1583.【アルピコ】ありがとう3003-3004 記念フリー乗車券・記念入場券
アルピコ交通上高地線で運転されてきた3000形、最後の編成が定期運行を終えることになりました。
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名称 :ありがとう3003-3004 記念フリー乗車券・記念入場券
発行社局:アルピコ交通
発売日 :2025年3月9日
値段 :1,600円
購入箇所:波田駅
シリアルNo.:0413
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アルピコ交通上高地線で最後まで残っていた3000形は3003・3004号車になります。京王井の頭線3000系の譲渡車で、この編成は3003号車はデハ3108、3006号車はデハ3058といずれも中間車からの改造になります。1999年に上高地線で運行を開始し今日まで運転されてきましたが、20100形の増備に伴い本日2025年3月9日の運行を最後に定期運用が終了となります。
この編成についてですが、京王時代の1988年頃に踏切事故に遭い、渋谷方先頭であったクハ3758(この車両は上毛電気鉄道モハ712として現存)とともに車体修復がなされたため京王3000系で3020F以降の編成にみられる軽量車体と呼ばれるドア・窓上に水切りがない・窓下コルゲートが1本少ないという車体になっています。上高地線にやってきた際は白車体にALPICOダイナミックストライプの外装でデビューしましたが、2017年に実施されたデスティネーションキャンペーンに合わせてかつて上高地線で運転されていたモハ10形の外装に変更されました。
2021年に発生した集中豪雨の影響により、上高地線は西松本~渚間にある田川橋梁が橋脚が傾くという被害が生じ、松本~新村間が不通となりその後不通区間は松本~渚間に短縮されたものの、3003・3004号車は復旧まで不通区間の松本駅に取り残されてしまいました。2022年6月に田川橋梁の復旧が完了し全線で運転再開となりましたが、この前段の2022年3月に新型車である20100形がデビューしたため3003・3004号車は引退の予定でした。ところが2022年7月に3001・3002号車が落雷の影響で再起不能となってしまい同年11月に廃車となったことから、3003・3004号車は延命されることになりました。その結果、最後まで残った3000形となりました。
3003・3004号車引退に合わせて発売されました記念乗車券になります。2022年の全線開通100周年のヘッドマークを着けた3003・3004号車の奈良井川橋梁(渚~信濃荒井)を走行しているシーンをあしらった台紙に、3003・3004号車引退のエンブレムをあしらったD型硬券による「上高地線電車1日フリー乗車券」と新島々駅の硬券入場券がセットされています。
定期運行最終日となった本日、3003・3004号車は朝時間帯で定期列車として運転されたのち、松本~新島々を3往復及び新島々→新村を急行「ありがとう3000形」号として運転、通常の乗車券のみで乗車可能で途中新村と波田に停車(最終の新島々発新村行きでは波田は通過)で運転されました。前後にはヘッドマークが着けられ各駅にも3000形引退のポスターが貼られましたがそれらデザインは、2011年に京王井の頭線で最後の3000系が引退を迎えた際に掲げられたヘッドマークやポスターをオマージュしたものでありました。自分は午前中の急行「ありがとう3000形」1号に松本から新島々まで乗車し、途中停車時間があった波田でこの記念乗車券を入手しました。その後は松本に戻りながら森口駅及び奈良井川橋梁にて最後の3000形3003・3004号車を撮影しました。
1999年から2000年にかけて上高地線にやってきた京王3000系、この路線で3000形として運転されましたが、本日2025年3月9日で定期運行は終了となりました。その後はイベント運行などはあるかもしれませんが、間もなく廃車となると思われます。3000形活躍の間で21世紀を迎え、2011年には社名が松本電気鉄道からアルピコ交通に変更となるという時代で運転されました。2021年の集中豪雨による被害からも立ち直った上高地線で活躍した3000形、終焉を迎えました。