリーの前面に京王のコーポレートカラーのワインレッドとブルーのラインが入っていますが、入線当初は前面は銀色・側面は臙脂のラインでした。
その後、1987年の増備車(7721F)から前面がアイボリーになり、側面も上部にも臙脂のラインが入り(これは数年で撤去)それまでの7000系にも波及しました。ここでその昔の7000系のスタイルについて手持ちの写真などから紹介します。
7000系入線当初はこんないでたちでした。 1984年3月発行の記念乗車券より 筆者所蔵
現在では10両固定編成になって、優等列車にも使用されている7722Fの在りし日の姿。前面と側面のラインにご注目ください。
1988年3月 新宿で筆者撮影
臙脂帯時代の7000系 画像は当時、競馬開催日に運転されていた「臨時急行 新線新宿ゆき」 この時代、7000系が優等運用につくのはこのような臨時列車でした。
7759 1992年10月 桜上水で筆者撮影
入線当初は各駅停車用として5両編成で登場した7000系でしたが、その後輸送力増強により8両固定編成が登場し、5両固定のものも6両そして8両に増結されました。また1993年になりますと8000系が登場したものの、特定都市鉄道整備積立金制度により京王線系統の各駅停車の10両編成化が行われることとなり、増結用の4両編成・2両編成が登場し、その後10両固定編成まで登場しました。
7000系の増備は1996年で打ち切られたものの、この増備により特定都市鉄道整備積立金制度による輸送力増強工事は完了しこの翌年、現在でも語り草になっている「工事完成による運賃値下げ」という快挙を達成する原動力になりました。
2001年のダイヤ改正により7000系も晴れて優等系に充当されることとなり、この後外装が現在のワインレッドとブルーのラインになりました。
7000系はデビューして20年が経過し、初期の車両については更新が行われ始めました。これにより車内にLED案内装置とドアチャイムが取り付けられ座席などもリフレッシュされた他、最近ではVVVFに換装されたものまで出現しました。
地味ながらも、京王線の輸送に貢献し今も時代に合わせて姿を変えている7000系、しばらくは走り続けると思いますが、その変遷とバリエーションに注目してみるのも一考かと思います。
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コメント
こんにちは。いつもながら読ませる記事ですね。
7000系はグリーンの2000の置き換えという触れ込みで登場しました。それまで京王は「普通はお古」という流れでしたので、各駅停車専用車を新造するというのは結構衝撃的な事件でした。
今でも思い出すのですが、スキーに友人と出かけた際の帰り道に7000系とはじめて出会ったのです。なんとも個性がなく、かつ5連という中途半端な編成で触手が動きませんでしたね。
また当時は鉄道ファン休止中でしたので、画像に収めるなどという行為は全く考えることがなく、見ただけで終わってしまいました。
20が出たときの思い出もありますが、それは自分のblogに書くことにします。
投稿: SATO | 2005.04.03 10:58
7000系といえば忘れられないのが7705Fです。87年登場の7721F~7723Fに合わせて在来車も正面のアイボリーと窓上の帯が追加されることになって、7705Fで試行されたんですが、正面窓上の帯の端の鋭角カットの処理が頬白と相まって“バカ殿様”と呼ばれてファンには不評でした。結果的に7721F~も含めて窓上帯をなくすことになり、7000系7変化の序章を創る羽目になったわけです^_^;。こいつがつつじヶ丘の待避線にしずしずと入線する様は、笑いがこみ上げるのを禁じ得ませんでした。
投稿: 走ルンです | 2005.04.03 14:38
7000系は初期の車両でも車体はきれいですし、VVVF化で更なる活躍が期待できますね。
意外だったのは、車内化粧板の退色。
部分的に交換された車両もありますが。
6000系にみられた窓ガラスのばたつきが無いのも良かったですね。
投稿: 富士見ヶ丘跨線橋 | 2005.04.03 22:46
コメントいただきまして、ありがとうございます。
SATOさん>
SATOさんのココログ記事も拝見いたしました。
「各駅停車に新車」ということで、7000系の導入に際しては当時まだ小学生だった自分にとっても、以外と言いますか、驚きました。ということで7000系は見ることはあっても乗車するまでは時間がかかりました。
今では優等列車にも使用されるなど活躍している7000系、この車両に相応しい称号はやはり「いぶし銀」でしょうか?
走ルンですさん>
一時前面上部にも赤帯が入れられた7705Fは私も覚えています。「バカ殿様」とはよくつけた愛称であると思いますが、やはりどこか中途半端な感がありました。
おっしゃるとおり、このあと7000系は外装を変えていきます。地味な車両だっただけにどんな変遷をたどったのか、把握できない点もあるかと思います。そういう意味で今回の「とれいん」誌の記事は、7000系の変遷を語る貴重な資料になるのかもしれません。
富士見ヶ丘跨線橋さん>
ステンレスの車体ということと長らく各駅停車用であったため、7000系は比較的状態の良い車両が多いようです。車内の退色はやむをえないのかも知れませんが、近年の更新でリフレッシュされました。まだまだ7000系は走り続けることでしょう。
投稿: Kaz-T | 2005.04.04 21:37