« 華も嵐も乗り越えて、今日も中央線を201系が行く | トップページ | いよいよ終焉へ 京王井の頭線3764F »

2004.11.09

名鉄岐阜600V線区に廃止許可が出る

 名古屋を中心とする路線を持つ大手私鉄の名古屋鉄道(以下名鉄と称します)ですが、さきほど同社のホームページに、岐阜から伸びる路面電車である、岐阜市内線・揖斐線・美濃町線・田神線の通称「岐阜600V線区」の廃止が許可されたというリリースが掲載されていました。

 名鉄は、私自身初めて訪れたのが1999年のことで、その後「これほどまで面白い私鉄はない」とばかりに何度も訪れています。華やかなパノラマカーなどの名車が走る一方で、岐阜から出る路面電車とその先に伸びるローカル線は大変魅力があり、今では廃止されてしまった谷汲線を含めても何度か訪れたところです。2001年にその谷汲線などとくに輸送人員が減っていた区間が廃止されてしまったのですが、それからわずか数年で岐阜600V線区全線が廃止となるとは、いかに利用客が減ってしまったかというのを物語っています。

 しかし、岐阜市内の路面電車を見ると、安全地帯が未整備なのと、軌道敷地内の車の乗り入れが日常的になっていて特に規制もされていなかったというところに、この路線の結末を暗示していたかのようにも思えます。一時は外資企業が買収するといった話もあったようなのですが、はたしてどうなってしまったのでしょうか。
 けれども名鉄自体はこの600V区間をけっして放置していた訳ではなく、1980年代以降も新造車導入や冷房化など、また2000年には部分的な低床車である800型(2001年の鉄道友の会ローレル賞受賞車です)を導入するなどむしろ積極的に投資を行った点も見受けられることから、もう万策つきてしまったというのが実情なのでしょうか?

 と、いうことでまた名鉄を訪れ、岐阜の路面電車に乗ってこなければと今から思う次第です。その名鉄でも明るい話題として、来年2月に中部国際空港開港により新特急「ミュースカイ」がデビューします。また、名古屋地域全体でも来年は博覧会「愛・地球博」が開催されるなど、これから名古屋を中心とした東海地方から目が離せません。

meitetsu510.jpg
現在は駅前整備により営業を休止している岐阜駅前電停 もうここに電車が来ることはないのだろうか?岐阜600V線区を走る大正生まれの古豪、モ510の長かった車生も、路線の廃止で終焉を迎えることになりそうです。
2001年2月26日 岐阜駅前で筆者撮影 ちなみにこの当時もまた現在もモ510が走ることは極めて稀だそうです。

|

« 華も嵐も乗り越えて、今日も中央線を201系が行く | トップページ | いよいよ終焉へ 京王井の頭線3764F »

ニュース」カテゴリの記事

カテゴリー名鉄」カテゴリの記事

路面電車・LRT」カテゴリの記事

コメント

まさに古豪、という言葉がぴったりですね。楕円の窓は当時スーパーモダンだったのでしょうね。いまでも、南海のラピートぐらいでしょうか。あれも相当変わった電車ですが。

Primera

投稿: primera | 2004.11.11 00:30

Primeraさん、コメントありがとうございます。

 画像を掲載しましたモ510は、生まれて78年になり現在稼動する電車では日本最古といわれています。5枚窓の前面と楕円の戸袋窓は、まさに大正時代のモダンな車両の姿を今に伝えているといってもよいでしょう。名鉄岐阜600V線区に今も残るモ510ですが、見るだけでも大変と伺ったことがあります。この画像は本当に偶然撮れたもので、その後実際に乗車してそのレトロ感を体験してきました。なお、車内は転換クロスシートになっています。

 来年3月で廃止とのことで、それまでには一度訪れてみようと思っているのですが、果たしてまたモ510に会うことができるかは運しだいであり更に、乗ることはイベントなどでもない限りゼロと言ってもよさそうです。

投稿: Kaz-T | 2004.11.12 20:49

この記事へのコメントは終了しました。

« 華も嵐も乗り越えて、今日も中央線を201系が行く | トップページ | いよいよ終焉へ 京王井の頭線3764F »