今日は、なぜか飛行機に乗る用事を作りまして、福岡にやって来ました。福岡の滞在は約2時間30分ほどで、それこそ何のために行ってきたのかというツッコミはなしということでお願いいたします。
前置きが長くなりましたが、ここからいつもの鉄道に関する記事になります。
国鉄時代に標準型通勤車として多数製造された103系は、そのほとんどが首都圏及び関西圏で導入されました。その後名古屋の中央線や仙台の仙石線、JR発足後は岡山・広島といった地域にも進出しましたが、これらのほとんどは転属によって進出したものです。
ところが、国鉄時代に新製で導入された103系の中で、いきなり九州の地に配属された仲間がいます。それは1500番台を名乗るグループになります。
この103系1500番台ですが、1980年代の前半時期すでに首都圏では201系にモデルチェンジされていたのにもかかわらず、九州の筑肥線電化のために導入されました。筑肥線は博多から唐津を通り伊万里までを結ぶ路線でしたが、姪浜から唐津までの間のみ電化されるとともに一部新線に切り替えられ、唐津から伊万里までは唐津線と重なって非電化のまま残され、博多~姪浜の間は廃止されました。廃止区間の代替として、福岡市営地下鉄が開業し同線と相互乗り入れが行われることになったため、他の九州各線は交流電化に対して直流で電化されたため、導入されたものです。201系にモデルチェンジされていたのに103系となった理由として、筑肥線内において201系を導入するほどの省エネルギー効果は得られないからとのことです。
そして今日、103系1500番台は西唐津から姪浜より地下鉄に入り天神・博多を経由して福岡空港まで運行されています。
2004年11月3日 福岡市営地下鉄空港線 福岡空港駅で筆者撮影 今日は“唐津くんち”のヘッドマーク付き
この103系1500番台ですが、すでに時代は201系に移行していた時期だけあって、側面は201系から戸袋窓を除いた形、前面も105系に近いものになっています。またJR九州移管後にリニューアルが行われ塗装が変更になったとともに、当初は6両固定だったのが中間で3両ずつに分割できるように先頭車化改造されました。なお、改造の運転台は地上区間専用で、地下鉄線内では先頭に立てないようです。
また、最近では3両編成になるときの唐津寄り先頭車にトイレの設備が設けられました。
トイレ付きに改造された様子
車内はこんな感じ
数多く存在した103系の中でトイレが設けられたのはこの1500番台ぐらいなものであるとともに、地下鉄直通列車でトイレが装備されているのもここだけでしょう。ちなみに6両編成になった場合2箇所あることになります。
この103系1500番台ですが、乗り入れ先の福岡市営地下鉄ではけっこう厄介ものという話を聞いたことがあります。というのも地下鉄の電車はすでにチョッパ制御であったとともに地下鉄線内ではワンマン運転を行っているのですが、この103系だけはワンマン運転できず車掌が乗っています。また、首都圏では千代田線・東西線とすべて203系やE231系といった省エネ車になっているのもかかわらず、抵抗制御の103系がいまだもって地下鉄の乗入れているという状況になっています。実際に乗車してみますと走行音は間違いなく103系です。この103系を置き換える話はまだ出てはいないと思われます。(注:JR発足後に筑肥線増発用に303系という車両が導入されています)
と、いうことで、以外にも九州に存在する103系のお話でしたが、九州のJRは特急から普通列車まで、いずれもデザインに優れた魅力あふれる車両が多く走っており、過去にも何度か訪れたことがあります。機会がありましたときに紹介したいと思います。
お断り:今回乗車した福岡市営地下鉄はすべてホームドアが完備されているため、側面の画像はありません。ご了承ください。