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2005.02.20

東部丘陵線Linimoの祖先

「愛・地球博」開催・東部丘陵線「Linimo」開業記念 特別連載企画 第1回

いよいよ来月25日、愛知県の瀬戸・長久手において国際博覧会が開催されます。「愛・地球博」と言う名称で、各国また各企業がパビリオンを出展します。また、この博覧会会場へのアクセスとして3月6日、地下鉄東山線藤が丘から万博会場を経由して愛知環状鉄道の万博八草までの新路線、愛知高速交通「東部丘陵線」が開業します。この新線は「Linimo」の愛称がつけられ、我が国において初めて本格的に実用化される磁気浮上式リニアモーターカー「HSST」が採用されます。HSSTとは「High Speed Surface Transport」の略で「とても速い陸の乗り物」を意味します。

そこで当ブログでは、「愛・地球博」開催と、「東部丘陵線・Linimo」開業を記念しまして、特集記事を掲載することとなりました。このLinimoで採用されたHSSTの歴史を自分の手持ち資料などで見ていこうという企画です。覚えておられる方でしたら「懐かしい」と思われる内容になる予定です。

さて、今回は第1回目になりますが、まずはこちらの画像からご覧下さい。

HSST-01

なんとも得体の知れない物体のように見えますが、これこそまもなく開業するLinimoの祖先にあたるHSSTの1号機になります。1974年から開発が始まり、この実験線が川崎市の扇島にあったとのことです。また、この1号機の尾翼にあたる部分に注目していただきたいのですが、鶴の「JAL」のマークが入っていることに気が付かれたかと思われますが、このHSSTは当時の日本航空が開発に携わっていました。では、なぜ日本航空がリニアモーターカーを開発しようとしたのかについてですが、この時期に開港した新東京国際空港が東京都心から離れた成田に開港し、そのアクセスを想定して開発が進められたとのことです。
この1号機は、無人機で高速性などをテストするために開発され、1978年に時速307.8kmの高速性能に成功し、HSSTが走行できることが実証されました。

1号機の成果を踏まえて開発されたのが2号機になります。

HSST-02

2号機は定員8人の有人機で乗り心地等を試験するために開発されました。最高時速は110kmで、1981年3月まで実際に一般の方に試乗させて、乗り心地の良さなどが実証されました。

さてこの両機ですが、この記事を作成するのに参考とした資料では、東京・上野の国立科学博物館に寄贈され保存・展示されているとあるのですが、その国立科学博物館のオフィシャルサイトには、これらHSSTについての記述が全く見当たりません。果たしてどこに行ってしまったのでしょうか?

と、いうことでこの両機について私は見たことがなく、参考資料だけで作成しました。博物館に寄贈されたことにはなっていますので、どこかの保管庫に今でも存在していると信じたいです。まもなく、この両機から進化しいよいよ本格的に実用化にこぎつけたHSST、この成功をどこかの薄暗い庫の中でこの両機が喜んでいると思います。


 参考資料及び画像出典 HSST3号機(次回掲載)のパンフレット


 次回予定 博覧会に登場したHSST

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コメント

HSST-01,仕事で応力の測定をしたときの写真がありました。

投稿: ひずみっ子 | 2006.01.07 12:06

ひずみっ子さん、コメントありがとうございます。また、貴重な画像を拝見させていただきました。
応力測定とは、第1号機だけにいろいろなテストが実施されたことを感じさせます。リニモにまで発展したHSSTの1号機は今どこでどんな状態になっているのか、非常に気になるところです。

投稿: Kaz-T | 2006.01.08 00:25

この記事へのコメントは終了しました。

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